問6:金利平価説に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:カバーなし金利平価によれば、自国金利が外国金利より高い場合、自国通貨は将来減価すると予想される均衡が成り立つ
- B:金利平価説は、二国間の物価上昇率の差によって為替レートが決まると説明する
- C:自国の金利が上昇すると、金利平価のもとで自国通貨は必ず将来増価すると予想される
- D:金利平価説では、為替レートは各国の貿易収支のみで決まる
- E:カバー付き金利平価は、先物レートを用いない裁定条件を指す
【第6問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。カバーなし金利平価では、自国金利が外国金利を上回るとき、その差を相殺するように自国通貨が将来減価すると予想される均衡が成り立つ。
・B
不適切。物価上昇率の差で為替レートを説明するのは購買力平価説であり、金利平価説は金利差に基づく。
・C
不適切。金利平価では高金利通貨は将来減価すると予想されるため、必ず増価すると予想されるとする記述は誤りである。
・D
不適切。金利平価説は金利差と為替の予想変化率の関係を示すものであり、貿易収支のみで決まるとする記述は誤りである。
・E
不適切。カバー付き金利平価は先物レートを用いて為替リスクを回避した裁定条件であり、先物レートを用いないとする記述は誤りである。
問7:マンデル=フレミング・モデル(変動相場制・資本移動が完全)における財政政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:拡張的財政政策は、自国通貨安を通じて純輸出を増やし所得を大きく増加させる
- B:資本移動が完全な変動相場制のもとでは、拡張的財政政策は利子率上昇→資本流入→自国通貨高→純輸出減少を招き、所得拡大効果が相殺されて小さくなる
- C:変動相場制では、拡張的財政政策は利子率を低下させ純輸出を増加させる
- D:資本移動が完全な変動相場制では、財政政策は金融政策より強い効果を持つ
- E:変動相場制のもとでは、拡張的財政政策は為替レートに影響を与えない
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。拡張的財政政策は利子率上昇を通じて自国通貨高を招き純輸出を減らすため、通貨安・純輸出増とする記述は誤りである。
・B
適切。資本移動が完全な変動相場制では、拡張的財政政策は利子率上昇→資本流入→自国通貨高→純輸出減少を招き、所得拡大効果が相殺される。
・C
不適切。拡張的財政政策は利子率を上昇させるのであり、低下させ純輸出を増やすとする記述は誤りである。
・D
不適切。資本移動が完全な変動相場制では財政政策の効果は相殺され、金融政策の方が有効となる。
・E
不適切。拡張的財政政策は利子率上昇を通じて自国通貨高をもたらすため、為替レートに影響しないとする記述は誤りである。
問8:マンデル=フレミング・モデル(変動相場制・資本移動が完全)における金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:金融緩和は利子率を上昇させ、資本流入を通じて自国通貨高を招く
- B:変動相場制では、金融緩和は純輸出を減少させ所得を縮小させる
- C:資本移動が完全な変動相場制のもとでは、金融緩和は利子率低下→資本流出→自国通貨安→純輸出増加をもたらし、所得を大きく増加させる
- D:資本移動が完全な変動相場制では、金融政策は財政政策より効果が弱い
- E:金融緩和は為替レートを増価させることで所得を増やす
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。金融緩和は利子率を低下させ資本流出・自国通貨安を招くため、利子率上昇・通貨高とする記述は誤りである。
・B
不適切。金融緩和は自国通貨安を通じて純輸出を増やし所得を拡大させるため、純輸出減少・所得縮小とする記述は誤りである。
・C
適切。資本移動が完全な変動相場制では、金融緩和が利子率低下→資本流出→自国通貨安→純輸出増加をもたらし所得を大きく増やす。
・D
不適切。資本移動が完全な変動相場制では金融政策が強い効果を持ち、財政政策より効果が強い。
・E
不適切。金融緩和は為替レートを減価(自国通貨安)させることで純輸出を増やすため、増価させるとする記述は誤りである。
問9:固定相場制(資本移動が完全)における金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:固定相場制では、金融緩和は自国通貨安を維持したまま所得を大きく増加させる
- B:固定相場制のもとでも、金融政策は変動相場制と同じく強い効果を持つ
- C:固定相場制では、拡張的財政政策は為替維持のための介入によって効果が相殺される
- D:資本移動が完全な固定相場制のもとでは、金融緩和で利子率が下がると資本が流出し自国通貨安圧力が生じるが、為替維持のための売り介入で貨幣供給が減り、金融緩和の効果は相殺されて小さくなる
- E:固定相場制では、金融政策と財政政策がともに完全に無効となる
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。固定相場制では為替レートが固定されており、自国通貨安を維持したまま所得を増やすことはできない。
・B
不適切。固定相場制では為替維持のための介入により金融政策の効果が相殺されるため、変動相場制と同じ強い効果を持つとはいえない。
・C
不適切。固定相場制では為替維持の介入がむしろ貨幣供給を調整して財政政策の効果を支えるため、財政政策は有効となる(金融政策が相殺される)。
・D
適切。資本移動が完全な固定相場制では、金融緩和による通貨安圧力を抑えるための介入で貨幣供給が減り、金融政策の効果は相殺されて小さくなる。
・E
不適切。固定相場制では財政政策が有効となる一方で金融政策が相殺されるため、両方とも無効とする記述は誤りである。
問10:マーシャル=ラーナー条件とJカーブ効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:マーシャル=ラーナー条件は、輸出入の所得弾力性の和が1を上回ることを求める
- B:Jカーブ効果とは、通貨高の直後に貿易収支が急速に改善する現象を指す
- C:マーシャル=ラーナー条件が満たされないとき、通貨安は必ず貿易収支を改善させる
- D:Jカーブ効果は、為替レートが変化しても貿易収支が全く変化しないことを示す
- E:マーシャル=ラーナー条件(輸出入の価格弾力性の和が1超)が満たされれば通貨安は貿易収支を改善させるが、短期には数量調整が遅れ収支が一時的に悪化した後に改善するJカーブ効果が生じうる
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。マーシャル=ラーナー条件は輸出入の価格弾力性(需要の価格弾力性)の和が1を上回ることを求めるものであり、所得弾力性ではない。
・B
不適切。Jカーブ効果は通貨安の直後に貿易収支が一時的に悪化し、その後改善する現象であり、通貨高の直後の急改善ではない。
・C
不適切。マーシャル=ラーナー条件が満たされないときは通貨安が貿易収支を改善させるとは限らず、必ず改善するとする記述は誤りである。
・D
不適切。Jカーブ効果は時間の経過とともに貿易収支が変化する現象であり、全く変化しないとする記述は誤りである。
・E
適切。マーシャル=ラーナー条件が満たされれば通貨安は貿易収支を改善させるが、短期には数量調整の遅れで一時的に悪化した後に改善するJカーブ効果が生じうる。

コメント