財務・会計 ⑥初級編_意思決定会計_26問〜30問

問26:自社製造か購入かの決定において、既存設備の「減価償却費」を考慮しなくてよい理由はどれか。

  • A:減価償却費は会社の利益に影響しないから
  • B:減価償却費は変動費だから
  • C:設備を新規購入する場合も同様に考慮不要だから
  • D:すでに取得済みの設備費はサンクコストであり現金支出を伴わないため
  • E:経営者が重要視しないから
【第26問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:減価償却費は損益計算書上の費用として利益に影響を与えるため誤りであるため不適切。
・B:減価償却費は固定費であり変動費ではないため不適切。
・C:新規設備の購入資金は現金支出を伴うため意思決定で考慮すべき関連原価となり考慮不要とはならないため不適切。
・D:すでに取得した設備の減価償却費は過去の投資に伴う非資金費用(現金支出を伴わない)であり意思決定によって変化しないサンクコストに相当するためCF分析では除外するのが原則として適切。
・E:経営者の主観は会計上の考慮要否の判断基準ではないため不適切。


問27:意思決定会計のプロセスとして適切なものはどれか。

  • A:目的設定→情報収集→分析→意思決定
  • B:意思決定→分析→情報収集
  • C:いきなり意思決定する
  • D:専門家の意見を待つ
  • E:税務申告から始める
【第27問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:論理的な意思決定は目的の明確化・必要情報の収集・差額分析等による分析・最終的な意思決定という手順で行うのが適切。
・B:意思決定を先に行ってから分析するのは手順が逆であり不適切。
・C:分析なしの意思決定は根拠に乏しく不適切。
・D:専門家の意見を参考にすることは有益だが待つだけでは主体的な意思決定ができないため不適切。
・E:税務申告は意思決定の結果生じる事後的な作業であり意思決定プロセスの出発点ではないため不適切。


問28:意思決定会計と原価計算の違いは何か。

  • A:同じものである
  • B:意思決定会計は税務報告用である
  • C:原価計算は意思決定用である
  • D:違いはない
  • E:意思決定会計は将来の選択を、原価計算は過去の実績の把握を主目的とする
【第28問:正解と解説】

正解:Option_E
【解説】
・A:両者は目的・方法ともに異なるため同じではないため不適切。
・B:意思決定会計は内部管理(管理会計)のためのものであり外部報告(税務報告)用ではないため不適切。
・C:原価計算の主目的は過去の実績把握であり意思決定支援は副次的な活用であるため不適切。
・D:両者には明確な目的・方法の違いがあるため不適切。
・E:意思決定会計は将来の選択肢を比較し最良の行動を選ぶための管理会計手法であるのに対し原価計算は実際に発生した原価の記録・集計と製品原価の把握を主目的とする点で異なるため適切。


問29:あるプロジェクトの意思決定において「将来キャッシュフローがプラス」とは何を意味するか。

  • A:利益が出ること
  • B:売上が増えること
  • C:固定費が減ること
  • D:そのプロジェクトで現金が将来的に手元に残る見込みがあること
  • E:借金が減ること
【第29問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:会計上の利益とキャッシュフローは発生主義と現金主義の違いにより必ずしも一致しないため不適切。
・B:売上増加は現金増加の一要因となりうるが売上増=CF増とは限らないため不適切。
・C:固定費削減は手段の一つであり将来CFがプラスの定義ではないため不適切。
・D:将来キャッシュフローがプラスとはそのプロジェクトを実行した場合に将来的に現金が手元に残る(現金収支がプラスになる)見込みがあることを意味するため適切。
・E:借金の返済は現金流出を伴うためCFを減らす方向に働き将来CFがプラスの説明としては不正確であるため不適切。


問30:意思決定会計で「定量的要因」と「定性的要因」のバランスはなぜ必要か。

  • A:計算が楽になるから
  • B:どちらも無視できないから
  • C:税務署が求めているから
  • D:株主が喜ぶから
  • E:どちらか一方だけでは意思決定に偏りが生じるから
【第30問:正解と解説】

正解:Option_E
【解説】
・A:両者のバランスは計算の容易さではなく意思決定の精度向上のためであるため不適切。
・B:無視できないという事実は正しいが偏りの防止という本質的な理由の説明としては不十分であるため不適切。
・C:税務署の要請は意思決定会計の目的とは無関係であるため不適切。
・D:株主への説明は副次的な効果であり両要因のバランスが必要な本質的な理由ではないため不適切。
・E:定量的分析のみでは数値化できないリスクや価値が考慮されず定性的要因のみでは客観性・説得力が失われるためどちらか一方だけでは偏った意思決定になるという管理会計の核心をついており適切。


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