財務・会計 ⑨応用編_企業価値評価_6問〜10問

問6:割引率が高くなると、DCF法で算出される企業価値はどうなるか。

  • A:高くなる
  • B:変わらない
  • C:倍になる
  • D:ゼロになる
  • E:低くなる
【第6問:正解と解説】

正解:Option_E
【解説】
・A:割引率が高くなると現在価値は低下するため「高くなる」は逆の関係であるため不適切。
・B:割引率が変化すれば現在価値も変化するため「変わらない」は誤りであるため不適切。
・C:割引率と企業価値は単純な倍の関係ではなく逆の非線形な関係にあるため不適切。
・D:割引率がいくら高くても将来CFがある限り現在価値はゼロにはならないため不適切。
・E:現在価値=将来CF÷(1+割引率)^年数という計算式で割引率が高くなると分母が大きくなり現在価値(企業価値)が低下するため適切。


問7:「ネットデット(純有利子負債)」とは何か。

  • A:有利子負債から現預金を差し引いたもの
  • B:負債の合計
  • C:借金の合計
  • D:現預金の合計
  • E:売掛金のこと
【第7問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:純有利子負債(Net Debt)=有利子負債(借入金・社債等)-現預金(すぐに返済に充てられる現金)という定義で企業が実質的に抱える債務残高を示すため適切。
・B:負債の合計は貸借対照表上の総負債であり現預金を考慮しない純有利子負債の定義とは異なるため不適切。
・C:借金の合計(有利子負債総額)は純有利子負債の構成要素の一つだが現預金を差し引く前の値であるため不適切。
・D:現預金の合計は純有利子負債から差し引く項目であり定義そのものではないため不適切。
・E:売掛金は営業債権であり純有利子負債の定義には含まれないため不適切。


問8:DCF法において、なぜ「利益」ではなく「キャッシュフロー」を使うのか。

  • A:会計上の利益は操作が簡単だから
  • B:利益は税金の影響を受けるから
  • C:現金の方が計算が楽だから
  • D:法律で決まっているから
  • E:現金こそが企業が自由に運用できる源泉だから
【第8問:正解と解説】

正解:Option_E
【解説】
・A:利益の操作可能性は理由の一つだがDCFでCFを使う本質的な理由ではないため不適切。
・B:利益も法人税の影響を受けるため税金の影響はCFとの比較の理由にならないため不適切。
・C:計算の容易さはDCFでCFを用いる理由ではなく実際にはCF計算の方が複雑な場合もあるため不適切。
・D:法律上の規定ではなくファイナンス理論に基づく選択であるため不適切。
・E:企業価値の本質は将来にわたって創出できる現金(CF)の大きさにあり利益は発生主義に基づく会計上の数字で現金の動きと異なるためCFを用いることが理論的に適切。


問9:「株主価値」を求めるために必要なものはどれか。

  • A:総資産から利益を引く
  • B:企業価値から有利子負債を差し引く(現預金を加味)
  • C:売上高から原価を引く
  • D:資本金から利益剰余金を引く
  • E:時価総額のみを見る
【第9問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:総資産から利益を引くのは意味をなす計算式ではなく株主価値の算出方法ではないため不適切。
・B:株主価値(Equity Value)=企業価値(EV)-純有利子負債(Net Debt)という関係式に基づきDCFで算出した企業価値から債権者に帰属する部分を差し引くことで株主に帰属する価値が算出されるため適切。
・C:売上高から原価を引くのは売上総利益の計算であり株主価値の算出ではないため不適切。
・D:資本金から利益剰余金を引くのは自己資本の一部の計算であり株主価値の算出方法としては不正確であるため不適切。
・E:時価総額のみを見るのはマーケットアプローチであり DCFによる株主価値の算出手順ではないため不適切。


問10:DCF法の計算手順として正しいものはどれか。

  • A:現在価値割引→事業計画作成
  • B:合計→予測
  • C:予測→割引→事業計画
  • D:事業計画作成→FCF予測→割引率設定→現在価値割引→合計
  • E:DCF法に手順はない
【第10問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:現在価値割引は事業計画作成の後に行うものであり順序が逆であるため不適切。
・B:合計は最終ステップであり最初に行うものではないため不適切。
・C:予測と割引の前に事業計画が必要でありこれを省いた手順は不完全であるため不適切。
・D:DCF法は事業計画の策定を起点としてFCFを予測し適切な割引率を設定して現在価値に換算し合計することで企業価値を算定するという論理的手順として適切。
・E:DCF法には明確な計算手順があるため手順がないとは言えないため不適切。


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