問11:株式価値算定において「議決権プレミアム」が発生する理由はどれか。
- A:株主が多いから
- B:配当が多いから
- C:経営権を支配できる立場には高い価値が認められ、買収者がそれを上乗せして支払うから
- D:市場のルールだから
- E:銀行が推奨するから
【第11問:正解と解説】
正解:Option_C
【解説】
・A:株主の数は議決権プレミアムの発生理由とは直接関係しないため不適切。
・B:配当の多寡は株主価値に影響するが議決権プレミアムの発生の本質的理由ではないため不適切。
・C:支配株主は取締役選任・配当決定・重要事項決議等の経営の主要権限を持つためコントロール権(支配権)の価値として非支配株主の少数持分より高いプレミアムが認められるのが一般的であり適切。
・D:市場ルールで一律に決まるものではなく支配権の経済的価値に基づく概念であるため不適切。
・E:銀行の推奨は議決権プレミアムが発生する理由とは無関係であるため不適切。
問12:DCF法において「割引率(WACC)」を算出する際、負債の時価を帳簿価額で代用することの是非として適切なものはどれか。
- A:時価と帳簿は常に一致するから無視してよい
- B:時価を用いる必要は一切ない
- C:帳簿価額が常に正しい
- D:残存期間が短く市場金利と乖離が小さい場合は実務上許容されるが、本来は時価が望ましい
- E:時価を算出する法的な義務がある
【第12問:正解と解説】
正解:Option_D
【解説】
・A:時価と帳簿価額は金利環境の変化等により乖離するため常に一致するとは言えないため不適切。
・B:WACC計算の理論的な標準は時価を用いることであり一切不要とは言えないため不適切。
・C:帳簿価額は取得時の価格ベースであり現在の市場価値を反映しないため常に正しいとは言えないため不適切。
・D:理論的にはWACCの計算には時価を用いるべきだが残存期間が短い短期借入金等では市場金利との乖離が小さいため帳簿価額による近似が実務上許容される場合があるという合理的判断として適切。
・E:時価の使用は法律上の義務ではなく理論的な精度向上のための実務判断に基づくため不適切。
問13:企業価値評価において「ストックオプション」の行使が企業価値に与える影響はどれか。
- A:新株発行による希薄化が生じ、一株当たりの株式価値が下落するリスクがある
- B:企業価値自体は常に上がる
- C:負債が減る
- D:減価償却費が減る
- E:配当が増える
【第13問:正解と解説】
正解:Option_A
【解説】
・A:ストックオプションが行使されると新株が発行されて発行済株式数が増加するため一株当たりの株主価値(EPS・株式価値)が希薄化(ダイリューション)するリスクがあり評価において潜在株式数の考慮が重要であるため適切。
・B:ストックオプション行使は新株発行コストや希薄化を伴うため企業価値が常に上がるとは言えないため不適切。
・C:ストックオプション行使は株式発行であり負債の増減とは直接関係しないため不適切。
・D:ストックオプション行使は株式数の変化であり減価償却費とは無関係であるため不適切。
・E:ストックオプション行使は既存株主の希薄化をもたらすため配当増加の直接的要因とはならないため不適切。
問14:マルチプル法で「売上高倍率(EV/Sales)」を使用することが妥当なケースはどれか。
- A:全社的に売上が高い場合
- B:負債が多い場合
- C:赤字などで利益が出ておらず、利益倍率が使えない企業を評価する場合
- D:配当を出している場合
- E:市場成長率が低い場合
【第14問:正解と解説】
正解:Option_C
【解説】
・A:全社的な売上高の高さはEV/Sales倍率を選択する直接の理由にならないため不適切。
・B:負債の多寡はEV/Sales倍率の選択理由とは直接関係しないため不適切。
・C:赤字企業ではEV/EBITDAやPERなどの利益ベースの倍率が適用できないためマイナスにならない売上高を分母とするEV/Sales倍率が代替的な評価手法として有効であるため適切。
・D:配当の有無はEV/Sales倍率の選択理由とは直接関係しないため不適切。
・E:市場成長率はEV/Sales倍率の選択理由とは直接関係しないため不適切。
問15:DCF法において「運転資本(ワーキングキャピタル)」の増減をFCFに含める理由はどれか。
- A:運転資金はゼロにすべきだから
- B:利益を増やすから
- C:税金を減らすため
- D:負債を減らすため
- E:事業拡大には売掛金や在庫への投資が必要であり、それが現金の流出(拘束)になるから
【第15問:正解と解説】
正解:Option_E
【解説】
・A:運転資金をゼロにすることは通常の事業運営では不可能であり目指すべきものでもないため不適切。
・B:運転資本の増加はむしろ現金流出を意味するため利益増加の要因ではないため不適切。
・C:運転資本の変動は税金と直接関係しないため不適切。
・D:運転資本は流動資産と流動負債の差であり有利子負債とは別概念であるため不適切。
・E:売上の増加に伴い売掛金・在庫等の運転資本が増加すると現金が拘束され実際の現金収支が会計利益より悪化するためFCF算定では運転資本の変化を調整しなければ実質的な現金効果を過大評価するリスクがあるため適切。

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