問16:等費用線(等費用曲線)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:等費用線の傾き(絶対値)は2つの生産要素の価格比に等しく、総費用が増加すると等費用線は外側へ平行移動する
- B:等費用線の傾きは、等産出量曲線の形状によって決まる
- C:労働の価格(賃金)だけが上昇すると、等費用線は傾きを変えずに平行移動する
- D:等費用線は、原点に対して凸の曲線である
- E:総費用が一定のとき、要素価格が変化しても等費用線は変わらない
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。等費用線の傾き(絶対値)は要素価格比に等しく、総費用が増加すると外側へ平行移動する。
・B
不適切。等費用線の傾きは要素価格比で決まるものであり、等産出量曲線の形状で決まるとする記述は誤りである。
・C
不適切。賃金だけの上昇は要素価格比を変えるため、等費用線は傾きを変えて回転し、平行移動しない。
・D
不適切。等費用線は要素価格比を傾きとする直線であり、原点に凸の曲線とする記述は誤りである。
・E
不適切。要素価格が変化すると等費用線の傾きが変わるため、変わらないとする記述は誤りである。
問17:生産の拡張経路に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:拡張経路は、産出量を一定に保ちながら要素価格が変化したときの費用最小化点の軌跡である
- B:拡張経路は、要素価格を一定に保ったまま産出量を変化させたときの費用最小化点(等産出量曲線と等費用線の接点)を結んだ軌跡である
- C:拡張経路は、必ず原点を通る45度線となる
- D:拡張経路上では、技術的限界代替率が要素価格比と一致しない
- E:拡張経路は、消費者の所得消費曲線と同一の概念である
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。要素価格の変化に伴う費用最小化点の軌跡ではなく、拡張経路は産出量の変化に伴う費用最小化点の軌跡である。
・B
適切。拡張経路は要素価格一定のもとで産出量を変化させたときの費用最小化点(接点)を結んだ軌跡である。
・C
不適切。拡張経路の形状は生産関数と要素価格に依存し、必ず45度線になるとは限らない。
・D
不適切。拡張経路上の各点は費用最小化点であり技術的限界代替率=要素価格比が成立するため、一致しないとする記述は誤りである。
・E
不適切。拡張経路は生産者理論の概念であり、消費者理論の所得消費曲線とは類似するが同一の概念ではない。
問18:固定費用(埋没費用)と操業停止の意思決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:短期の操業停止の意思決定では、固定費用の大きさが重要な判断基準となる
- B:埋没費用(サンクコスト)は、将来の意思決定において必ず考慮すべき費用である
- C:短期の操業停止の判断では、回収不能な固定費用(埋没費用)は判断に含めず、価格が平均可変費用を下回るかどうかで判断する
- D:価格が平均可変費用を上回っていても、固定費用が回収できなければ直ちに操業を停止すべきである
- E:固定費用が大きいほど、操業停止点の価格は高くなる
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。短期の操業停止の判断では回収不能な固定費用は判断材料とせず、価格と平均可変費用の関係で判断する。
・B
不適切。埋没費用は既に回収不能であるため将来の意思決定では考慮すべきでなく、必ず考慮すべきとする記述は誤りである。
・C
適切。短期の操業停止の判断では回収不能な固定費用は含めず、価格が平均可変費用を下回るかどうかで判断する。
・D
不適切。価格が平均可変費用を上回っていれば固定費用の一部を回収できるため操業を続けるべきであり、直ちに停止すべきとする記述は誤りである。
・E
不適切。操業停止点は平均可変費用の最低点で決まり固定費用とは無関係であるため、固定費用が大きいほど高くなるとする記述は誤りである。
問19:総費用が TC=2Q^2+10Q+200(Qは生産量)で与えられる企業について、生産量が10のときの平均費用と限界費用の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- A:平均費用40、限界費用40
- B:平均費用50、限界費用30
- C:平均費用30、限界費用50
- D:平均費用50、限界費用50
- E:平均費用40、限界費用50
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。総費用の計算や限界費用の導出を誤っており、正しい値とは一致しない。
・B
不適切。限界費用MC=4Q+10の計算を誤っており、Q=10での値と一致しない。
・C
不適切。平均費用と限界費用の値を取り違えており、正しい組み合わせではない。
・D
適切。総費用は2(100)+100+200=500、平均費用=500÷10=50。限界費用MC=4Q+10=4(10)+10=50となる。
・E
不適切。平均費用の計算を誤っており、正しい値50とは一致しない。
問20:範囲の経済(economies of scope)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:範囲の経済とは、単一の財の生産量を増やすほど平均費用が低下することを指す
- B:範囲の経済は、規模の経済と全く同一の概念である
- C:範囲の経済は、生産要素をすべて同じ割合で増やすと産出がそれ以上増える性質を指す
- D:範囲の経済が働くとき、複数の財を別々の企業で生産する方が費用は小さくなる
- E:範囲の経済とは、複数の異なる財を1つの企業が共同で生産する方が、別々の企業が個別に生産するより総費用が小さくなる性質を指す
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。単一財の生産量増加による平均費用の低下は規模の経済であり、範囲の経済の説明としては誤りである。
・B
不適切。範囲の経済は複数財の共同生産に関する概念であり、単一財の生産規模に関する規模の経済とは異なる。
・C
不適切。全要素を同じ割合で増やすと産出がそれ以上増える性質は規模に関する収穫逓増であり、範囲の経済ではない。
・D
不適切。範囲の経済が働くときは複数財を1企業で共同生産する方が費用が小さくなるため、別々の企業の方が小さいとする記述は誤りである。
・E
適切。範囲の経済とは、複数の異なる財を1つの企業が共同生産する方が、別々に生産するより総費用が小さくなる性質を指す。

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