問6:投資の限界効率に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:投資の限界効率とは、投資から得られる予想収益の現在価値と投資費用を等しくする割引率であり、これが利子率を上回る限り投資は実行される
- B:投資の限界効率が利子率を下回っているとき、投資は積極的に実行される
- C:投資の限界効率は利子率と常に一致し、両者を比較する意味はない
- D:利子率が上昇すると、投資の限界効率表に沿って投資は増加する
- E:投資の限界効率は将来の予想収益とは無関係に、資本財の現在の価格のみで決まる
【第6問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。投資の限界効率は予想収益の現在価値と投資費用を等しくする割引率であり、これが利子率を上回る限り投資は有利で実行される。
・B
不適切。投資の限界効率が利子率を下回るときは投資が不利となるため、積極的に実行されるとする記述は誤りである。
・C
不適切。投資の限界効率と利子率は独立に決まり、両者の比較こそが投資決定の基準となる。
・D
不適切。利子率が上昇すると限界効率が利子率を上回る投資案件が減るため、投資は減少する。
・E
不適切。投資の限界効率は将来の予想収益に依存するものであり、現在の資本財価格のみで決まるわけではない。
問7:加速度原理と資本ストック調整原理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:加速度原理では、投資は産出量の水準そのものに比例して決まる
- B:加速度原理は、投資が産出量の変化(増加分)に比例して決まるとし、需要が伸び悩むと投資が大きく落ち込むことを説明する
- C:資本ストック調整原理では、望ましい資本ストックと現在の資本ストックの差を一切埋めないと想定する
- D:加速度原理によれば、産出量が一定水準で高止まりしていれば投資も高水準で続く
- E:加速度原理は、利子率の変化のみによって投資が決まると考える理論である
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。加速度原理では投資は産出量の水準ではなく、その変化(増加分)に比例して決まる。
・B
適切。加速度原理は投資が産出量の変化に比例するとし、需要の伸びが鈍ると投資が大きく落ち込むことを説明する。
・C
不適切。資本ストック調整原理は、望ましい資本ストックと現状の差を一定割合ずつ埋めていくと想定するものであり、一切埋めないとする記述は誤りである。
・D
不適切。加速度原理では産出量が一定なら変化がゼロとなるため純投資はゼロに近づき、高水準で続くとはいえない。
・E
不適切。加速度原理は産出量の変化に着目する理論であり、利子率のみで投資が決まるとする理論ではない。
問8:トービンのq理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:トービンのqは、企業の負債総額を資本の再取得費用で割った比率である
- B:qが1を下回るとき、企業は投資を拡大させるのが合理的である
- C:トービンのqは企業の市場価値を資本の再取得費用で割った比率であり、qが1を上回るとき投資を行うことが有利になる
- D:qが1に等しいとき、企業は投資を最大限に拡大すべきである
- E:トービンのqは株式市場の評価とは無関係に、企業の帳簿上の資産額のみで決まる
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。トービンのqは負債総額ではなく企業の市場価値を、資本の再取得費用で割った比率である。
・B
不適切。qが1を下回るときは市場評価が再取得費用を下回るため投資は抑制的となり、拡大が合理的とはいえない。
・C
適切。トービンのqは企業の市場価値÷資本の再取得費用であり、qが1を上回るとき追加投資が有利になる。
・D
不適切。qが1のときは市場価値と再取得費用が等しく投資の誘因は中立的であり、最大限に拡大すべきとはいえない。
・E
不適切。トービンのqは株式市場による企業評価(市場価値)を反映するものであり、帳簿価額のみで決まるものではない。
問9:インフレ・ギャップとデフレ・ギャップに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:デフレ・ギャップとは、完全雇用国民所得のもとで総需要が総供給を上回る超過需要を指す
- B:インフレ・ギャップが存在するとき、政府支出の増加が景気対策として有効である
- C:デフレ・ギャップが存在するとき、増税による総需要の抑制が望ましい
- D:デフレ・ギャップは完全雇用国民所得のもとで総需要が総供給に不足する分を指し、これを埋めるには総需要を拡大する政策が有効である
- E:インフレ・ギャップは総需要が不足している状態であり、放置すると物価が下落する
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。完全雇用水準で総需要が総供給を上回る超過需要はインフレ・ギャップであり、デフレ・ギャップの説明としては誤りである。
・B
不適切。インフレ・ギャップは需要超過の状態であり、政府支出をさらに増やすと物価上昇を助長するため景気対策として適切ではない。
・C
不適切。デフレ・ギャップは需要不足の状態であり、増税で需要を抑制するのは逆効果である。
・D
適切。デフレ・ギャップは完全雇用水準で総需要が不足する分であり、これを埋めるには総需要拡大策(財政・金融の拡張)が有効である。
・E
不適切。インフレ・ギャップは需要超過の状態であり、放置すると物価が上昇する。需要不足で物価下落を招くのはデフレ・ギャップである。
問10:限界消費性向が0.6の単純な閉鎖経済モデルにおいて、独立投資が20兆円増加したときの均衡国民所得の増加額として最も適切なものはどれか。
- A:12兆円
- B:32兆円
- C:20兆円
- D:33兆円
- E:50兆円
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。限界消費性向そのものを乗じた計算であり、乗数効果を反映していない。
・B
不適切。1回分の波及のみを加えた計算であり、乗数を通じた総額としては過小である。
・C
不適切。乗数を1とみなした計算であり、消費の波及による所得拡大を無視している。
・D
不適切。乗数の計算に誤りがあり、正しい乗数2.5とは一致しない。
・E
適切。投資乗数=1/(1−0.6)=2.5であり、20兆円×2.5=50兆円の所得増となる。

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