問6:公共財の性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:純粋公共財は非競合性(ある人の消費が他者の消費を減らさない)と非排除性(対価を払わない者を排除できない)をともに満たす
- B:非競合性とは、対価を支払わない人の消費を技術的・費用的に排除できない性質を指す
- C:非排除性とは、ある人の消費が他者の消費可能量を減らさない性質を指す
- D:純粋公共財は、競合性と排除性をともに満たす財である
- E:一般の私的財は、非競合性と非排除性をともに満たす
【第6問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。純粋公共財は非競合性(ある人の消費が他者の消費を減らさない)と非排除性(対価を払わない者を排除できない)をともに満たす。
・B
不適切。対価を払わない者を排除できない性質は非排除性であり、非競合性の説明としては誤りである。
・C
不適切。ある人の消費が他者の消費可能量を減らさない性質は非競合性であり、非排除性の説明としては誤りである。
・D
不適切。純粋公共財は非競合性と非排除性を満たす財であり、競合性と排除性を満たすのは私的財である。
・E
不適切。一般の私的財は競合性と排除性を持つのであり、非競合性と非排除性を満たすとする記述は誤りである。
問7:公共財の最適供給(サミュエルソン条件)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:公共財の最適供給では、各消費者の限界便益が生産の限界費用にそれぞれ等しくなる
- B:公共財の最適供給では各消費者の限界便益(限界評価)の合計が生産の限界費用に等しくなる(サミュエルソン条件)ことが求められ、これは私的財で各人の限界便益が価格に等しくなる条件とは異なる
- C:公共財の需要は、各消費者の需要曲線を水平方向に合計して求められる
- D:公共財の最適供給条件は、私的財の場合と全く同じである
- E:公共財の最適供給では、限界便益の合計が限界費用を上回るように供給する
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。公共財では各消費者の限界便益の「合計」が限界費用に等しくなる必要があり、それぞれが等しくなるとする記述は誤りである。
・B
適切。公共財の最適供給では各消費者の限界便益の合計が限界費用に等しくなる(サミュエルソン条件)ことが求められ、私的財の条件とは異なる。
・C
不適切。公共財は同じ量を全員が消費するため各人の需要曲線を垂直方向に合計するのであり、水平方向に合計するとする記述は誤りである。
・D
不適切。公共財の最適供給条件は限界便益の合計=限界費用であり、私的財の場合と全く同じとする記述は誤りである。
・E
不適切。公共財の最適供給は限界便益の合計が限界費用に等しくなる点であり、上回るように供給するとする記述は誤りである。
問8:フリーライダー問題に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:フリーライダー問題は、公共財の排除性が高いほど深刻になる
- B:フリーライダー問題があると、公共財は市場で過剰に供給される
- C:公共財は非排除性を持つため、対価を負担せずに便益を享受しようとするフリーライダーが現れ、自発的な負担では公共財が社会的最適より過少にしか供給されない傾向がある
- D:フリーライダー問題は、私的財の供給において特に深刻となる
- E:フリーライダー問題は、各人が自らの選好を過大に表明することによって生じる
【第8問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。フリーライダー問題は排除性が低い(非排除性が強い)ほど深刻になるため、排除性が高いほど深刻とする記述は誤りである。
・B
不適切。フリーライダー問題があると公共財は過少供給となるため、過剰に供給されるとする記述は誤りである。
・C
適切。公共財は非排除性を持つため対価を負担しないフリーライダーが現れ、自発的負担では公共財が社会的最適より過少にしか供給されない傾向がある。
・D
不適切。フリーライダー問題は非排除性を持つ公共財で生じるものであり、私的財で特に深刻とする記述は誤りである。
・E
不適切。フリーライダーは負担を避けるため選好を過小に表明する傾向があり、過大に表明することで生じるとする記述は誤りである。
問9:共有資源(コモンズ)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:共有資源は、非競合性と排除性をあわせ持つ財である
- B:共有資源では、フリーライダー問題によって資源が過少にしか利用されない
- C:共有資源は排除性を持つため、過剰利用の問題は生じない
- D:共有資源は競合性を持つが排除性を持たないため、各利用者が他者への影響を考慮せず利用し、資源が過剰に消費されて枯渇する「コモンズの悲劇」が生じうる
- E:共有資源の過剰利用は、利用者数が少ないほど深刻になる
【第9問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。共有資源は競合性を持つが排除性を持たない財であり、非競合性と排除性をあわせ持つとする記述は誤りである。
・B
不適切。共有資源では競合性があるため過剰利用(過少ではなく過剰)が問題となり、過少にしか利用されないとする記述は誤りである。
・C
不適切。共有資源は排除性を持たないため過剰利用の問題が生じるのであり、排除性を持つとする記述は誤りである。
・D
適切。共有資源は競合性を持つが排除性を持たないため各利用者が他者への影響を考慮せず利用し、資源が過剰消費される「コモンズの悲劇」が生じうる。
・E
不適切。共有資源の過剰利用は利用者数が多いほど深刻になる傾向があるため、少ないほど深刻とする記述は誤りである。
問10:排出権取引(キャップ・アンド・トレード)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:排出権取引では、政府が各企業の削減量を個別に指令的に決定する
- B:排出権取引は、排出削減の費用が高い企業ほど自ら削減し、費用が低い企業が排出権を買うことを促す
- C:排出権取引では、排出権の総量を定めないまま自由に取引が行われる
- D:排出権取引は、ピグー税と異なり市場メカニズムを一切用いない規制手法である
- E:排出権取引は排出総量の上限(キャップ)を定めたうえで排出権を配分し取引を認める仕組みで、削減費用の低い企業がより多く削減して排出権を売り、社会全体で最小費用の削減が実現しうる
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。排出権取引は取引を通じて削減主体を市場に委ねる仕組みであり、政府が個別に指令的に決定するとする記述は誤りである。
・B
不適切。排出権取引では削減費用が低い企業ほど自ら削減して排出権を売る誘因を持つため、費用が高い企業が削減するとする記述は逆である。
・C
不適切。排出権取引は排出総量の上限(キャップ)を定めたうえで取引する仕組みであり、総量を定めないとする記述は誤りである。
・D
不適切。排出権取引は排出権の市場取引という市場メカニズムを用いる手法であり、一切用いないとする記述は誤りである。
・E
適切。排出権取引は排出総量の上限を定めて排出権を配分・取引する仕組みで、削減費用の低い企業がより多く削減し社会全体で最小費用の削減が実現しうる。

コメント