問6:古典派の貨幣数量説に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:フィッシャーの交換方程式MV=PTにおいて、流通速度Vと取引量Tが一定なら、貨幣供給量Mの増加は物価水準Pを比例的に引き上げる
- B:貨幣数量説によれば、貨幣供給量の増加は長期的に実質産出量を比例的に増加させる
- C:古典派の考えでは、貨幣供給量の変化は実質変数に恒久的な影響を与える(貨幣の非中立性)
- D:交換方程式MV=PTにおいて、Vは利子率に応じて大きく変動すると仮定される
- E:貨幣数量説では、貨幣供給量が増えても物価は一切変化しないとされる
【第6問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。フィッシャーの交換方程式MV=PTでVとTが一定なら、Mの増加はPを比例的に引き上げる(貨幣数量説)。
・B
不適切。古典派では貨幣供給量の増加は長期的に実質産出量ではなく物価に比例的に反映される(貨幣の中立性)。
・C
不適切。古典派は貨幣の中立性を主張し、貨幣供給の変化は実質変数に恒久的影響を与えないと考える。
・D
不適切。古典派の数量説ではVは制度的に安定した一定値と仮定され、利子率に応じて大きく変動するとはしない。
・E
不適切。貨幣数量説では貨幣供給量の増加は物価を比例的に上昇させるのであり、一切変化しないとする記述は誤りである。
問7:IS曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:IS曲線は貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示す
- B:IS曲線は財市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示し、投資の利子弾力性が大きいほど傾きは緩やか(水平に近づく)になる
- C:IS曲線は右上がりの曲線であり、利子率が高いほど均衡国民所得は大きい
- D:政府支出が増加すると、IS曲線は左方にシフトする
- E:投資が利子率に全く反応しない場合、IS曲線は水平になる
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。貨幣市場を均衡させる組み合わせを示すのはLM曲線であり、IS曲線は財市場の均衡を示す。
・B
適切。IS曲線は財市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示し、投資の利子弾力性が大きいほど傾きは緩やかになる。
・C
不適切。IS曲線は右下がりであり、利子率が高いほど投資が減り均衡国民所得は小さくなる。
・D
不適切。政府支出の増加は総需要を高めIS曲線を右方にシフトさせる。
・E
不適切。投資が利子率に反応しない場合、IS曲線は垂直になるのであり、水平になるとする記述は誤りである。
問8:LM曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:LM曲線は財市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示す
- B:LM曲線は右下がりの曲線である
- C:LM曲線は貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示し、貨幣供給量が増加すると右方(下方)へシフトする
- D:貨幣需要の利子弾力性が大きいほど、LM曲線の傾きは急になる
- E:貨幣供給量が減少すると、LM曲線は右方にシフトする
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。財市場の均衡を示すのはIS曲線であり、LM曲線は貨幣市場の均衡を示す。
・B
不適切。LM曲線は通常右上がりであり、右下がりとする記述は誤りである。
・C
適切。LM曲線は貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示し、貨幣供給量の増加で右方(下方)へシフトする。
・D
不適切。貨幣需要の利子弾力性が大きいほどLM曲線の傾きは緩やか(水平に近づく)になり、急になるとする記述は誤りである。
・E
不適切。貨幣供給量が減少するとLM曲線は左方にシフトするのであり、右方とする記述は誤りである。
問9:IS-LM分析における財政政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:LM曲線が水平のとき、拡張的財政政策はクラウディングアウトによって完全に相殺される
- B:LM曲線が垂直のとき、拡張的財政政策は所得を大きく増加させる
- C:投資の利子弾力性が小さい(IS曲線が急)ほど、クラウディングアウトは大きくなる
- D:LM曲線が右上がりの通常の状況では、拡張的財政政策は利子率を上昇させ投資を一部締め出す(クラウディングアウト)ため、所得の増加は乗数から期待される大きさより小さくなる
- E:拡張的財政政策は、いかなる場合もクラウディングアウトを生じさせない
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。LM曲線が水平(流動性のわな)のときは利子率が上がらずクラウディングアウトが生じないため、財政政策は完全に有効である。
・B
不適切。LM曲線が垂直のときは所得が増えず利子率だけが上昇し、財政政策の所得効果は完全に相殺される(完全なクラウディングアウト)。
・C
不適切。投資の利子弾力性が小さいほど利子率上昇による投資の締め出しは小さく、クラウディングアウトはむしろ小さくなる。
・D
適切。通常の右上がりLM曲線のもとでは拡張的財政政策が利子率を上げ投資を一部締め出すため、所得の増加は単純な乗数効果より小さくなる。
・E
不適切。通常のLM曲線のもとでは財政政策は利子率上昇を通じてクラウディングアウトを生じさせうるため、いかなる場合も生じないとする記述は誤りである。
問10:IS-LM分析における金融政策の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:流動性のわなの状況では、金融緩和が最も強い効果を発揮する
- B:IS曲線が垂直(投資が利子率に反応しない)のとき、金融緩和は所得を大きく増加させる
- C:金融緩和はLM曲線を左方へシフトさせ、利子率を上昇させる
- D:貨幣需要の利子弾力性が大きいほど、金融政策の所得への効果は大きくなる
- E:金融緩和はLM曲線を右方(下方)へシフトさせ利子率を低下させることで投資を刺激するが、流動性のわなや投資が利子率に反応しない状況では効果が乏しくなる
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。流動性のわなでは利子率が下がらず金融緩和の効果が乏しくなるため、最も強い効果を発揮するとする記述は誤りである。
・B
不適切。IS曲線が垂直のときは利子率が下がっても投資が反応せず所得が増えないため、金融緩和の効果は乏しい。
・C
不適切。金融緩和はLM曲線を右方(下方)へシフトさせ利子率を低下させるのであり、左方シフト・利子率上昇とする記述は誤りである。
・D
不適切。貨幣需要の利子弾力性が大きいほどLM曲線は水平に近づき、金融政策の所得への効果はむしろ小さくなる。
・E
適切。金融緩和はLM曲線を右方へシフトさせ利子率低下を通じ投資を刺激するが、流動性のわなや投資が利子率に反応しない状況では効果が乏しくなる。

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