問1:DCF法とはどのような評価手法か。
- A:直近の決算書の利益を倍にする手法
- B:資産の合計額を求める手法
- C:将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて企業価値を求める手法
- D:過去の株価の平均を計算する手法
- E:競合他社と比較して決める手法
【第1問:正解と解説】
正解:Option_C
【解説】
・A:利益を一定の倍率で乗じる手法は簡易的なマルチプル法(利益倍率法)の説明であり DCF法ではないため不適切。
・B:資産の合計額から価値を求めるのはコストアプローチ(純資産法・時価純資産法)の説明であるため不適切。
・C:将来FCFを割引率で現在価値に換算し合計することで企業が生み出す価値を算定するというDCF法(Discounted Cash Flow)の定義として適切。
・D:過去の株価の平均を使う手法はマーケットアプローチの一形態であり DCF法ではないため不適切。
・E:競合他社と比較して倍率で価値を求めるのはマルチプル法(マーケットアプローチ)の説明であるため不適切。
問2:DCF法において「現在価値」に割り引く際、何を用いるか。
- A:売上高成長率
- B:当期純利益
- C:総資産額
- D:自己資本比率
- E:割引率(資本コスト)
【第2問:正解と解説】
正解:Option_E
【解説】
・A:売上高成長率はFCFの成長予測に用いるパラメータであり割引計算の率そのものではないため不適切。
・B:当期純利益はCFの参考情報ではあるが現在価値算定の割引率ではないため不適切。
・C:総資産額は貸借対照表上の資産規模を示すものであり割引率とは無関係であるため不適切。
・D:自己資本比率は安全性の財務指標であり現在価値を算定する割引率ではないため不適切。
・E:将来のキャッシュフローを現在の価値に換算するためには貨幣の時間価値を反映した割引率(投資家の要求収益率=資本コスト)を用いることが必要であるため適切。
問3:フリーキャッシュフロー(FCF)の定義として適切なものはどれか。
- A:税引前利益のこと
- B:営業利益のこと
- C:現預金の残高のこと
- D:企業が事業活動で稼ぎ出し、自由に使える現金
- E:株主に配当する現金のこと
【第3問:正解と解説】
正解:Option_D
【解説】
・A:税引前利益は損益計算書上の概念であり現金の動きを表すFCFとは異なるため不適切。
・B:営業利益は損益計算書上の指標であり税金・設備投資等を考慮したFCFとは異なるため不適切。
・C:現預金の残高はストック(時点の残高)であり一定期間のキャッシュの増減を示すフローのFCFとは異なるため不適切。
・D:FCF(Free Cash Flow)は営業CFから設備投資等を差し引いた企業が自由に利用できる現金であり DCF法の基礎となる概念として適切。
・E:配当はFCFの使途の一つに過ぎずFCFの定義そのものではないため不適切。
問4:DCF法における「継続価値(ターミナルバリュー)」とは何か。
- A:評価期間中の利益の合計
- B:最初の1年間の利益
- C:評価期間終了以降に永久に生み出すキャッシュフローの現在価値
- D:負債を返済した後の現金
- E:株主に還元する現金
【第4問:正解と解説】
正解:Option_C
【解説】
・A:評価期間中の利益の合計は詳細予測期間のCFの集計に相当するが継続価値の定義ではないため不適切。
・B:最初の1年間の利益は企業価値の一部に過ぎず継続価値の定義とは異なるため不適切。
・C:継続価値とは詳細予測期間(通常3〜5年)終了後に企業が永続的に生み出すFCFを一定成長率で永続年金として計算し現在価値に換算したものであるため適切。
・D:負債返済後の現金は株主価値算出の一過程であり継続価値の定義ではないため不適切。
・E:株主への還元額は継続価値から得られる成果の一部であるが定義そのものではないため不適切。
問5:企業価値(Enterprise Value)と株式価値(Equity Value)の関係はどれか。
- A:企業価値と株式価値は全く同じである
- B:企業価値に負債を足すと株式価値になる
- C:株式価値から負債を引くと企業価値になる
- D:企業価値から純有利子負債を差し引くと株式価値になる
- E:資産と負債は関係ない
【第5問:正解と解説】
正解:Option_D
【解説】
・A:企業価値には有利子負債も含まれるため株式価値と同じとは言えないため不適切。
・B:企業価値に負債を足すのは逆の操作であり株式価値は算出できないため不適切。
・C:株式価値から負債を引くと企業価値になるというのは式が逆であるため不適切。
・D:株式価値(Equity)=企業価値(EV)-純有利子負債(Net Debt)という関係式に基づきDCF法で求めた企業価値から有利子負債を差し引くことで株主に帰属する価値が算出されるため適切。
・E:企業価値算定においては資産と負債の関係が核心にあるため関係ないとは言えないため不適切。

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