問6:消費関数をめぐる諸仮説に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:恒常所得仮説は消費が恒常所得に、ライフサイクル仮説は生涯所得の平準化に基づいて決まるとし、絶対所得仮説では所得増につれて平均消費性向が低下する
- B:絶対所得仮説では、平均消費性向は所得の増加につれて上昇する
- C:恒常所得仮説は、消費が現在の可処分所得のみに依存すると主張する
- D:ライフサイクル仮説は、消費が同時期の他者の消費水準に影響されるとする
- E:相対所得仮説は、消費が生涯の資産と所得の合計で決まるとする
【第6問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。恒常所得仮説は恒常所得に、ライフサイクル仮説は生涯所得の平準化に基づいて消費が決まるとし、絶対所得仮説では所得増につれ平均消費性向が低下する。
・B
不適切。絶対所得仮説では所得の増加につれて平均消費性向は低下するため、上昇するとする記述は誤りである。
・C
不適切。現在の可処分所得のみに依存するとするのは絶対所得仮説であり、恒常所得仮説は恒常所得に依存するとする。
・D
不適切。他者の消費に影響されるとするのは相対所得仮説であり、ライフサイクル仮説ではない。
・E
不適切。生涯の資産と所得の合計で消費が決まるとするのはライフサイクル仮説であり、相対所得仮説ではない。
問7:財政と租税に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:累進所得税では、平均税率が限界税率を上回る
- B:財政には資源配分・所得再分配・経済安定化の3機能があり、累進所得税は限界税率が平均税率を上回るように設計され、所得再分配や自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)として機能する
- C:間接税は一般に累進的であり、所得の低い者ほど負担割合が小さい
- D:均衡予算乗数は、通常ゼロである
- E:ビルトイン・スタビライザーは、裁量的な財政政策のことを指す
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。累進所得税では限界税率が平均税率を上回るため、平均税率が限界税率を上回るとする記述は誤りである。
・B
適切。財政には資源配分・所得再分配・経済安定化の3機能があり、累進所得税は限界税率が平均税率を上回るよう設計され所得再分配や自動安定化装置として機能する。
・C
不適切。間接税は一般に逆進的であり所得の低い者ほど負担割合が大きくなる傾向があるため、累進的とする記述は誤りである。
・D
不適切。単純なモデルでは均衡予算乗数は1であり、通常ゼロとする記述は誤りである。
・E
不適切。ビルトイン・スタビライザーは制度に組み込まれた自動安定化機能であり、裁量的な財政政策とする記述は誤りである。
問8:経済成長理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ソロー・モデルでは、貯蓄率の上昇が長期の経済成長率を恒久的に高める
- B:ハロッド=ドーマー・モデルでは、資本と労働の代替が自由であることが前提とされる
- C:ソロー・モデルでは資本の限界生産力の逓減により資本蓄積だけでは1人当たり産出の持続的成長は生じず、長期の持続的成長は技術進歩によってもたらされる。資本・労働投入の増加では説明できない成長の残差は全要素生産性(TFP)またはソロー残差と呼ばれる
- D:全要素生産性(TFP)は、労働投入量の増加そのものを指す
- E:ソロー・モデルでは、資本蓄積だけで1人当たり産出が無限に成長し続ける
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。ソロー・モデルでは貯蓄率の上昇は水準を高めるが長期の成長率を恒久的に高めるわけではないため、恒久的に高めるとする記述は誤りである。
・B
不適切。資本と労働の代替が自由であることを前提とするのはソロー・モデルであり、ハロッド=ドーマー・モデルは資本係数を固定的に扱う。
・C
適切。ソロー・モデルでは資本の限界生産力逓減により資本蓄積だけでは1人当たり産出の持続的成長は生じず、長期の持続的成長は技術進歩によりもたらされる。資本・労働投入の増加では説明できない成長の残差は全要素生産性(TFP)またはソロー残差と呼ばれる。
・D
不適切。全要素生産性は要素投入で説明できない成長の残差であり、労働投入量の増加そのものとする記述は誤りである。
・E
不適切。ソロー・モデルでは資本の限界生産力逓減により資本蓄積だけでは持続的成長は生じないため、無限に成長し続けるとする記述は誤りである。
問9:フィリップス曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:短期フィリップス曲線は、失業率とインフレ率の間に正の関係があることを示す
- B:長期フィリップス曲線は、右下がりの曲線である
- C:自然失業率仮説によれば、拡張的な総需要政策で失業率を自然失業率より恒久的に低く保てる
- D:短期のフィリップス曲線は失業率とインフレ率の間の負の関係(トレードオフ)を示すが、期待インフレ率の上昇で上方にシフトし、長期のフィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になるとされる
- E:フィリップス曲線は、インフレ率と経済成長率の関係を示す曲線である
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。短期フィリップス曲線は失業率とインフレ率の間の負の関係を示すため、正の関係とする記述は誤りである。
・B
不適切。長期フィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になるとされるため、右下がりとする記述は誤りである。
・C
不適切。自然失業率仮説では長期に失業率を自然失業率より恒久的に低く保てないため、恒久的に低く保てるとする記述は誤りである。
・D
適切。短期のフィリップス曲線は失業率とインフレ率の負の関係を示すが期待インフレ率の上昇で上方シフトし、長期のフィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になるとされる。
・E
不適切。フィリップス曲線は失業率とインフレ率(賃金上昇率)の関係を示すものであり、経済成長率との関係とする記述は誤りである。
問10:総需要・総供給(AD-AS)分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:総需要曲線は、物価水準の上昇とともに右上がりになる
- B:古典派の総供給曲線は水平であり、物価水準にかかわらず産出量が変化する
- C:総需要曲線が右方にシフトすると、物価は下落する
- D:長期の総供給曲線は水平であり、総需要の変化が産出量を恒久的に変える
- E:総需要曲線は物価水準の上昇とともに右下がりとなり、短期の総供給曲線が右上がりのもとで総需要の増加は産出と物価をともに高めるが、長期の総供給曲線は完全雇用産出の水準で垂直になるとされる
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。総需要曲線は物価水準の上昇とともに実質貨幣供給の減少などを通じて右下がりとなるため、右上がりとする記述は誤りである。
・B
不適切。古典派の総供給曲線は完全雇用産出の水準で垂直であり、水平とする記述は誤りである。
・C
不適切。総需要曲線が右方にシフトすると物価は上昇するため、下落するとする記述は誤りである。
・D
不適切。長期の総供給曲線は完全雇用産出の水準で垂直であり水平ではないため、総需要の変化が産出を恒久的に変えるとする記述は誤りである。
・E
適切。総需要曲線は右下がりで、短期の総供給曲線が右上がりのもとで総需要の増加は産出と物価をともに高めるが、長期の総供給曲線は完全雇用産出の水準で垂直になるとされる。

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