問16:ゼロサムゲームとミニマックス戦略に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ゼロサムゲームは一方の利得が他方の損失と一致する(利得の合計が一定の)ゲームであり、各プレイヤーが最悪の場合の損失を最小化しようとするミニマックス戦略が考えられる
- B:ゼロサムゲームでは、両者が協力することで双方の利得の合計を増やせる
- C:ミニマックス戦略とは、自らの最大の利得を最大化する戦略である
- D:ゼロサムゲームでは、プレイヤー間の利害が完全に一致している
- E:ゼロサムゲームには、混合戦略の均衡は存在しない
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。ゼロサムゲームは一方の利得が他方の損失に一致するゲームであり、最悪の場合の損失を最小化するミニマックス戦略が考えられる。
・B
不適切。ゼロサムゲームは利得の合計が一定であり協力で合計を増やせないため、増やせるとする記述は誤りである。
・C
不適切。ミニマックス戦略は最悪の場合の損失を最小化する(最大損失を最小化する)戦略であり、最大の利得を最大化するとする記述は誤りである。
・D
不適切。ゼロサムゲームは一方の利得が他方の損失となる利害が完全に対立するゲームであり、完全に一致しているとする記述は誤りである。
・E
不適切。ゼロサムゲームでも混合戦略の均衡が存在しうるため、存在しないとする記述は誤りである。
問17:繰り返しゲームにおけるフォーク定理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:フォーク定理は、繰り返しゲームでは協調が唯一の均衡になることを示す
- B:フォーク定理は、無限繰り返しゲームで将来利得の割引率が十分低ければ、個人合理性を満たす広い範囲の結果が均衡として支持されうることを示す
- C:フォーク定理は、1回限りのゲームにおける唯一の均衡を特定する定理である
- D:フォーク定理によれば、繰り返しゲームの均衡は必ず1つに定まる
- E:フォーク定理は、将来利得を全く考慮しない場合に成立する
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。フォーク定理は多様な結果が均衡として支持されうることを示すものであり、協調が唯一の均衡になるとする記述は誤りである。
・B
適切。フォーク定理は、無限繰り返しゲームで将来利得の割引率が十分低ければ個人合理性を満たす広い範囲の結果が均衡として支持されうることを示す。
・C
不適切。フォーク定理は繰り返しゲームに関する定理であり、1回限りのゲームの唯一の均衡を特定するとする記述は誤りである。
・D
不適切。フォーク定理は多数の均衡が存在しうることを示すため、必ず1つに定まるとする記述は誤りである。
・E
不適切。フォーク定理は将来利得を十分重視する(割引が小さい)場合に成立するため、全く考慮しない場合とする記述は誤りである。
問18:効率賃金と情報の非対称性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:効率賃金仮説は、賃金と労働者の努力水準が無関係であることを前提とする
- B:効率賃金仮説では、企業は市場均衡より低い賃金を支払うことで怠業を防ぐ
- C:労働者の努力(行動)が完全には観察できないというモラルハザードの状況で、企業が市場均衡より高い効率賃金を支払うことで、解雇されることの損失を大きくして労働者の怠業を抑え努力を引き出そうとする
- D:効率賃金仮説では、高い賃金は労働者の努力をむしろ低下させる
- E:効率賃金は、労働者の努力が完全に観察できる状況で有効となる
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。効率賃金仮説は賃金が労働者の努力水準に影響するとするものであり、無関係とする記述は誤りである。
・B
不適切。効率賃金仮説では企業が市場均衡より高い賃金を支払うのであり、低い賃金を支払うとする記述は誤りである。
・C
適切。努力が完全には観察できないモラルハザードの状況で、企業が高い効率賃金を支払い解雇の損失を大きくして怠業を抑え努力を引き出そうとする。
・D
不適切。効率賃金は高い賃金で努力を引き出そうとするものであり、努力をむしろ低下させるとする記述は誤りである。
・E
不適切。効率賃金は努力が完全には観察できない状況で意味を持つものであり、完全に観察できる状況で有効とする記述は誤りである。
問19:展開型ゲームにおける参入阻止と信憑性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:既存企業による「参入すれば価格競争を仕掛ける」という脅しは、実行が不利であっても常に信憑性を持つ
- B:参入企業は、既存企業の脅しが信憑性を持たない場合でも参入を断念する
- C:既存企業が生産能力を事前に増強しても、参入阻止には全く役立たない
- D:既存企業の「参入すれば価格競争を仕掛ける」という脅しは、実行が既存企業自身にとって不利なら信憑性を欠き参入を阻止できないが、生産能力の事前増強などのコミットメントで実行を有利にすれば信憑性が生まれ参入を阻止しうる
- E:参入阻止の可否は、既存企業の脅しの信憑性とは無関係である
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。実行が不利な脅しは信憑性を欠き見抜かれるため、常に信憑性を持つとする記述は誤りである。
・B
不適切。脅しが信憑性を持たなければ参入企業は参入するため、断念するとする記述は誤りである。
・C
不適切。生産能力の事前増強は価格競争の実行を有利にし脅しに信憑性を与えうるため、全く役立たないとする記述は誤りである。
・D
適切。実行が自身に不利な脅しは信憑性を欠くが、生産能力の事前増強などのコミットメントで実行を有利にすれば信憑性が生まれ参入を阻止しうる。
・E
不適切。参入阻止の可否は既存企業の脅しの信憑性に依存するため、無関係とする記述は誤りである。
問20:共有知識(common knowledge)と合理性の仮定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ゲーム理論では、各プレイヤーが自分の利得のみを知っていれば十分であり、相手の合理性を仮定する必要はない
- B:共有知識とは、ある事実を一部のプレイヤーだけが知っている状態を指す
- C:支配される戦略の逐次消去は、プレイヤーの合理性が共有知識であることを前提としない
- D:共有知識の仮定は、ゲームの均衡の分析において何ら役割を果たさない
- E:「全員がある事実を知り、全員がそれを全員が知っていることを知り…」と無限に続く状態を共有知識といい、支配される戦略の逐次消去などの分析はプレイヤーの合理性が共有知識であることを前提とする
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。ゲーム理論の多くの分析では相手の合理性や情報を仮定する必要があるため、相手の合理性を仮定する必要はないとする記述は誤りである。
・B
不適切。一部のプレイヤーだけが知っている状態は共有知識ではなく、共有知識は全員が知り互いに知っていることを知る状態を指す。
・C
不適切。支配される戦略の逐次消去はプレイヤーの合理性が共有知識であることを前提とするため、前提としないとする記述は誤りである。
・D
不適切。共有知識の仮定は均衡の分析において重要な役割を果たすため、何ら役割を果たさないとする記述は誤りである。
・E
適切。全員が事実を知り互いに知っていることを無限に知る状態を共有知識といい、支配される戦略の逐次消去などはプレイヤーの合理性が共有知識であることを前提とする。

コメント