問16:物価指数に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ラスパイレス指数は基準年の数量を、パーシェ指数は比較年(当年)の数量をウエイトとして用い、消費者物価指数(CPI)は主にラスパイレス方式で作成される
- B:パーシェ指数は基準年の数量を、ラスパイレス指数は比較年の数量をウエイトとして用いる
- C:GDPデフレーターは、輸入品の価格上昇を直接的に反映して上昇する
- D:消費者物価指数(CPI)は、パーシェ方式で作成されるのが一般的である
- E:ラスパイレス指数は、一般に物価上昇を過小評価する傾向がある
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。ラスパイレス指数は基準年、パーシェ指数は比較年の数量をウエイトとし、消費者物価指数は主にラスパイレス方式で作成される。
・B
不適切。基準年の数量を用いるのはラスパイレス指数、比較年の数量を用いるのはパーシェ指数であり、記述は両者が逆である。
・C
不適切。GDPデフレーターは国内生産物を対象とし輸入品の価格上昇を直接反映しにくいため、直接反映して上昇するとする記述は誤りである。
・D
不適切。消費者物価指数は主にラスパイレス方式で作成されるため、パーシェ方式とする記述は誤りである。
・E
不適切。ラスパイレス指数は基準年の数量を固定するため物価上昇を過大評価する傾向があり、過小評価するとする記述は誤りである。
問17:財政政策とクラウディングアウトに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:貨幣需要の利子弾力性が大きいほど、クラウディングアウトは大きくなる
- B:LM曲線が急(貨幣需要の利子弾力性が小さい)で、IS曲線が緩やか(投資の利子弾力性が大きい)ほど、拡張的財政政策によるクラウディングアウトは大きくなる
- C:流動性のわなの状況では、クラウディングアウトが最大となる
- D:投資が利子率に全く反応しない場合、クラウディングアウトは最大となる
- E:クラウディングアウトは、拡張的財政政策が利子率を低下させることによって生じる
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。貨幣需要の利子弾力性が大きい(LM曲線が緩やか)ほど利子率上昇が小さくクラウディングアウトはむしろ小さくなるため、大きくなるとする記述は誤りである。
・B
適切。LM曲線が急でIS曲線が緩やかなほど、拡張的財政政策によるクラウディングアウトは大きくなる。
・C
不適切。流動性のわなでは利子率が上がらずクラウディングアウトが生じにくいため、最大となるとする記述は誤りである。
・D
不適切。投資が利子率に反応しない場合は利子率が上がっても投資が締め出されず、クラウディングアウトはむしろ生じにくい。
・E
不適切。クラウディングアウトは拡張的財政政策が利子率を上昇させ投資を締め出すことで生じるため、低下によるとする記述は誤りである。
問18:財政赤字と公債に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:リカードの中立命題は、公債発行による減税が必ず消費を大きく増やすと主張する
- B:ドーマーの条件によれば、名目利子率が名目成長率を上回れば政府債務残高の対GDP比は安定する
- C:リカードの中立命題(バローの議論)は、公債発行による減税を将来の増税の先送りと合理的に予想する家計が将来の納税に備えて貯蓄を増やすため、公債発行が消費を刺激しないとする考え方である
- D:ビルトイン・スタビライザーは、財政赤字を必ず拡大させる制度である
- E:公債の発行は、いかなる場合も将来世代に負担を残さない
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。リカードの中立命題は公債発行による減税が消費を刺激しないとするものであり、必ず消費を大きく増やすとする記述は誤りである。
・B
不適切。ドーマーの条件では成長率が利子率を上回れば債務残高比が安定するため、利子率が成長率を上回れば安定するとする記述は逆である。
・C
適切。リカードの中立命題は、公債発行による減税を将来の増税の先送りと予想する家計が貯蓄を増やすため、公債発行が消費を刺激しないとする考え方である。
・D
不適切。ビルトイン・スタビライザーは景気変動を自動的に緩和する仕組みであり、財政赤字を必ず拡大させる制度とする記述は誤りである。
・E
不適切。公債発行は将来の返済負担を伴い将来世代に負担を残しうるため、いかなる場合も残さないとする記述は誤りである。
問19:開放経済のマクロ政策(マンデル=フレミング・モデル)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:資本移動が完全な変動相場制では、財政政策が金融政策より強い効果を持つ
- B:変動相場制のもとでは、金融緩和は自国通貨高を通じて純輸出を減らす
- C:固定相場制のもとでは、金融政策が変動相場制と同じ強い効果を持つ
- D:資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効であり、金融緩和は利子率低下→資本流出→自国通貨安→純輸出増加を通じて所得を拡大させる一方、財政政策は自国通貨高による純輸出減で効果が相殺されて小さくなる
- E:経常収支の黒字は、国内の投資が国内の貯蓄を上回っている状態に対応する
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効で財政政策が相殺されるため、財政政策の方が強いとする記述は誤りである。
・B
不適切。変動相場制の金融緩和は自国通貨安を通じて純輸出を増やすため、通貨高で純輸出を減らすとする記述は誤りである。
・C
不適切。固定相場制では為替維持の介入で金融政策の効果が相殺されるため、変動相場制と同じ強い効果を持つとする記述は誤りである。
・D
適切。資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効で金融緩和が通貨安を通じて所得を拡大させる一方、財政政策は通貨高による純輸出減で効果が相殺される。
・E
不適切。経常収支の黒字は国内貯蓄が国内投資を上回る状態に対応するため、投資が貯蓄を上回るとする記述は誤りである。
問20:景気安定化政策とポリシーミックスに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:拡張的財政政策と緊縮的金融政策を組み合わせると、クラウディングアウトが緩和される
- B:需要不足で物価下落が生じているとき、増税と金融引き締めが景気対策として望ましい
- C:インフレ・ギャップが存在するときは、政府支出をさらに増やすことが望ましい
- D:ビルトイン・スタビライザーは、裁量的な財政政策のことを指す
- E:拡張的財政政策と拡張的金融政策を組み合わせると利子率の上昇を抑えつつ所得を拡大でき、クラウディングアウトを緩和できるが、インフレ・ギャップの状況では総需要抑制的な政策が望ましい
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。拡張的財政政策に緊縮的金融政策を組み合わせると利子率がさらに上昇しクラウディングアウトは強まるため、緩和されるとする記述は誤りである。
・B
不適切。需要不足で物価下落が生じているときは総需要を刺激する政策が望ましく、増税と金融引き締めとする記述は誤りである。
・C
不適切。インフレ・ギャップは需要超過であり政府支出を増やすと物価上昇を助長するため、増やすことが望ましいとする記述は誤りである。
・D
不適切。ビルトイン・スタビライザーは制度に組み込まれた自動安定化機能であり、裁量的な財政政策とする記述は誤りである。
・E
適切。拡張的財政・金融政策の組み合わせは利子率上昇を抑えつつ所得を拡大しクラウディングアウトを緩和できるが、インフレ・ギャップの状況では総需要抑制的な政策が望ましい。

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