問1:国際収支統計(IMF方式・BPM6)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:国際収支は経常収支・資本移転等収支・金融収支から構成され、居住者による対外資産の取得(対外投資)は金融収支のプラスとして計上される
- B:経常収支には、対外直接投資や証券投資などの資産取引が計上される
- C:金融収支には、財の輸出入である貿易収支が計上される
- D:対外投資から得られる利子・配当は、第二次所得収支に計上される
- E:無償資金協力や国際機関への拠出金は、第一次所得収支に計上される
【第1問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。国際収支は経常収支・資本移転等収支・金融収支からなり、居住者による対外資産の取得は金融収支のプラスとして計上される。
・B
不適切。直接投資や証券投資などの資産取引は金融収支に計上されるため、経常収支に計上されるとする記述は誤りである。
・C
不適切。貿易収支は財の輸出入として経常収支に計上されるため、金融収支に計上されるとする記述は誤りである。
・D
不適切。対外投資の利子・配当は第一次所得収支に計上されるため、第二次所得収支とする記述は誤りである。
・E
不適切。無償資金協力や国際機関への拠出金は第二次所得収支に計上されるため、第一次所得収支とする記述は誤りである。
問2:円高・円安の影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:円安は輸入原材料の円建て価格を低下させ、国内物価を押し下げる
- B:円安は輸出財の外貨建て価格を引き下げ輸出を増やしやすくする一方、輸入原材料の円建て価格を上昇させ国内物価を押し上げる方向に働く
- C:円高は日本の輸出企業の価格競争力を高め、輸出を増加させる
- D:円安が進行すると、外貨建ての対外資産の円換算額は減少する
- E:円高は、海外旅行や輸入品の購入にとって不利に働く
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。円安は輸入原材料の円建て価格を上昇させ国内物価を押し上げるため、低下・押し下げとする記述は誤りである。
・B
適切。円安は輸出財の外貨建て価格を下げ輸出を増やしやすくする一方、輸入原材料の円建て価格を上げ国内物価を押し上げる。
・C
不適切。円高は輸出財の外貨建て価格を引き上げ競争力を低下させ輸出を減らすため、高め輸出を増やすとする記述は誤りである。
・D
不適切。円安が進行すると外貨建て対外資産の円換算額はむしろ増加するため、減少するとする記述は誤りである。
・E
不適切。円高は輸入品を割安にし海外旅行の費用も下げるため有利に働き、不利とする記述は誤りである。
問3:為替レートの決定理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:購買力平価説は、二国間の名目金利差によって為替レートが決まると説明する
- B:相対的購買力平価によれば、物価上昇率が相対的に高い国の通貨は増価する
- C:購買力平価説は物価水準(購買力)に基づいて為替レートの長期的傾向を説明し、金利平価説は金利差と為替の予想変化率の関係を示す。相対的購買力平価では物価上昇率が相対的に高い国の通貨は減価する傾向がある
- D:金利平価説は、二国間の物価上昇率の差によって為替レートが決まると説明する
- E:購買力平価説は、短期の為替レートの日々の変動をよく説明できるとされる
【第3問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。名目金利差で為替レートを説明するのは金利平価説であり、購買力平価説は物価水準に基づく。
・B
不適切。相対的購買力平価では物価上昇率が相対的に高い国の通貨は減価するため、増価するとする記述は誤りである。
・C
適切。購買力平価説は物価に基づき為替の長期的傾向を、金利平価説は金利差と予想変化率の関係を示し、相対的購買力平価では物価上昇率の高い国の通貨は減価する傾向がある。
・D
不適切。物価上昇率の差で為替を説明するのは購買力平価説であり、金利平価説は金利差に基づく。
・E
不適切。購買力平価説は長期の傾向の説明に適し短期の日々の変動の説明力は乏しいため、よく説明できるとする記述は誤りである。
問4:マンデル=フレミング・モデル(資本移動が完全)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:変動相場制では、財政政策が金融政策より強い効果を持つ
- B:変動相場制の金融緩和は、自国通貨高を通じて純輸出を減らす
- C:固定相場制では、金融政策が変動相場制と同じ強い効果を持つ
- D:資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効で、拡張的財政政策は利子率上昇→資本流入→自国通貨高→純輸出減少を通じて効果が相殺され、固定相場制では逆に財政政策が有効となる
- E:固定相場制では、財政・金融政策がともに完全に無効となる
【第4問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効で財政政策が相殺されるため、財政政策の方が強いとする記述は誤りである。
・B
不適切。変動相場制の金融緩和は自国通貨安を通じて純輸出を増やすため、通貨高で純輸出を減らすとする記述は誤りである。
・C
不適切。固定相場制では為替維持の介入で金融政策の効果が相殺されるため、変動相場制と同じ強い効果を持つとする記述は誤りである。
・D
適切。資本移動が完全な変動相場制では金融政策が有効で拡張的財政政策は通貨高による純輸出減で相殺され、固定相場制では逆に財政政策が有効となる。
・E
不適切。固定相場制では財政政策が有効となるため、財政・金融政策がともに完全に無効とする記述は誤りである。
問5:比較優位と貿易利益に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:両財の生産で絶対優位を持つ国は、どちらの財についても比較優位を持つ
- B:ある国が両財ともに絶対劣位であれば、いかなる財にも比較優位を持たない
- C:比較優位は労働生産性の絶対水準によって決まり、機会費用とは無関係である
- D:比較優位に基づく貿易は、一方の国のみが利益を得る
- E:ある国が両財で絶対優位を持っても機会費用がより小さい財に比較優位を持ち、各国が比較優位を持つ財に特化して貿易することで双方が利益を得られる
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。絶対優位を両財で持つ国でも機会費用の小さい一方の財にしか比較優位を持たないため、どちらの財についても比較優位を持つとする記述は誤りである。
・B
不適切。両財ともに絶対劣位でも機会費用のより小さい財に比較優位を持ちうるため、いかなる財にも比較優位を持たないとする記述は誤りである。
・C
不適切。比較優位は生産の機会費用の相対的な小ささで決まるため、機会費用と無関係とする記述は誤りである。
・D
不適切。比較優位に基づく貿易は双方の国が利益を得られるため、一方のみが利益を得るとする記述は誤りである。
・E
適切。両財で絶対優位を持つ国でも機会費用がより小さい財に比較優位を持ち、各国が比較優位財に特化して貿易すれば双方が利益を得られる。

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