問11:新古典派の投資理論(ジョルゲンソン型)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:新古典派投資理論では、望ましい資本ストックは産出量と資本の使用者費用(利子率や減価償却等を反映)に依存して決まる
- B:新古典派投資理論は、投資が企業家の主観的な予想(アニマルスピリット)のみで決まるとする
- C:資本の使用者費用は利子率とは無関係であり、投資決定に影響しない
- D:新古典派投資理論では、産出量が増加しても望ましい資本ストックは変化しない
- E:新古典派投資理論は、資本の限界生産力を一切考慮しない
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。新古典派投資理論では、望ましい資本ストックは産出量と資本の使用者費用(利子率・減価償却率等)に基づいて決まる。
・B
不適切。主観的予想(アニマルスピリット)を強調するのはケインズ的な見方であり、新古典派投資理論は使用者費用と産出量に基づく合理的決定を重視する。
・C
不適切。資本の使用者費用は利子率を反映しており、利子率の変化は投資決定に影響を与える。
・D
不適切。産出量が増加すれば望ましい資本ストックも増加するため、変化しないとする記述は誤りである。
・E
不適切。新古典派投資理論は資本の限界生産力と使用者費用の均等を投資決定の基礎に据えるため、考慮しないとする記述は誤りである。
問12:外国貿易乗数を含む開放経済の乗数に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:限界輸入性向が大きいほど、開放経済の乗数は大きくなる
- B:限界消費性向をc、限界輸入性向をmとすると、単純な開放経済の乗数は1/(1−c+m)で表され、限界輸入性向が大きいほど乗数は小さくなる
- C:開放経済の乗数は閉鎖経済の乗数と常に等しい
- D:輸入は国内需要の漏れではないため、乗数を小さくする効果を持たない
- E:限界輸入性向がゼロに近づくほど、開放経済の乗数は小さくなる
【第12問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。限界輸入性向mが大きいほど需要の海外への漏れが増え、乗数1/(1−c+m)はむしろ小さくなる。
・B
適切。単純な開放経済の乗数は1/(1−c+m)であり、限界輸入性向mが大きいほど需要の漏れが増えて乗数は小さくなる。
・C
不適切。開放経済では輸入という漏れがある分、乗数は閉鎖経済より小さくなるのが一般的であり、常に等しくはならない。
・D
不適切。輸入は国内需要の海外への漏れであり、乗数を小さくする効果を持つ。
・E
不適切。限界輸入性向がゼロに近づくと漏れが小さくなり、乗数はむしろ大きくなる(閉鎖経済に近づく)。
問13:相対所得仮説に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:相対所得仮説は、消費が現在の絶対的な所得水準のみで決まるとする
- B:相対所得仮説は、消費が将来の恒常所得の割引現在価値で決まるとする
- C:相対所得仮説(デューゼンベリー)は、消費が他者の消費水準に影響されるデモンストレーション効果と、過去の高い消費水準を維持しようとするラチェット効果(歯止め効果)によって説明されるとする
- D:相対所得仮説は、消費が生涯の資産と所得の合計を平準化するように決まるとする
- E:相対所得仮説では、所得が減少すると消費も直ちに同率で減少すると考える
【第13問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。現在の絶対的な所得のみで消費が決まるとするのは絶対所得仮説であり、相対所得仮説ではない。
・B
不適切。恒常所得の割引現在価値で消費が決まるとするのは恒常所得仮説であり、相対所得仮説ではない。
・C
適切。相対所得仮説は、他者の消費に影響されるデモンストレーション効果と、過去の消費水準を維持しようとするラチェット効果で消費を説明する。
・D
不適切。生涯所得を平準化するとするのはライフサイクル仮説であり、相対所得仮説ではない。
・E
不適切。相対所得仮説はラチェット効果により、所得が減っても消費は下がりにくいとするため、同率で直ちに減少するとする記述は誤りである。
問14:流動性選好と投資・利子率の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:ケインズによれば、利子率は貯蓄と投資が一致する水準で決まる(貸付資金説)
- B:流動性選好説では、貨幣需要が増加すると利子率は低下する
- C:投資は利子率と正の関係にあり、利子率が上昇すると投資は増加する
- D:流動性選好説では利子率が貨幣の需給によって決まり、利子率が低下すると投資の限界効率を上回る投資案件が増えて投資が拡大する
- E:投資の限界効率と利子率は無関係であり、利子率が変化しても投資は変わらない
【第14問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。貯蓄と投資の一致で利子率が決まるとするのは貸付資金説(古典派)であり、ケインズの流動性選好説では貨幣の需給で利子率が決まる。
・B
不適切。流動性選好説では貨幣需要の増加は利子率を上昇させる方向に働くため、低下するとする記述は誤りである。
・C
不適切。投資は利子率と負の関係にあり、利子率が上昇すると投資は減少する。
・D
適切。流動性選好説では利子率が貨幣の需給で決まり、利子率が下がると限界効率がそれを上回る投資が増えて投資は拡大する。
・E
不適切。投資は投資の限界効率と利子率の比較で決まるため、利子率の変化は投資に影響する。
問15:完全雇用国民所得が500兆円、現在の均衡国民所得が440兆円、限界消費性向が0.8の単純な閉鎖経済を考える。デフレ・ギャップを解消して完全雇用を実現するために必要な政府支出の増加額として最も適切なものはどれか。
- A:60兆円
- B:48兆円
- C:300兆円
- D:75兆円
- E:12兆円
【第15問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。所得の不足分(60兆円)をそのまま政府支出の必要額とする計算であり、乗数効果を考慮していない。
・B
不適切。乗数の適用の仕方を誤っており、必要額として整合しない。
・C
不適切。乗数を所得不足分に乗じてしまう計算であり、方向が逆で過大である。
・D
不適切。乗数の計算を誤っており、正しい必要額とは一致しない。
・E
適切。所得の不足分は500−440=60兆円、乗数は1/(1−0.8)=5。必要な政府支出増=60÷5=12兆円となる。

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