問16:複占におけるクールノー均衡と反応関数に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:クールノー競争における反応関数(最適反応)は、相手企業の生産量に対する自企業の利潤最大化生産量を表し、両企業の反応関数の交点がクールノー均衡となる
- B:反応関数は、相手企業の価格に対する自企業の最適価格を表す
- C:クールノー均衡は、各企業の反応関数が交わらない点で成立する
- D:クールノー均衡では、各企業が相手の生産量を無視して独立に生産量を決める
- E:反応関数が右上がりであることは、両企業の生産量が互いに補完的であることを意味する
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。クールノー競争の反応関数は相手の生産量に対する自企業の利潤最大化生産量を表し、両企業の反応関数の交点がクールノー均衡となる。
・B
不適切。相手の価格に対する最適価格を表すのは価格競争(ベルトラン)の反応関数であり、クールノー競争は生産量に関する反応関数である。
・C
不適切。クールノー均衡は両企業の反応関数が交わる点で成立するため、交わらない点で成立するとする記述は誤りである。
・D
不適切。クールノー競争では各企業が相手の生産量を所与として最適反応を選ぶため、相手を無視して独立に決めるとする記述は誤りである。
・E
不適切。クールノー競争の反応関数は通常右下がりであり生産量は戦略的代替の関係にあるため、右上がりで補完的とする記述は誤りである。
問17:独占禁止政策・競争政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:独占禁止法は、企業規模が大きいこと自体を一律に違法としている
- B:独占禁止政策は、カルテルや不当な取引制限、私的独占、不公正な取引方法などを規制し、市場の競争を維持・促進することを目的とする
- C:独占禁止政策は、企業の合併をすべて禁止することを目的とする
- D:独占禁止法は、消費者に有利な値下げ競争を制限することを主な目的とする
- E:独占禁止政策では、価格の引き上げを行うカルテルは競争を促進するため奨励される
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。独占禁止法が問題とするのは競争を実質的に制限する行為であり、企業規模が大きいこと自体を一律に違法とするものではない。
・B
適切。独占禁止政策はカルテルや不当な取引制限、私的独占、不公正な取引方法などを規制し、市場の競争を維持・促進することを目的とする。
・C
不適切。独占禁止政策は競争を実質的に制限する合併を規制するものであり、すべての合併を禁止することを目的とするものではない。
・D
不適切。独占禁止法はむしろ公正な競争を維持するものであり、消費者に有利な値下げ競争の制限を目的とするとする記述は誤りである。
・E
不適切。価格引き上げのカルテルは競争を制限するため独占禁止法上規制されるものであり、奨励されるとする記述は誤りである。
問18:自然独占に対する価格規制(限界費用価格形成と平均費用価格形成)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:限界費用価格形成原理では、価格を平均費用に等しく設定する
- B:平均費用価格形成原理では、資源配分上の効率性(価格=限界費用)が完全に達成される
- C:限界費用価格形成原理(価格=限界費用)は資源配分上望ましいが、平均費用が逓減する自然独占では企業が赤字となるため、独立採算を保つには価格=平均費用とする平均費用価格形成が用いられるが、その場合は資源配分上の効率性が一部損なわれる
- D:平均費用価格形成では、企業は必ず赤字となる
- E:限界費用価格形成では、企業は常に正の利潤を確保できる
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。限界費用価格形成原理では価格を限界費用に等しく設定するものであり、平均費用に等しく設定するとする記述は誤りである。
・B
不適切。平均費用価格形成では価格=平均費用となり価格が限界費用を上回るため、資源配分の効率性が完全には達成されない。
・C
適切。限界費用価格形成は望ましいが自然独占では赤字となるため、独立採算のために平均費用価格形成が用いられ、その場合は効率性が一部損なわれる。
・D
不適切。平均費用価格形成では価格=平均費用で収入と費用が等しくなり赤字にはならないため、必ず赤字となるとする記述は誤りである。
・E
不適切。平均費用が逓減する自然独占で価格=限界費用とすると赤字となるため、常に正の利潤を確保できるとする記述は誤りである。
問19:市場集中度の指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ハーフィンダール指数(HHI)は、上位数社の市場シェアの単純な合計である
- B:ハーフィンダール指数(HHI)は、値が小さいほど市場の集中度が高い
- C:ハーフィンダール指数(HHI)は、独占のとき最小値をとる
- D:ハーフィンダール指数(HHI)は各企業の市場シェアの二乗和として計算され、値が大きいほど市場の集中度が高く、完全独占では最大値をとる
- E:ハーフィンダール指数(HHI)は、企業数が多いほど大きくなる
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。上位数社のシェアの単純合計は集中度指数(CRn)であり、ハーフィンダール指数はシェアの二乗和である。
・B
不適切。ハーフィンダール指数は値が大きいほど集中度が高いため、小さいほど高いとする記述は誤りである。
・C
不適切。ハーフィンダール指数は独占のとき最大値をとるため、最小値をとるとする記述は誤りである。
・D
適切。ハーフィンダール指数は各企業の市場シェアの二乗和で計算され、値が大きいほど集中度が高く、完全独占で最大値をとる。
・E
不適切。企業数が多くシェアが分散するほどハーフィンダール指数は小さくなるため、大きくなるとする記述は誤りである。
問20:X非効率性とレント・シーキングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:X非効率性とは、独占企業が資源配分上最適な生産量を達成している状態を指す
- B:レント・シーキングは、社会全体の生産性を高める望ましい活動である
- C:X非効率性は、競争圧力が強いほど大きくなる
- D:レント・シーキングによって、社会的な資源の無駄は生じない
- E:X非効率性とは競争圧力の欠如により企業内部の効率が低下し費用が最小化されない状態を指し、レント・シーキングとは独占的地位などの経済的レントを得るために資源を費やす活動で、社会的には無駄を生みうる
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。X非効率性は競争圧力の欠如により費用が最小化されない非効率を指すものであり、最適な生産量を達成している状態とする記述は誤りである。
・B
不適切。レント・シーキングは生産に寄与しないレント獲得のための活動であり、社会全体の生産性を高める望ましい活動とする記述は誤りである。
・C
不適切。X非効率性は競争圧力が弱いほど大きくなる傾向があるため、強いほど大きくなるとする記述は誤りである。
・D
不適切。レント・シーキングは生産的でない活動に資源が費やされ社会的な無駄を生みうるため、無駄が生じないとする記述は誤りである。
・E
適切。X非効率性は競争圧力の欠如で費用が最小化されない状態を指し、レント・シーキングはレント獲得のために資源を費やす活動で社会的な無駄を生みうる。

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