問16:為替介入に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:自国通貨安を抑えたい場合、通貨当局は外貨を売って自国通貨を買う介入を行い、その結果として外貨準備は減少する
- B:自国通貨高を是正するための介入は、自国通貨を買い外貨を売る取引である
- C:非不胎化介入は、介入による貨幣供給の変化を公開市場操作で相殺する介入である
- D:為替介入は、必ず狙いどおりの方向に為替レートを動かすことができる
- E:外貨を買い自国通貨を売る介入は、自国通貨高を促す効果を持つ
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。自国通貨安を抑えたい場合、通貨当局は外貨を売り自国通貨を買う介入を行い、その結果として外貨準備は減少する。
・B
不適切。自国通貨高の是正には自国通貨を売り外貨を買う介入を行うため、自国通貨を買うとする記述は方向が逆である。
・C
不適切。貨幣供給の変化を公開市場操作で相殺するのは不胎化介入であり、非不胎化介入は相殺しない。
・D
不適切。為替介入の効果は市場環境等に左右されるため、必ず狙いどおりに動かせるとする記述は誤りである。
・E
不適切。外貨を買い自国通貨を売る介入は自国通貨安を促すため、自国通貨高を促すとする記述は誤りである。
問17:貿易政策をめぐる議論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:幼稚産業保護論は、成熟した競争力のある産業を恒久的に保護すべきだと主張する
- B:幼稚産業保護論は将来的に比較優位を持ちうる発展途上の産業を一時的に保護し成長後に自立させる議論だが、保護対象の選定の難しさや保護の固定化のリスクを伴う
- C:幼稚産業保護論によれば、保護は永続的に続けるべきである
- D:輸出補助金は、輸出国の総余剰を必ず増加させる効率的な政策である
- E:非関税障壁とは、輸入品に課される関税そのものを指す
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。幼稚産業保護論は発展途上の産業の一時的保護を論じるものであり、成熟産業の恒久的保護を主張するとする記述は誤りである。
・B
適切。幼稚産業保護論は将来比較優位を持ちうる産業を一時的に保護し成長後に自立させる議論だが、保護対象の選定の難しさや保護の固定化のリスクを伴う。
・C
不適切。幼稚産業保護論は成長後に保護を撤廃して自立させることを前提とするため、永続的に続けるべきとする記述は誤りである。
・D
不適切。輸出補助金は歪みと補助金支出により総余剰を減少させうるため、必ず増加させる効率的な政策とする記述は誤りである。
・E
不適切。非関税障壁は関税以外の方法で輸入を制限する措置を指すため、関税そのものとする記述は誤りである。
問18:貿易と所得分配に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:自由貿易は、国内のすべての人々の実質所得を必ず同時に高める
- B:ストルパー=サミュエルソンの定理は、貿易がすべての生産要素の実質報酬を等しく高めると述べる
- C:ストルパー=サミュエルソンの定理はある財の相対価格の上昇がその財に集約的な要素の実質報酬を高め他方の要素の実質報酬を低下させると述べ、貿易は国全体では利益をもたらすが特定の要素の所有者は不利益を被りうる
- D:要素価格均等化定理は、関税が高いほど要素価格が均等化することを示す
- E:自由貿易による利益は、貿易に関わる一部の輸出企業にのみ生じる
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。自由貿易は輸入競合産業などに不利益を及ぼしうるため、すべての人々の実質所得を必ず同時に高めるとする記述は誤りである。
・B
不適切。ストルパー=サミュエルソンの定理は要素間で実質報酬に得失が生じることを示すため、すべての要素を等しく高めるとする記述は誤りである。
・C
適切。ストルパー=サミュエルソンの定理はある財の相対価格上昇がその財に集約的な要素の報酬を高め他方の要素の報酬を下げると述べ、貿易は国全体では利益をもたらすが特定要素の所有者は不利益を被りうる。
・D
不適切。要素価格均等化は自由貿易を通じて生じる傾向であり、関税が高いほど均等化するとする記述は誤りである。
・E
不適切。自由貿易の利益は消費者を含め国全体に及ぶため、一部の輸出企業のみに生じるとする記述は誤りである。
問19:円ドル為替レートが1ドル=125円から1ドル=100円へ変化したときの記述として、最も適切なものはどれか。
- A:この変化は円安であり、日本の輸出企業に有利に働く
- B:この変化により、ドル建てで販売する日本の輸出品の現地価格は下落する
- C:この変化は、1ドルを得るのに必要な円が増えたことを意味する
- D:この変化は円高(円の増価)であり、同じドル建て価格の輸入品をより少ない円で購入できるようになる一方、日本の輸出品のドル建て現地価格は上昇しやすく輸出企業には不利に働く
- E:この変化により、外貨建て対外資産を円換算した価値は増加する
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。1ドル=125円から100円への変化は円高であり輸出企業には不利に働くため、円安・有利とする記述は誤りである。
・B
不適切。円高では日本の輸出品を同じ円建て採算で売るとドル建て現地価格はむしろ上昇しやすいため、下落するとする記述は誤りである。
・C
不適切。1ドルを得るのに必要な円は125円から100円へ減っているため、増えたとする記述は誤りである。
・D
適切。1ドル=125円から100円への変化は円高であり、輸入品をより少ない円で購入できる一方、輸出品のドル建て現地価格は上昇しやすく輸出企業には不利に働く。
・E
不適切。円高では外貨建て対外資産の円換算価値はむしろ減少するため、増加するとする記述は誤りである。
問20:WTOを中心とする多角的貿易体制に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:最恵国待遇とは、輸入品を国内産品より不利に扱う原則を指す
- B:内国民待遇とは、ある加盟国に与えた最も有利な待遇を他のすべての加盟国にも与える原則を指す
- C:WTOは、加盟国が自由に関税を引き上げることを一貫して推奨している
- D:WTOの紛争解決手続は存在せず、加盟国間の貿易紛争はすべて当事国間の二国間交渉のみで解決される
- E:WTOを中心とする多角的貿易体制は最恵国待遇と内国民待遇を基本原則とし、貿易の自由化と無差別を進めてきた
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。最恵国待遇はある国に与えた有利な待遇を他の全加盟国にも及ぼす無差別の原則であり、輸入品を不利に扱う原則とする記述は誤りである。
・B
不適切。ある国に与えた有利な待遇を他の全加盟国に及ぼすのは最恵国待遇であり、内国民待遇は輸入品を国内産品と同等に扱う原則である。
・C
不適切。WTOは貿易の自由化を進める枠組みであり、自由な関税引き上げを一貫して推奨しているとする記述は誤りである。
・D
不適切。WTOには紛争解決機関(DSB)に基づく紛争解決手続が整備されており、二国間交渉のみで解決するとする記述は誤りである。
・E
適切。WTOを中心とする多角的貿易体制は最恵国待遇と内国民待遇を基本原則とし、貿易の自由化と無差別を進めてきた。

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