問16:主要な税目とその性質に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:消費税は間接税・比例税に分類され、所得に対する負担割合でみると逆進性を持ちやすい
- B:所得税は間接税であり、税負担を最終的な消費者へ転嫁することが予定されている
- C:法人税は個人の消費に対して課される間接税である
- D:相続税は逆進的な税であり、資産格差を拡大させる方向に働く
- E:固定資産税は国が課税・徴収する国税である
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。消費税は間接税であり税率が一定の比例税だが、低所得者ほど所得に占める消費割合が高いため所得に対しては逆進的になりやすい。
・B
不適切。所得税は直接税であり、納税義務者と担税者が一致し他者への転嫁を予定していない。
・C
不適切。法人税は法人の所得に課される直接税であり、個人の消費に課される間接税ではない。
・D
不適切。相続税は資産の多い者ほど高い負担を求める累進的な性格を持ち、資産格差を是正する方向に働く。
・E
不適切。固定資産税は市町村が課税・徴収する地方税であり、国税ではない。
問17:地方財政に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:地方交付税は、使途が特定の事業に限定されるひも付きの補助金である
- B:地方交付税は地方公共団体間の財源の不均衡を調整し財源を保障するための一般財源であり、原則として使途は特定されない
- C:国庫支出金は使途を特定されない一般財源であり、地方が自由に使える
- D:地方税は使途があらかじめ国から指定される特定財源である
- E:地方公共団体の財源のうち、地方交付税や国庫支出金は自主財源に分類される
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。使途が特定される補助金は国庫支出金であり、地方交付税は使途を特定されない一般財源である。
・B
適切。地方交付税は団体間の財源の不均衡を調整し財源を保障するもので、原則として使途は特定されない一般財源である。
・C
不適切。国庫支出金は使途が特定される特定財源であり、自由に使える一般財源ではない。
・D
不適切。地方税は地方が自主的に課す一般財源が中心であり、国から使途を指定される特定財源ではない。
・E
不適切。地方交付税や国庫支出金は国から交付される依存財源であり、自主財源には分類されない。
問18:財政政策の乗数効果と均衡予算に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:増税と同額の政府支出増加を行うと、総需要は必ず減少する
- B:均衡予算乗数は常にゼロであり、均衡を保った財政政策は所得に影響しない
- C:限界消費性向が一定の単純なモデルでは、政府支出乗数は租税乗数より大きく、政府支出と同額の増税を同時に行う均衡予算乗数は1となる
- D:租税乗数は政府支出乗数より大きく、増税は所得を大きく増加させる
- E:限界消費性向が大きいほど、政府支出乗数は小さくなる
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。政府支出増と同額の増税を同時に行うと、均衡予算乗数が正となり総需要は増加するため、必ず減少するとする記述は誤りである。
・B
不適切。単純なモデルでは均衡予算乗数は1であり、ゼロではないため均衡を保った財政政策も所得を増やしうる。
・C
適切。単純なモデルでは政府支出乗数=1/(1−c)、租税乗数=−c/(1−c)で、政府支出乗数が租税乗数を上回り、均衡予算乗数は1となる。
・D
不適切。政府支出乗数が租税乗数(絶対値)より大きく、増税は所得を減少させる方向に働くため記述は誤りである。
・E
不適切。限界消費性向cが大きいほど政府支出乗数1/(1−c)は大きくなるため、記述は方向が逆である。
問19:政府支出乗数に関する数値問題である。限界消費性向が0.8で、租税・輸入などの漏れを考えない単純なモデルにおいて、政府支出を10兆円増加させたときの均衡国民所得の増加額として最も適切なものはどれか。
- A:8兆円
- B:18兆円
- C:10兆円
- D:50兆円
- E:80兆円
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。限界消費性向そのものを乗じた計算であり、乗数の考え方を反映していない。
・B
不適切。1回分の波及のみを加えた計算であり、乗数効果を通じた総額としては過小である。
・C
不適切。乗数を1としてしまう計算であり、消費の波及による拡大を無視している。
・D
適切。政府支出乗数=1/(1−0.8)=5であり、10兆円×5=50兆円の所得増となる。
・E
不適切。乗数の計算を誤り10兆円に8を乗じた値であり、正しい乗数5とは一致しない。
問20:租税の転嫁と帰着に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:従価税の法律上の納税義務者が供給者であれば、税負担は必ず供給者がすべて負う
- B:需要が完全に弾力的(水平)な財に課税すると、税負担はすべて需要者(消費者)が負う
- C:課税による税負担の配分は、法律上どちらに納税義務を課すかによって最終的な負担割合が決まる
- D:供給が完全に非弾力的(垂直)な財に課税すると、税負担はすべて需要者が負う
- E:課税による税負担の配分(帰着)は需要・供給の相対的な弾力性で決まり、より非弾力的な側がより多くの負担を負う
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。法律上の納税義務者が供給者でも、需要・供給の弾力性に応じて税負担は消費者にも転嫁されるため、供給者がすべて負うとは限らない。
・B
不適切。需要が完全に弾力的な財では価格を上げられず、税負担はすべて供給者が負うため、記述は帰着の方向が逆である。
・C
不適切。最終的な負担配分(帰着)は法律上の納税義務者ではなく需要・供給の弾力性で決まる。
・D
不適切。供給が完全に非弾力的な財では税負担はすべて供給者が負うため、需要者が負うとする記述は逆である。
・E
適切。租税の帰着は需要・供給の相対的な弾力性で決まり、より非弾力的な側がより多くの税負担を負う。

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