問16:メリット財・デメリット財に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:メリット財は、社会的に望ましいにもかかわらず市場に委ねると過少に消費されがちで、政府が消費を奨励することが正当化されうる財である
- B:デメリット財は、政府が消費を奨励すべき財である
- C:メリット財は、市場に委ねれば常に社会的最適な量が消費される
- D:メリット財の代表例は、たばこやアルコールなどである
- E:デメリット財は、市場に委ねると過少にしか消費されない財である
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。メリット財は社会的に望ましいが市場に委ねると過少消費になりがちで、政府による消費の奨励が正当化されうる財である。
・B
不適切。デメリット財は消費の抑制が望ましい財であり、政府が奨励すべきとする記述は誤りである。
・C
不適切。メリット財は市場に委ねると過少消費になりがちであり、常に社会的最適量が消費されるとする記述は誤りである。
・D
不適切。たばこやアルコールは消費抑制が望ましいデメリット財の例であり、メリット財の代表例とする記述は誤りである。
・E
不適切。デメリット財は市場に委ねると過剰に消費されがちな財であり、過少にしか消費されないとする記述は誤りである。
問17:ピグー税と直接規制(数量規制)の比較に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ピグー税は、各主体の削減費用にかかわらず一律の削減量を義務づける手法である
- B:削減費用が主体ごとに異なる場合、一律の数量規制よりもピグー税や排出権取引の方が、削減費用の低い主体により多く削減させ社会全体の削減費用を小さくできる可能性がある
- C:一律の数量規制は、常にピグー税より社会的費用が小さい
- D:ピグー税は各主体の限界削減費用を均等化しないため、非効率な削減配分をもたらす
- E:数量規制は価格メカニズムを用いるため、ピグー税より柔軟に削減主体を選べる
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。一律の削減量を義務づけるのは数量規制であり、ピグー税は価格を通じて各主体の削減の意思決定に委ねる手法である。
・B
適切。削減費用が主体ごとに異なる場合、一律規制よりピグー税や排出権取引の方が削減費用の低い主体により多く削減させ社会全体の費用を小さくできる可能性がある。
・C
不適切。削減費用が異なる場合は一律の数量規制の方が非効率になりやすいため、常にピグー税より費用が小さいとする記述は誤りである。
・D
不適切。ピグー税は各主体の限界削減費用を税率に等しくして均等化するため、非効率な配分をもたらすとする記述は誤りである。
・E
不適切。価格メカニズムを用いるのはピグー税であり、数量規制がピグー税より柔軟に主体を選べるとする記述は誤りである。
問18:外部性と技術的外部性・金銭的外部性の区別に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:金銭的外部性は、市場を通さずに他者の生産・効用に直接影響を及ぼすため資源配分の非効率をもたらす
- B:技術的外部性は、価格の変化を通じて他者に影響を及ぼすだけであり、資源配分の効率性を損なわない
- C:技術的外部性は市場を通さずに他者の生産・効用に直接影響し資源配分の非効率をもたらすが、価格変化を通じて生じる金銭的外部性は市場を通じた影響であり資源配分の効率性を必ずしも損なわない
- D:技術的外部性と金銭的外部性は同一の概念であり、区別する意味はない
- E:金銭的外部性は、政府によるピグー税での是正が常に必要である
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。市場を通さずに他者の生産・効用に直接影響し非効率をもたらすのは技術的外部性であり、金銭的外部性の説明としては誤りである。
・B
不適切。価格変化を通じて影響を及ぼすのは金銭的外部性であり、技術的外部性の説明としては誤りである。
・C
適切。技術的外部性は市場を通さず直接影響し非効率をもたらすが、価格変化を通じる金銭的外部性は市場を通じた影響であり効率性を必ずしも損なわない。
・D
不適切。技術的外部性と金銭的外部性は効率性への影響が異なるため区別されるものであり、同一とする記述は誤りである。
・E
不適切。金銭的外部性は市場を通じた影響で必ずしも非効率をもたらさないため、常にピグー税での是正が必要とする記述は誤りである。
問19:公共財の需要曲線の集計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:公共財では、各消費者の需要曲線を水平方向に合計して市場需要を求める
- B:公共財の最適供給では、各消費者の支払意思額のうち最大のものを限界費用に等しくする
- C:公共財では、消費者ごとに異なる量を消費するため需要の集計はできない
- D:公共財は全員が同じ量を消費するため、各消費者の限界便益(需要)曲線を垂直方向に合計した社会的限界便益を限界費用に等しくする点が最適供給となる
- E:公共財の需要曲線の集計方法は、私的財の場合と同じである
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。私的財では需要曲線を水平方向に合計するが、公共財は全員が同じ量を消費するため垂直方向に合計する。
・B
不適切。公共財の最適供給は各消費者の限界便益の合計を限界費用に等しくするものであり、最大のもの1つを用いるとする記述は誤りである。
・C
不適切。公共財は全員が同じ量を消費するため各人の限界便益を垂直方向に合計でき、集計できないとする記述は誤りである。
・D
適切。公共財は全員が同じ量を消費するため各消費者の限界便益曲線を垂直方向に合計した社会的限界便益を限界費用に等しくする点が最適供給となる。
・E
不適切。公共財は垂直方向に、私的財は水平方向に集計するため、私的財と同じとする記述は誤りである。
問20:市場の失敗と政府の役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:市場の失敗が存在すれば、政府の介入は常に社会的余剰を改善する
- B:外部性・公共財・情報の非対称性は、いずれも市場が効率的な資源配分を達成する条件を強める要因である
- C:政府の介入には費用や情報の制約がないため、市場の失敗は完全に是正できる
- D:独占や外部性は市場の失敗の例だが、公共財の供給不足は市場の失敗には含まれない
- E:外部性・公共財・情報の非対称性・独占などは市場の失敗の代表例だが、政府の介入にも情報の制約や政策の歪みといった「政府の失敗」がありうるため、介入が常に望ましいとは限らない
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。政府の介入にも失敗がありうるため、市場の失敗があれば常に社会的余剰を改善するとする記述は誤りである。
・B
不適切。外部性・公共財・情報の非対称性は市場が効率的配分を達成できない市場の失敗の要因であり、条件を強めるとする記述は誤りである。
・C
不適切。政府にも情報の制約や費用があり市場の失敗を完全には是正できないため、完全に是正できるとする記述は誤りである。
・D
不適切。公共財の供給不足も市場の失敗の代表例であり、含まれないとする記述は誤りである。
・E
適切。外部性・公共財・情報の非対称性・独占などは市場の失敗の代表例だが、政府の失敗もありうるため介入が常に望ましいとは限らない。

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