問11:為替レートのアセット・アプローチに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:アセット・アプローチは、為替レートを自国通貨建て・外貨建て資産の需給(資産市場の均衡)から説明する考え方である
- B:アセット・アプローチは、為替レートが貿易収支のみによって決まるとする
- C:アセット・アプローチでは、為替レートは各国の物価水準の比のみで決まる
- D:アセット・アプローチは、為替の期待や金利を一切考慮しない
- E:アセット・アプローチによれば、為替レートは長期の購買力平価と常に一致し短期でも乖離しない
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。アセット・アプローチは、為替レートを通貨建て資産の需給(資産市場の均衡)から説明し、金利や期待が重要な役割を果たす。
・B
不適切。貿易収支のみで為替レートが決まるとするのはフロー・アプローチ的な見方であり、アセット・アプローチは資産市場に着目する。
・C
不適切。物価水準の比のみで為替レートが決まるとするのは購買力平価説であり、アセット・アプローチではない。
・D
不適切。アセット・アプローチは金利差や将来の為替期待を重視するため、これらを考慮しないとする記述は誤りである。
・E
不適切。アセット・アプローチでは短期に為替レートが購買力平価から乖離しうる(オーバーシューティング等)ため、常に一致するとする記述は誤りである。
問12:為替介入(外国為替市場介入)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:自国通貨高を是正するための介入は、自国通貨を買い外貨を売る取引である
- B:自国通貨安を抑えたい場合、通貨当局は外貨を売って自国通貨を買う介入を行い、これにより外貨準備は減少する
- C:非不胎化介入は、介入による貨幣供給の変化を公開市場操作で相殺する介入である
- D:為替介入は、必ず狙いどおりの方向に為替レートを動かすことができる
- E:外貨を買い自国通貨を売る介入は、自国通貨高を促す効果を持つ
【第12問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。自国通貨高の是正には自国通貨を売って外貨を買う介入を行うのであり、自国通貨を買う取引とする記述は方向が逆である。
・B
適切。自国通貨安を抑えたい場合、通貨当局は外貨を売り自国通貨を買う介入を行い、その結果として外貨準備は減少する。
・C
不適切。介入による貨幣供給の変化を公開市場操作で相殺するのは不胎化介入であり、非不胎化介入は相殺しない。
・D
不適切。為替介入の効果は市場環境やファンダメンタルズに左右されるため、必ず狙いどおりに動かせるとする記述は誤りである。
・E
不適切。外貨を買い自国通貨を売る介入は自国通貨安を促す効果を持つため、自国通貨高を促すとする記述は誤りである。
問13:開放経済における貯蓄・投資と経常収支の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:経常収支の黒字は、国内の投資が国内の貯蓄を上回っている状態に対応する
- B:財政赤字が拡大すると、他の条件が一定でも経常収支は必ず黒字化する
- C:国民所得の恒等式から、経常収支は「国内貯蓄−国内投資」に対応し、貯蓄超過の国は経常収支が黒字になりやすい
- D:経常収支は国内の貯蓄・投資とは無関係に、為替レートのみで決まる
- E:経常収支の黒字は、その国が対外純負債を積み上げていることを意味する
【第13問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。経常収支の黒字は国内貯蓄が国内投資を上回る状態に対応するのであり、投資が貯蓄を上回るとする記述は逆である。
・B
不適切。財政赤字の拡大が経常収支に与える影響は民間貯蓄・投資の動き次第であり、必ず黒字化するとはいえない。
・C
適切。恒等式より経常収支は「国内貯蓄−国内投資」に対応し、貯蓄超過の国は経常収支が黒字になりやすい。
・D
不適切。経常収支は貯蓄・投資バランスと結びついており、為替レートのみで決まるとする記述は誤りである。
・E
不適切。経常収支の黒字は対外純資産の増加に対応するため、対外純負債の積み上げとする記述は逆である。
問14:円ドル為替レートが1ドル=120円から1ドル=100円へ変化したときの記述として、最も適切なものはどれか。
- A:この変化は円安であり、日本の輸出企業に有利に働く
- B:この変化により、ドル建てで販売する日本の輸出品の現地価格は下落する
- C:この変化は、1ドルを得るのに必要な円が増えたことを意味する
- D:この変化は円高(円の増価)であり、同じドル建て価格の輸入品を、より少ない円で購入できるようになる
- E:この変化により、外貨建て対外資産を円換算した価値は増加する
【第14問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。1ドル=120円から100円への変化は円高であり、輸出企業には不利に働くため、円安・有利とする記述は誤りである。
・B
不適切。円高では日本の輸出品を同じ円建て採算で売るとドル建て現地価格はむしろ上昇しやすく、下落するとする記述は誤りである。
・C
不適切。1ドルを得るのに必要な円は120円から100円へ減っており、増えたとする記述は誤りである。
・D
適切。1ドル=120円から100円への変化は円高であり、同じドル建て価格の輸入品をより少ない円で購入できるようになる。
・E
不適切。円高では外貨建て対外資産の円換算価値はむしろ減少するため、増加するとする記述は誤りである。
問15:ある財が日本で12,000円、米国で100ドルで販売されており、この財について一物一価(絶対的購買力平価)が成立していると仮定する。このときの購買力平価としての為替レートとして最も適切なものはどれか。
- A:1ドル=83円
- B:1ドル=12円
- C:1ドル=1,200円
- D:1ドル=100円
- E:1ドル=120円
【第15問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。ドルを円で割る計算(100÷12,000)を用いており、購買力平価の算出方向を誤っている。
・B
不適切。桁の取り扱いを誤っており、正しい購買力平価とは一致しない。
・C
不適切。円価格に米国価格を乗じるなど計算を誤っており、過大な値となっている。
・D
不適切。両国価格の対応を取り違えており、正しい為替レートとは一致しない。
・E
適切。絶対的購買力平価より為替レート=日本価格÷米国価格=12,000÷100=1ドル=120円となる。

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