問11:限界消費性向が0.75の単純な閉鎖経済において、独立投資が10兆円増加したときの均衡国民所得の増加額として最も適切なものはどれか。
- A:40兆円
- B:7.5兆円
- C:10兆円
- D:13.3兆円
- E:75兆円
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。投資乗数=1/(1−0.75)=4であり、10兆円×4=40兆円の所得増となる。
・B
不適切。限界消費性向そのものを乗じた計算であり、乗数効果を反映していない。
・C
不適切。乗数を1とみなした計算であり、消費の波及を無視している。
・D
不適切。乗数の計算を誤っており、正しい乗数4とは一致しない。
・E
不適切。乗数の適用を誤っており、過大な値となっている。
問12:失業に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:摩擦的失業は、景気後退による需要不足から生じる失業である
- B:自然失業率は摩擦的失業と構造的失業に対応する失業率であり、景気変動によらず存在し、総需要拡大策では循環的失業は減らせても自然失業率そのものの恒久的な引き下げは難しい
- C:構造的失業は、景気の回復によって速やかに解消される
- D:有効求人倍率は、景気に対して遅行して動く指標である
- E:完全雇用とは、あらゆる失業がゼロになった状態を指す
【第12問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。需要不足から生じるのは循環的失業であり、摩擦的失業は転職・求職に伴う一時的な失業である。
・B
適切。自然失業率は摩擦的・構造的失業に対応する失業率であり、総需要拡大で循環的失業は減らせても自然失業率そのものの恒久的引き下げは難しい。
・C
不適切。構造的失業は産業構造の変化や技能のミスマッチに起因し景気回復だけでは解消しにくいため、速やかに解消されるとする記述は誤りである。
・D
不適切。有効求人倍率は景気とほぼ一致して動く一致系列とされるため、遅行して動くとする記述は誤りである。
・E
不適切。完全雇用でも摩擦的・構造的失業は残るため、あらゆる失業がゼロの状態とする記述は誤りである。
問13:中央銀行の金融政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:買いオペレーションは、市中の資金を吸収して金融を引き締める手段である
- B:預金準備率の引き上げは、市中銀行の貸出余力を高め金融緩和的に作用する
- C:公開市場操作のうち買いオペレーションは中央銀行が市中から国債等を買い入れて資金を供給し金融を緩和する手段であり、量的緩和は政策金利がゼロ近傍に達した状況で資金供給量を拡大する非伝統的政策である
- D:量的緩和政策は、マネタリーベースを縮小させる政策である
- E:売りオペレーションは、市中に資金を供給し金融を緩和する手段である
【第13問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。市中の資金を吸収して引き締めるのは売りオペレーションであり、買いオペレーションは資金を供給して緩和する手段である。
・B
不適切。預金準備率の引き上げは貸出余力を減らし金融引き締め的に作用するため、余力を高め緩和的とする記述は誤りである。
・C
適切。買いオペレーションは中央銀行が市中から国債等を買い入れ資金を供給して緩和する手段であり、量的緩和は政策金利がゼロ近傍で資金供給量を拡大する非伝統的政策である。
・D
不適切。量的緩和はマネタリーベースを拡大する政策であり、縮小させるとする記述は誤りである。
・E
不適切。売りオペレーションは市中の資金を吸収して引き締める手段であり、資金を供給し緩和するとする記述は誤りである。
問14:投資理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:投資の限界効率が利子率を下回っているとき、投資は積極的に実行される
- B:加速度原理では、投資は産出量の水準そのものに比例して決まる
- C:トービンのqが1を下回るとき、企業は投資を拡大させるのが合理的である
- D:投資の限界効率が利子率を上回る限り投資は実行され、加速度原理では投資が産出量の変化に比例し、トービンのq(企業の市場価値÷資本の再取得費用)が1を上回るとき投資が有利になる
- E:投資は利子率と正の関係にあり、利子率が上昇すると投資は増加する
【第14問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。投資の限界効率が利子率を下回るときは投資が不利となるため、積極的に実行されるとする記述は誤りである。
・B
不適切。加速度原理では投資は産出量の水準ではなくその変化に比例して決まるため、水準に比例するとする記述は誤りである。
・C
不適切。トービンのqが1を下回るときは投資は抑制的となるため、拡大が合理的とする記述は誤りである。
・D
適切。投資の限界効率が利子率を上回る限り投資は実行され、加速度原理では投資が産出量の変化に比例し、トービンのqが1を上回るとき投資が有利になる。
・E
不適切。投資は利子率と負の関係にあり、利子率の上昇は投資を減少させるため、正の関係とする記述は誤りである。
問15:完全雇用国民所得が600兆円、現在の均衡国民所得が540兆円、限界消費性向が0.75の単純な閉鎖経済において、デフレ・ギャップを解消して完全雇用を実現するために必要な政府支出の増加額として最も適切なものはどれか。
- A:60兆円
- B:45兆円
- C:240兆円
- D:80兆円
- E:15兆円
【第15問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。所得の不足分(60兆円)をそのまま必要額とする計算であり、乗数効果を考慮していない。
・B
不適切。乗数の適用の仕方を誤っており、必要額として整合しない。
・C
不適切。乗数を所得不足分に乗じてしまう計算であり、方向が逆で過大である。
・D
不適切。乗数の計算を誤っており、正しい必要額とは一致しない。
・E
適切。所得の不足分は600−540=60兆円、乗数は1/(1−0.75)=4。必要な政府支出増=60÷4=15兆円となる。

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