問1:予算制約線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:2財の予算制約線の傾き(絶対値)は2財の価格比に等しく、所得が増加すると予算制約線は傾きを変えずに外側へ平行移動する
- B:予算制約線の傾きは、消費者の無差別曲線の形状によって決まる
- C:X財の価格だけが下落すると、予算制約線は傾きを変えずに外側へ平行移動する
- D:所得が2倍になり、かつ2財の価格がともに2倍になると、予算制約線は外側へ平行移動する
- E:予算制約線より内側の領域は、所得では購入できない到達不能な組み合わせを表す
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。予算制約線の傾き(絶対値)は2財の価格比に等しく、所得の増加は傾きを変えずに予算制約線を外側へ平行移動させる。
・B
不適切。予算制約線の傾きは2財の価格比で決まるものであり、無差別曲線の形状で決まるとする記述は誤りである。
・C
不適切。X財だけの価格下落は価格比を変えるため、予算制約線は傾きを変えて回転し、平行移動しない。
・D
不適切。所得と両財価格がすべて2倍になると実質的な購買力は不変であり、予算制約線は移動しない。
・E
不適切。予算制約線より内側の領域は所得で購入可能な組み合わせであり、到達不能なのは外側の領域である。
問2:無差別曲線の一般的な性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:無差別曲線は右上がりであり、原点に向かって凹である
- B:通常の無差別曲線は右下がりで原点に対して凸であり、異なる無差別曲線は互いに交わらず、原点から遠いものほど高い効用を表す
- C:2本の無差別曲線は交わることがあり、交点では効用が最大となる
- D:原点に近い無差別曲線ほど高い効用水準を表す
- E:無差別曲線は必ず直線であり、限界代替率は一定である
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。通常の無差別曲線は右下がりで原点に対して凸であり、右上がり・原点に凹とする記述は誤りである。
・B
適切。通常の無差別曲線は右下がりで原点に凸、互いに交わらず、原点から遠いものほど高い効用を表す。
・C
不適切。無差別曲線は選好の推移性等から互いに交わらないため、交点で効用が最大になるとする記述は誤りである。
・D
不適切。原点から遠い無差別曲線ほど高い効用を表すため、近いものほど高いとする記述は誤りである。
・E
不適切。通常の無差別曲線は原点に凸の曲線であり限界代替率は逓減するため、直線で一定とする記述は誤りである。
問3:限界代替率(MRS)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:限界代替率は無差別曲線の傾きの逆数であり、無差別曲線が原点に凸であれば逓増する
- B:限界代替率は、2財の価格比に等しくなるように定義される定数である
- C:限界代替率は無差別曲線の傾き(絶対値)であり、X財を1単位増やすとき同じ効用を保つために手放してもよいY財の量を表し、原点に凸の無差別曲線では逓減する
- D:限界代替率は2財の限界効用の差(引き算)に等しい
- E:限界代替率が逓増することは、無差別曲線が原点に凸であることを意味する
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。限界代替率は無差別曲線の傾き(絶対値)そのものであり傾きの逆数ではなく、原点に凸なら逓減する。
・B
不適切。限界代替率は消費量に応じて変化する量であり、価格比に等しくなるのは効用最大化の結果であって定数ではない。
・C
適切。限界代替率は無差別曲線の傾きの絶対値で、X財を1単位増やす際に効用一定を保つため手放すY財の量を表し、原点に凸の無差別曲線では逓減する。
・D
不適切。限界代替率は2財の限界効用の比(MUx/MUy)に等しく、差(引き算)に等しいとする記述は誤りである。
・E
不適切。原点に凸の無差別曲線では限界代替率は逓減するため、逓増するとする記述は誤りである。
問4:効用最大化の条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:効用最大化点では、限界代替率が2財の価格比の逆数に等しくなる
- B:効用最大化点では、2財の限界効用が等しくなる
- C:効用最大化点では、予算をすべてX財に支出する
- D:効用最大化点では無差別曲線と予算制約線が接し、限界代替率が2財の価格比に等しくなる(加重限界効用均等の法則が成立する)
- E:効用最大化点では、限界代替率が価格比を上回っている
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。効用最大化点では限界代替率が価格比(逆数ではない)に等しくなるため、逆数とする記述は誤りである。
・B
不適切。効用最大化点で等しくなるのは各財の1円あたりの限界効用(加重限界効用)であり、限界効用そのものではない。
・C
不適切。通常の選好では効用最大化点は無差別曲線と予算線の接点で内点解となり、予算をすべて一方の財に支出するとは限らない。
・D
適切。効用最大化点では無差別曲線と予算制約線が接し、限界代替率=価格比となり、加重限界効用均等の法則が成立する。
・E
不適切。限界代替率が価格比を上回っている点は最適ではなくX財を増やす余地があり、最大化点では両者が等しくなる。
問5:スルツキー分解(価格効果の分解)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:代替効果は、実質所得の変化による需要量の変化を表す
- B:所得効果は、相対価格の変化による需要量の変化を表す
- C:上級財では、価格下落の代替効果と所得効果が反対方向に働く
- D:ギッフェン財では、代替効果が所得効果を上回るため需要曲線が右上がりになる
- E:価格効果は代替効果と所得効果に分解でき、代替効果は相対価格の変化による代替、所得効果は実質所得の変化による需要量の変化を表す。上級財では両者が同方向に働く
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。実質所得の変化による需要量の変化は所得効果であり、代替効果は相対価格の変化による代替を表す。
・B
不適切。相対価格の変化による需要量の変化は代替効果であり、所得効果は実質所得の変化による変化を表す。
・C
不適切。上級財では価格下落の代替効果と所得効果はともに需要量を増やす同方向に働くため、反対方向とする記述は誤りである。
・D
不適切。ギッフェン財では所得効果(負)が代替効果を上回るために右上がりの需要曲線になるのであり、代替効果が上回るとする記述は誤りである。
・E
適切。価格効果は代替効果(相対価格の変化)と所得効果(実質所得の変化)に分解でき、上級財では両者が同方向に働く。

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