問1:GDPと三面等価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:国内総生産(GDP)は生産・分配・支出の三面から捉えられ、事後的にこれらは等しくなる(三面等価の原則)
- B:三面等価の原則は、経済が常に完全雇用にあることを前提として成立する
- C:GDPには、市場で取引されない家事労働がすべて計上される
- D:中古品の転売額そのものは、その年のGDPに計上される
- E:名目GDPを実質GDPで割った値は、消費者物価指数(CPI)と呼ばれる
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。GDPは生産・分配・支出の三面から捉えられ、事後的にこれらは等しくなる(三面等価の原則)。
・B
不適切。三面等価は事後的な会計上の恒等式であり、完全雇用を前提として成立するとする記述は誤りである。
・C
不適切。市場で取引されない家事労働は原則GDPに計上されないため、すべて計上されるとする記述は誤りである。
・D
不適切。中古品の転売額そのものはその年の新たな付加価値ではないためGDPに計上されず、計上されるとする記述は誤りである。
・E
不適切。名目GDPを実質GDPで割った値はGDPデフレーターであり、消費者物価指数とする記述は誤りである。
問2:景気循環の波に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ジュグラーの波は、在庫投資の変動を主因とする約40か月周期の景気循環である
- B:コンドラチェフの波は技術革新などを主因とする約50年周期の長期波動であり、キチンの波は在庫投資、ジュグラーの波は設備投資、クズネッツの波は建設投資を主因とするとされる
- C:キチンの波は、建設投資を主因とする約20年周期の循環である
- D:クズネッツの波は、設備投資を主因とする約10年周期の循環である
- E:コンドラチェフの波は、在庫投資の変動を主因とする短期の循環である
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。在庫投資を主因とする約40か月周期の循環はキチンの波であり、ジュグラーの波は設備投資を主因とする約10年周期である。
・B
適切。コンドラチェフの波は約50年周期の長期波動、キチンの波は在庫投資、ジュグラーの波は設備投資、クズネッツの波は建設投資を主因とするとされる。
・C
不適切。約20年周期で建設投資を主因とするのはクズネッツの波であり、キチンの波は在庫投資を主因とする約40か月周期である。
・D
不適切。約10年周期で設備投資を主因とするのはジュグラーの波であり、クズネッツの波は建設投資を主因とする約20年周期である。
・E
不適切。コンドラチェフの波は技術革新等を主因とする約50年周期の長期波動であり、在庫投資を主因とする短期の循環とする記述は誤りである。
問3:乗数理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:投資乗数は、限界消費性向が小さいほど大きくなる
- B:政府支出乗数と租税乗数の絶対値は等しい
- C:限界消費性向をcとすると単純な閉鎖経済の投資乗数は1/(1−c)であり、限界消費性向が大きいほど乗数は大きくなる
- D:限界輸入性向が大きいほど、開放経済の乗数は大きくなる
- E:限界消費性向が0.8のとき、投資乗数は0.8である
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。投資乗数1/(1−c)は限界消費性向cが大きいほど大きくなるため、小さいほど大きいとする記述は誤りである。
・B
不適切。政府支出乗数1/(1−c)は租税乗数の絶対値c/(1−c)より大きいため、等しいとする記述は誤りである。
・C
適切。単純な閉鎖経済の投資乗数は1/(1−c)であり、限界消費性向が大きいほど乗数は大きくなる。
・D
不適切。限界輸入性向が大きいほど需要の漏れが増え開放経済の乗数はむしろ小さくなるため、大きくなるとする記述は誤りである。
・E
不適切。限界消費性向0.8のとき投資乗数は1/(1−0.8)=5であり、0.8ではない。
問4:IS-LM分析に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:IS曲線は貨幣市場を、LM曲線は財市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを示す
- B:政府支出が増加すると、IS曲線は左方にシフトする
- C:貨幣供給量が増加すると、LM曲線は左方にシフトする
- D:IS曲線は財市場、LM曲線は貨幣市場を均衡させる組み合わせを示し、通常のLM曲線のもとで拡張的財政政策は利子率を上昇させ投資を一部締め出すクラウディングアウトを生じさせる
- E:流動性のわなの状況では、金融政策が最も強い効果を持つ
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。IS曲線は財市場、LM曲線は貨幣市場の均衡を示すため、記述は両者が逆である。
・B
不適切。政府支出の増加は総需要を高めIS曲線を右方にシフトさせるため、左方とする記述は誤りである。
・C
不適切。貨幣供給量の増加はLM曲線を右方(下方)へシフトさせるため、左方とする記述は誤りである。
・D
適切。IS曲線は財市場、LM曲線は貨幣市場の均衡を示し、通常のLM曲線のもとで拡張的財政政策は利子率上昇を通じてクラウディングアウトを生じさせる。
・E
不適切。流動性のわなでは利子率が下がらず金融政策の効果が乏しくなるため、最も強い効果を持つとする記述は誤りである。
問5:貨幣と金融に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:マネタリーベースは、市中に流通する現金と預金通貨の合計を指す
- B:預金準備率が高いほど、信用創造による預金の増加は大きくなる
- C:債券価格と利子率は同じ方向に動く
- D:流動性のわなでは、貨幣需要の利子弾力性がゼロとなる
- E:マネタリーベースは中央銀行が供給する通貨で、マネーストックとは貨幣乗数を通じて結びつき、法定準備率が低いほど信用創造は大きくなる。また債券価格と利子率は逆方向に動く
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。市中の現金と預金通貨の合計はマネーストックであり、マネタリーベースは中央銀行が供給する通貨を指す。
・B
不適切。準備率が高いほど貸出に回せる割合が減り信用創造による預金増加は小さくなるため、大きくなるとする記述は誤りである。
・C
不適切。債券価格と利子率は逆方向に動くため、同じ方向に動くとする記述は誤りである。
・D
不適切。流動性のわなでは貨幣需要の利子弾力性が無限大となるため、ゼロとする記述は誤りである。
・E
適切。マネタリーベースは中央銀行が供給する通貨でマネーストックとは貨幣乗数で結びつき、準備率が低いほど信用創造は大きく、債券価格と利子率は逆方向に動く。

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