問1:外部性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:外部性とは、ある経済主体の行動が市場を通さずに第三者に利益や損失を及ぼすことであり、便益を及ぼす場合を外部経済、損失を及ぼす場合を外部不経済という
- B:外部性は、取引の当事者間で市場価格を通じて完全に調整される現象である
- C:外部経済とは、ある主体の行動が第三者に損失を及ぼすことを指す
- D:外部不経済が存在するとき、市場均衡での生産量は社会的に最適な水準に一致する
- E:外部性は生産活動においてのみ生じ、消費活動では生じない
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。外部性は市場を通さずに第三者へ利益・損失を及ぼすことであり、便益を及ぼす場合を外部経済、損失を及ぼす場合を外部不経済という。
・B
不適切。外部性は市場を通さずに生じるため、市場価格を通じて完全に調整されるとする記述は誤りである。
・C
不適切。第三者に損失を及ぼすのは外部不経済であり、外部経済は便益を及ぼす場合を指す。
・D
不適切。外部不経済があると市場均衡の生産量は社会的最適を上回るため、一致するとする記述は誤りである。
・E
不適切。外部性は生産だけでなく消費活動でも生じうるため、生産活動のみとする記述は誤りである。
問2:負の外部性(外部不経済)と資源配分に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:負の外部性があるとき、私的限界費用は社会的限界費用を上回る
- B:負の外部性があるとき、社会的限界費用が私的限界費用を上回り、市場均衡での生産量は社会的最適を上回る過剰生産となって死荷重が生じる
- C:負の外部性があっても、市場均衡は社会的に最適な生産量を実現する
- D:負の外部性があるとき、市場均衡での生産量は社会的最適を下回る過少生産となる
- E:負の外部性は、生産量を社会的最適より減らす方向に市場を導く
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。負の外部性では外部費用の分だけ社会的限界費用が私的限界費用を上回るのであり、私的が社会的を上回るとする記述は逆である。
・B
適切。負の外部性では社会的限界費用が私的限界費用を上回り、市場均衡での生産量は社会的最適を上回る過剰生産となって死荷重が生じる。
・C
不適切。負の外部性があると市場均衡は過剰生産となり社会的最適を実現しないため、最適を実現するとする記述は誤りである。
・D
不適切。負の外部性では過剰生産となり社会的最適を上回るため、過少生産となるとする記述は誤りである。
・E
不適切。負の外部性は費用が外部化される分だけ生産量を社会的最適より増やす方向に働くため、減らす方向とする記述は誤りである。
問3:正の外部性(外部経済)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:正の外部性があるとき、市場均衡での生産量は社会的最適を上回る過剰生産となる
- B:正の外部性は、社会的限界便益を私的限界便益より小さくする
- C:正の外部性があるとき社会的限界便益が私的限界便益を上回り、市場均衡での生産量は社会的最適を下回る過少生産となるため、補助金による生産の奨励が正当化される
- D:正の外部性があるとき、市場は自動的に社会的最適を達成する
- E:正の外部性に対しては、課税による生産の抑制が望ましい
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。正の外部性では過少生産となり社会的最適を下回るため、過剰生産となるとする記述は誤りである。
・B
不適切。正の外部性では外部便益の分だけ社会的限界便益が私的限界便益を上回るため、小さくするとする記述は誤りである。
・C
適切。正の外部性では社会的限界便益が私的限界便益を上回り市場均衡は過少生産となるため、補助金による生産奨励が正当化される。
・D
不適切。正の外部性があると市場均衡は過少生産となり社会的最適を達成しないため、自動的に達成するとする記述は誤りである。
・E
不適切。正の外部性に対しては生産を奨励する補助金が望ましいのであり、課税による抑制とする記述は誤りである。
問4:ピグー税・ピグー補助金に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ピグー税は、正の外部性を持つ財の生産を奨励するために課される
- B:ピグー税を課すと、私的限界費用が社会的限界費用より大きくなる
- C:ピグー税は、外部費用とは無関係に一律の税率で課される
- D:負の外部性に対しては、外部限界費用に等しい税(ピグー税)を課すことで私的限界費用を社会的限界費用に一致させ、生産量を社会的最適へ導くことができる
- E:ピグー税は外部性を解消するが、政府の介入を要しない自発的な解決策である
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。ピグー税は負の外部性を持つ財の生産を抑制するために課されるものであり、正の外部性の奨励に用いるとする記述は誤りである。
・B
不適切。ピグー税は外部費用を内部化して私的限界費用を社会的限界費用に一致させるものであり、私的が社会的を上回るとする記述は誤りである。
・C
不適切。ピグー税は外部限界費用に等しい水準で課すことで最適を実現するものであり、外部費用と無関係の一律税率とする記述は誤りである。
・D
適切。負の外部性に対し外部限界費用に等しいピグー税を課すと、私的限界費用が社会的限界費用に一致し、生産量が社会的最適へ導かれる。
・E
不適切。ピグー税は政府による課税という介入を伴う手段であり、政府の介入を要しない自発的解決策とする記述は誤りである。
問5:コースの定理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:コースの定理は、外部性の解決には必ず政府による課税が必要であることを示す
- B:コースの定理によれば、所有権が明確でなくても当事者間の交渉で効率的な資源配分が達成される
- C:コースの定理は、取引費用の大小にかかわらず常に効率的な配分が実現することを保証する
- D:コースの定理によれば、交渉の結果として実現する資源配分は、所有権を当事者のどちらに割り当てるかによって必ず異なる
- E:コースの定理によれば、所有権が明確に設定され取引費用が無視できるほど小さいなら、当事者間の自発的な交渉によって外部性の問題が効率的に解決されうる
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。コースの定理は当事者間の交渉による解決可能性を示すものであり、必ず政府の課税が必要とする記述は誤りである。
・B
不適切。コースの定理は所有権の明確化を前提とするため、明確でなくても達成されるとする記述は誤りである。
・C
不適切。コースの定理は取引費用が小さいことを前提とするため、取引費用の大小にかかわらず実現するとする記述は誤りである。
・D
不適切。コースの定理では効率的な配分は所有権の割当先によらず実現しうる(所得分配は変わりうる)ため、必ず異なるとする記述は誤りである。
・E
適切。コースの定理は、所有権が明確で取引費用が無視できるほど小さいなら、当事者間の自発的交渉により外部性が効率的に解決されうるとする。

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