財務・会計 ③応用編_会計基準_1問〜5問

問1:減価償却方法を定率法から定額法に変更した場合、初年度の営業利益および税引後キャッシュフローへの影響として適切なものはどれか。

  • A:営業利益は減少し、税引後キャッシュフローは増加する
  • B:営業利益は増加し、税引後キャッシュフローへの影響は限定的である
  • C:営業利益は減少し、税引後キャッシュフローも減少する
  • D:営業利益は増加し、税引後キャッシュフローは減少する
  • E:営業利益・キャッシュフローともに影響はない
【第1問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:定率法の方が初年度の償却費は大きいため定額法に変更すると利益が減少するという記述は逆であり不適切。
・B:定率法より定額法の方が初年度の償却費が小さいため営業利益は増加する。一方減価償却費は非資金費用のため税引後CFへの正味の影響は限定的であり適切。
・C:償却費が減少するのに利益が減少するという記述は矛盾するため不適切。
・D:営業利益増加は正しいがCFが減少するという記述は根拠が薄いため不適切。
・E:償却費という費用計上額が変わるため影響はあるため不適切。


問2:引当金の計上が過大に行われた場合、翌期以降の業績に及ぼす影響として最も適切なものはどれか。

  • A:利益が過小に計上され続け、財務状態が不透明になる
  • B:引当金の取り崩しにより、翌期以降の利益が不当に押し上げられる可能性がある
  • C:売上高が減少する
  • D:負債比率が低下する
  • E:キャッシュフロー計算書の営業CFが改善する
【第2問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:過大計上は当期利益を不当に減少させるが翌期以降の利益を永続的に過小化するわけではないため不適切。
・B:引当金を過大計上すると当期利益が圧縮され翌期以降に実績が予定より少なければ差額が取り崩し益として計上され利益を不当に押し上げるため適切。
・C:引当金は販管費等の費用項目であり売上高そのものには直接影響しないため不適切。
・D:引当金は負債であるため過大計上は負債増加につながり比率は上昇するため不適切。
・E:引当金の取り崩しは非資金項目でありCFの直接改善には繋がらないため不適切。


問3:税効果会計において「繰延税金資産」を計上する際、回収可能性の判定で最も慎重になるべき企業状態はどれか。

  • A:過去数年間にわたり継続的な赤字を計上している企業
  • B:一時的に多額の設備投資を行った企業
  • C:売上高が急成長している企業
  • D:役員報酬を削減した企業
  • E:新株予約権を発行した企業
【第3問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:繰延税金資産は将来の課税所得を前提とする。継続的な赤字は将来の課税所得が見込めず資産価値が否定されるため最も慎重になるべきであり適切。
・B:一時的な設備投資は将来の減価償却費等の差異であり継続赤字ほど回収可能性の懸念は深刻ではないため不適切。
・C:売上高急成長企業は将来の黒字期待が高いため回収可能性の懸念は低いため不適切。
・D:役員報酬削減は利益改善要因であり繰延税金資産の毀損要因にはならないため不適切。
・E:新株予約権の発行と回収可能性判定は直接結びつかないため不適切。


問4:減損会計における「使用価値」の算定において、割引率の設定が経営者に与える影響として正しいものはどれか。

  • A:割引率を高く設定すると、減損の兆候が消失しやすくなる
  • B:割引率を高く設定すると、使用価値が下がり減損損失を認識しやすくなる
  • C:割引率は経営者が恣意的に決定できるため重要ではない
  • D:割引率を低く設定すると、固定資産の帳簿価額が上昇する
  • E:割引率の変動は損益計算書に影響を与えない
【第4問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:減損の兆候判定は割引前の将来CFで行うため割引率は兆候の消失には直接関係しないため不適切。
・B:割引率が高いほど将来CFの現在価値は小さくなり使用価値が低下するため減損判定で損失を認識しやすくなるため適切。
・C:割引率は市場金利等を反映させる必要があり経営者の恣意的な決定は許されないため不適切。
・D:割引率を変えても固定資産の帳簿価額そのものは変化しないため不適切。
・E:減損損失が認識されれば特別損失として損益計算書に計上されるため影響を与えるため不適切。


問5:賞与引当金の計上において、当期中に全額支払うことが確定している場合、適切な処理はどれか。

  • A:引当金ではなく未払金として計上すべきである
  • B:引当金として計上しなければならない
  • C:どちらでもよい
  • D:法人税法で認められていないため計上しない
  • E:未収金として計上すべきである
【第5問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:支払額と時期が確定している場合は「引当金」の定義(見積りに基づく将来の費用負担)に当たらず「未払金(確定債務)」として処理するのが適切。
・B:引当金は見積りに基づく負債のため金額・時期が確定した確定債務には適用しないため不適切。
・C:会計基準上は確定債務と引当金は区分されるため「どちらでも」は不適切。
・D:法人税法上の損金算入とは別に会計基準上の適切な処理が求められるため不適切。
・E:未収金は回収すべき資産であり未払の賞与には該当しないため不適切。


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