問1:景気循環の局面に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:景気循環は「回復→好況→後退→不況」の4局面を経て循環し、景気の山は好況から後退へ、谷は不況から回復へ転じる転換点を示す
- B:景気の山とは、景気が最も落ち込んだ局面の底を指す
- C:景気動向指数における景気の谷は、後退局面が始まる転換点を意味する
- D:景気循環では、後退局面が回復局面に先立って現れるのが通常の順序である
- E:好況期には物価が下落し、不況期には物価が上昇する傾向がある
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。景気循環は回復・好況・後退・不況の4局面からなり、山は拡張から収縮への、谷は収縮から拡張への転換点を示す。
・B
不適切。景気の山は景気が最も高まった局面のピークを指し、最も落ち込んだ底は谷である。
・C
不適切。谷は後退が終わり回復(拡張)が始まる転換点であり、後退が始まる点は山である。
・D
不適切。景気循環では回復局面の後に好況・後退・不況が続くのが通常であり、後退が回復に先立つとする順序は誤りである。
・E
不適切。一般に好況期には需要増から物価が上昇し、不況期には物価が下落しやすく、記述は方向が逆である。
問2:景気循環の諸類型(波)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:キチンの波は設備投資を主な要因とする約10年周期の循環である
- B:ジュグラーの波は設備投資を主因とする約10年周期の中期循環であり、主循環とも呼ばれる
- C:コンドラチェフの波は在庫投資を主因とする約40か月周期の短期循環である
- D:クズネッツの波は技術革新を主因とする約50年周期の長期循環である
- E:4つの波を周期の短い順に並べると、ジュグラー→キチン→クズネッツ→コンドラチェフとなる
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。キチンの波は在庫投資を要因とする約40か月(約3〜4年)周期の短期循環であり、10年周期ではない。
・B
適切。ジュグラーの波は設備投資を主因とする約10年周期の中期循環であり、主循環(メジャーサイクル)とも呼ばれる。
・C
不適切。約40か月周期の在庫循環はキチンの波であり、コンドラチェフの波は約50年周期の長期波動である。
・D
不適切。クズネッツの波は建設投資(住宅・建築)を要因とする約20年周期であり、技術革新を主因とする約50年周期はコンドラチェフの波である。
・E
不適切。周期の短い順は、キチン(約40か月)→ジュグラー(約10年)→クズネッツ(約20年)→コンドラチェフ(約50年)であり、記述の順序は誤りである。
問3:景気動向指数に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:先行指数は景気の現状を示す指標であり、景気とほぼ同時に動く
- B:遅行指数は景気の動きに先立って変化するため、将来の景気予測に用いられる
- C:コンポジット・インデックス(CI)は景気変動の大きさやテンポ(量感)を測ることを主な目的とし、ディフュージョン・インデックス(DI)は景気の各経済部門への波及度合いを測ることを主な目的とする
- D:有効求人倍率は遅行系列に分類される代表的な指標である
- E:ディフュージョン・インデックス(DI)が50%を上回っている限り、景気は必ず後退局面にある
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。先行指数は景気に先立って動く指標であり、現状とほぼ同時に動くのは一致指数である。
・B
不適切。遅行指数は景気に遅れて動く指標であり、景気に先立って変化し予測に用いられるのは先行指数である。
・C
適切。CIは景気変動の大きさ・テンポ(量感)を、DIは景気の各経済部門への波及の度合いを測ることを主な目的とする。
・D
不適切。有効求人倍率は一致系列に分類される指標であり、遅行系列ではない。
・E
不適切。DIが50%を上回るときは景気拡張局面にある目安であり、後退局面と結びつけるのは誤りである。
問4:経済成長の要因分解(成長会計)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:全要素生産性(TFP)は、資本の増加のみで説明される成長分を指す
- B:成長会計では、経済成長率は労働と資本の投入量の変化のみで完全に説明され、残差は生じない
- C:労働・資本の投入増加で説明できる成長分が大きいほど、全要素生産性の寄与は自動的に大きくなる
- D:経済成長率は、資本投入の寄与、労働投入の寄与、および全要素生産性(TFP)の寄与に分解でき、TFPは技術進歩など投入増加では説明できない残差として捉えられる
- E:全要素生産性(TFP)はマイナスの値をとることは理論上ありえない
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。TFPは資本投入だけで説明される成長分ではなく、労働・資本の投入増加では説明できない残差(技術進歩等)を指す。
・B
不適切。成長会計では投入量の変化で説明しきれない部分がTFPという残差として残るため、残差が生じないとする記述は誤りである。
・C
不適切。投入増加で説明できる成長分が大きいほど、残差であるTFPの寄与はむしろ小さくなる関係にある。
・D
適切。経済成長率は資本寄与・労働寄与・TFP寄与に分解でき、TFPは投入増加では説明できない技術進歩等を表す残差である。
・E
不適切。TFPは技術後退や効率悪化により理論上マイナスの値をとることもありうる。
問5:新古典派成長モデル(ソロー・モデル)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:資本の限界生産力は逓増するため、資本蓄積が進むほど成長率は加速し続ける
- B:技術進歩がなくても、貯蓄率を高めれば長期的な経済成長率を恒久的に高めることができる
- C:定常状態では一人当たり資本・一人当たり産出が増加し続ける
- D:貯蓄率の上昇は、長期の一人当たり所得水準にも定常状態の成長率にも影響を与えない
- E:技術進歩がなければ、資本の限界生産力の逓減により一人当たり資本の増加はやがて止まり、長期的な一人当たり所得の持続的成長は技術進歩によって説明される
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。ソロー・モデルでは資本の限界生産力は逓減するため、資本蓄積が進むほど成長は鈍化し、加速し続けることはない。
・B
不適切。貯蓄率の上昇は一人当たり所得の水準を高めるが、定常状態の(一人当たり)成長率を恒久的に高めることはできない。
・C
不適切。技術進歩がなければ定常状態で一人当たり資本・産出は一定となり、増加し続けることはない。
・D
不適切。貯蓄率の上昇は定常状態の一人当たり所得水準を高める効果があるため、水準に影響を与えないとする記述は誤りである。
・E
適切。技術進歩がなければ資本の限界生産力逓減により一人当たり資本の増加は止まり、長期の持続的成長は外生的な技術進歩によって説明される。

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