問11:補償賃金格差に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:危険で不快な労働環境の仕事には、それを補うために他の条件が同じなら高い賃金が支払われる傾向があり、これを補償賃金格差という
- B:補償賃金格差によれば、労働環境が快適な仕事ほど高い賃金が支払われる
- C:補償賃金格差は、労働者の技能や生産性の違いによって生じる賃金差を指す
- D:補償賃金格差は、労働市場が独占的である場合にのみ生じる
- E:補償賃金格差は、あらゆる仕事の賃金を均等化させる働きを持つ
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。危険で不快な仕事にはそれを補うため他の条件が同じなら高い賃金が支払われる傾向があり、これを補償賃金格差という。
・B
不適切。補償賃金格差では快適な仕事はその魅力の分だけ賃金が低くなりうるため、快適な仕事ほど高い賃金とする記述は誤りである。
・C
不適切。技能や生産性の違いによる賃金差は人的資本による格差であり、補償賃金格差は労働条件の違いを補うための格差である。
・D
不適切。補償賃金格差は労働条件の違いに応じて競争的な労働市場でも生じるものであり、独占市場に限られるとする記述は誤りである。
・E
不適切。補償賃金格差はむしろ労働条件の差を反映して賃金に差を生じさせるものであり、賃金を均等化させるとする記述は誤りである。
問12:失業の種類と自然失業率に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:自然失業率とは、循環的失業を含むすべての失業がゼロになった状態の失業率を指す
- B:自然失業率は摩擦的失業と構造的失業に対応する失業率であり、景気変動によらず存在する。総需要拡大策で循環的失業は減らせても、自然失業率そのものを恒久的に引き下げることは難しい
- C:摩擦的失業は、景気後退による需要不足から生じる失業である
- D:自然失業率は、拡張的な総需要政策を継続することで容易に引き下げられる
- E:構造的失業は、景気の回復によって速やかに解消される
【第12問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。自然失業率は循環的失業がゼロでも残る摩擦的・構造的失業に対応する水準であり、すべての失業がゼロの状態ではない。
・B
適切。自然失業率は摩擦的・構造的失業に対応する失業率であり、総需要拡大で循環的失業は減らせても自然失業率そのものの恒久的引き下げは難しい。
・C
不適切。需要不足から生じるのは循環的失業であり、摩擦的失業は転職・求職に伴う一時的な失業を指す。
・D
不適切。自然失業率は構造的要因で決まるため拡張的総需要政策では引き下げにくく、容易に引き下げられるとする記述は誤りである。
・E
不適切。構造的失業は産業構造の変化や技能のミスマッチに起因し景気回復だけでは解消しにくいため、速やかに解消されるとする記述は誤りである。
問13:労働の限界生産物価値と実質賃金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:完全競争市場では、実質賃金は労働の平均生産物に等しくなる
- B:労働の限界生産物が逓増する場合、労働需要曲線は右上がりになる
- C:完全競争的な労働市場では、実質賃金が労働の限界生産物に等しくなる水準まで雇用が行われる
- D:実質賃金は名目賃金そのものを指し、物価水準とは無関係である
- E:労働の限界生産物価値は、生産物価格が下落するほど大きくなる
【第13問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。完全競争市場では実質賃金は労働の限界生産物に等しくなるのであり、平均生産物に等しいとする記述は誤りである。
・B
不適切。労働の限界生産物が逓減するために労働需要曲線が右下がりになるのであり、逓増して右上がりとする記述は誤りである。
・C
適切。完全競争的な労働市場では、実質賃金が労働の限界生産物に等しくなる水準まで雇用が行われる。
・D
不適切。実質賃金は名目賃金を物価水準で除したものであり、名目賃金そのもの・物価と無関係とする記述は誤りである。
・E
不適切。労働の限界生産物価値は限界生産物×生産物価格であり、生産物価格が上昇するほど大きくなるため、下落するほど大きいとする記述は誤りである。
問14:賃金の下方硬直性と非自発的失業に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:名目賃金が完全に伸縮的であれば、非自発的失業は持続的に発生する
- B:ケインズは、賃金が瞬時に調整されるため非自発的失業は生じないと主張した
- C:賃金の下方硬直性は、労働市場を常に均衡させる方向に働く
- D:名目賃金が下方に硬直的であると、労働需要が減少したときに賃金が十分に下がらず、労働供給が需要を上回る非自発的失業が生じうる
- E:賃金の下方硬直性が強いほど、失業は速やかに解消される
【第14問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。名目賃金が完全に伸縮的であれば賃金調整により失業は解消されうるため、非自発的失業が持続的に発生するとする記述は誤りである。
・B
不適切。ケインズは賃金の下方硬直性などから非自発的失業が生じうると主張したのであり、生じないとする記述は誤りである。
・C
不適切。賃金の下方硬直性は賃金が下がりにくく労働市場が均衡しにくくなる要因であり、常に均衡させる方向とする記述は誤りである。
・D
適切。名目賃金が下方硬直的だと労働需要減少時に賃金が十分下がらず、労働供給が需要を上回る非自発的失業が生じうる。
・E
不適切。賃金の下方硬直性が強いほど賃金調整が働かず失業が解消されにくくなるため、速やかに解消されるとする記述は誤りである。
問15:ある企業の生産関数のもとで労働の限界生産物が MPL=20−0.5L(Lは雇用量)で表され、生産物価格が10、名目賃金が100であるとき、この完全競争企業が利潤を最大化する雇用量として最も適切なものはどれか。
- A:40
- B:10
- C:25
- D:15
- E:20
【第15問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。労働の限界生産物価値と賃金を等しくする条件を満たさず、利潤最大化雇用量ではない。
・B
不適切。限界生産物価値の計算を誤っており、条件を満たさない。
・C
不適切。名目賃金と生産物価格の扱いを誤っており、正しい雇用量とは一致しない。
・D
不適切。限界生産物の係数の扱いを誤っており、正しい雇用量とは一致しない。
・E
適切。労働の限界生産物価値=10×(20−0.5L)を賃金100に等しくおくと200−5L=100、5L=100、L=20となる。

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