財務・会計 ⑧応用編_投資評価_26問〜30問

問26:「実物オプション」における「放棄オプション」とは何か。

  • A:プロジェクトが不採算になった場合、途中で事業を中止して損失を最小化する権利
  • B:何もせずに放置する権利
  • C:株を売る権利
  • D:借金を返す権利
  • E:税金を減らす権利
【第26問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:放棄オプションとはプロジェクトの収益性が想定を下回った場合に事業を途中で中止・売却することで追加損失を回避できる権利であり実物オプションのダウンサイドリスク限定化機能の典型例として適切。
・B:何もせずに放置することは放棄オプションの定義ではなく意図的な中止決定が本質であるため不適切。
・C:株を売る権利は金融オプション(プット・オプション)の説明であり実物オプションの放棄とは異なるため不適切。
・D:借金の返済は財務活動であり放棄オプションの定義ではないため不適切。
・E:税金を減らす権利は節税のための手段であり放棄オプションとは無関係であるため不適切。


問27:NPVの計算において、投資期間が非常に長い(永続的)場合の公式として適切なものはどれか。

  • A:CF × 割引率
  • B:CF ÷ 投資額
  • C:CF × 期間
  • D:CF ÷ 割引率
  • E:CF ÷ 税率
【第27問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:CF×割引率は現在価値の計算として成立しないため不適切。
・B:CF÷投資額は収益性指数(PI)に近い概念であり永続年金の現在価値計算式ではないため不適切。
・C:CF×期間は単純な合計額であり現在価値(時間価値考慮)の計算式ではないため不適切。
・D:永続年金(パーペチュイティ)の現在価値=CF÷割引率という公式であり毎期一定のCFが永続的に発生するプロジェクトの現在価値評価として適切。
・E:CF÷税率は永続年金の計算式として成立しないため不適切。


問28:投資評価において、キャッシュフローの発生時期が期末ではなく期中であると仮定する場合の修正はどれか。

  • A:NPVは変わらない
  • B:NPVは小さくなる
  • C:より現在に近い時点の価値となるため、NPVは大きくなる
  • D:計算できなくなる
  • E:税率が変わる
【第28問:正解と解説】

正解:Option_C
【解説】
・A:CFの発生時期の仮定を変えれば現在価値(NPV)は変化するため変わらないとは言えないため不適切。
・B:期末より現在に近い期中の方が現在価値は高くなるためNPVが小さくなるとは逆であるため不適切。
・C:貨幣の時間価値の原則によりCFの発生時点が現在に近いほど現在価値が高くなるため期末(年度末)より期中(年度の中間)に発生すると仮定するとNPVが大きくなるため適切。
・D:CF発生時期の調整は割引計算の応用であり計算できなくなることはないため不適切。
・E:税率はCFの発生タイミングの仮定の変更とは直接関係しないため不適切。


問29:設備投資の意思決定において、既存の「生産能力」に余裕がある場合、投資評価上の注意点はどれか。

  • A:新たな設備投資による増分収益と増分コストのみを検討し、共通費の配賦は除外すること
  • B:全ての工場コストを含めること
  • C:配賦を増やすこと
  • D:税金を無視すること
  • E:利益だけ見ること
【第29問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:生産能力に余裕がある場合の追加投資評価では増分収益と増分コスト(差額原価収益)のみを対象にし意思決定によって変化しない共通固定費の配賦額は除外するという差額分析の基本として適切。
・B:全工場コストを含めると非関連な共通固定費が計算に入り正確な増分効果が評価できないため不適切。
・C:配賦を増やすことは評価精度を下げる方向であり適切な対応ではないため不適切。
・D:税金は税引後CFの算出に不可欠であるため無視することは不適切。
・E:利益だけ見ることはCFベースの投資評価の原則に反するため不適切。


問30:プロジェクトが終了した際に「資産の撤去費用」が発生する場合、NPV計算においてどう扱うか。

  • A:無視する
  • B:最終年度のキャッシュフローからマイナス(現金流出)として引く
  • C:税金から引く
  • D:投資額に足す
  • E:利益から引く
【第30問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:撤去費用を無視するとNPVが過大評価され誤った投資判断につながるため不適切。
・B:撤去費用はプロジェクト終了時に発生する現金支出であるため最終年度のCFからマイナスとして計上しNPV計算に含めることで投資の正確な経済性評価が可能となるため適切。
・C:撤去費用を税金から直接差し引くことは会計処理として誤りであるため不適切。
・D:撤去費用を初期投資額に加算することは発生タイミングが異なるため時間価値の観点から不正確であるため不適切。
・E:撤去費用を会計上の利益から差し引くことはCFベースの投資評価の手順としては不正確であるため不適切。


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