問16:輸出補助金の効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:輸出補助金は輸出を促進するが、国内価格を引き上げて国内消費者の負担を増やし、生産・消費の歪みによる死荷重を生じさせ、補助金支出も加わって輸出国全体の総余剰を減少させうる
- B:輸出補助金は、輸出国の総余剰を必ず増加させる
- C:輸出補助金は国内価格を引き下げ、国内消費者に利益をもたらす
- D:輸出補助金は、死荷重を一切生じさせない効率的な政策である
- E:輸出補助金は、輸出量を減少させる効果を持つ
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
適切。輸出補助金は輸出を促進するが国内価格を引き上げ消費者負担を増やし、生産・消費の歪みと補助金支出により輸出国全体の総余剰を減少させうる。
・B
不適切。輸出補助金は歪みと補助金支出により総余剰を減少させうるため、必ず増加させるとする記述は誤りである。
・C
不適切。輸出補助金は国内向け供給を減らし国内価格を引き上げるため、引き下げ消費者に利益とする記述は誤りである。
・D
不適切。輸出補助金は生産・消費の歪みによる死荷重を生じさせるため、一切生じさせないとする記述は誤りである。
・E
不適切。輸出補助金は輸出を促進し輸出量を増加させるものであり、減少させるとする記述は誤りである。
問17:新貿易理論(規模の経済と貿易)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:新貿易理論は、比較優位の差だけが貿易の源泉であることを示した
- B:新貿易理論は、規模の経済と製品差別化のもとでは、比較優位の差がなくても貿易が生じ、市場拡大による生産の効率化や消費の多様性の拡大といった利益が得られることを示した
- C:新貿易理論は、規模の経済が存在すると貿易の利益は生じないと主張する
- D:新貿易理論は、要素賦存の差のみによって産業内貿易を説明する
- E:新貿易理論によれば、貿易は必ず一方の国の生産を完全に消滅させる
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
不適切。新貿易理論は比較優位の差がなくても規模の経済等により貿易が生じることを示したものであり、比較優位の差だけが源泉とする記述は誤りである。
・B
適切。新貿易理論は規模の経済と製品差別化のもとで比較優位の差がなくても貿易が生じ、市場拡大による効率化や消費の多様性拡大の利益が得られることを示した。
・C
不適切。新貿易理論は規模の経済のもとでも市場拡大による効率化などの貿易利益が生じるとするため、利益が生じないとする記述は誤りである。
・D
不適切。新貿易理論は規模の経済と製品差別化により産業内貿易を説明するものであり、要素賦存の差のみによるとする記述は誤りである。
・E
不適切。新貿易理論は差別化財の相互取引(産業内貿易)を説明するものであり、必ず一方の生産を完全に消滅させるとする記述は誤りである。
問18:非関税障壁に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:非関税障壁とは、輸入品に課される関税そのものを指す
- B:輸入割当は関税の一種であり、非関税障壁には含まれない
- C:非関税障壁とは関税以外の方法で輸入を制限する措置であり、輸入割当、輸出自主規制、過度に厳格な基準・認証、複雑な通関手続きなどが含まれる
- D:非関税障壁は、輸入を促進し貿易を自由化する措置である
- E:非関税障壁は、国内価格に何ら影響を与えない
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
不適切。非関税障壁は関税以外の輸入制限措置を指すものであり、関税そのものとする記述は誤りである。
・B
不適切。輸入割当は関税以外の数量制限措置であり非関税障壁に含まれるため、含まれないとする記述は誤りである。
・C
適切。非関税障壁は関税以外の方法で輸入を制限する措置であり、輸入割当・輸出自主規制・過度に厳格な基準・複雑な通関手続きなどが含まれる。
・D
不適切。非関税障壁は輸入を制限する措置であり、輸入を促進し自由化する措置とする記述は誤りである。
・E
不適切。非関税障壁は輸入を制限して国内価格を引き上げうるため、国内価格に影響を与えないとする記述は誤りである。
問19:関税による国内価格・生産・消費への影響(小国のケース)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:小国が輸入財に関税を課すと、国内価格は国際価格のまま変化しない
- B:関税により国内価格が上昇すると、国内消費は増加する
- C:関税により国内価格が上昇すると、国内生産は減少する
- D:小国が輸入財に関税(従量税)を課すと、国内価格は国際価格に関税分を加えた水準まで上昇し、国内生産は増加、国内消費は減少、輸入量は減少する
- E:関税を課しても、輸入量は変化しない
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
不適切。小国が関税を課すと国内価格は国際価格に関税分を加えた水準まで上昇するため、変化しないとする記述は誤りである。
・B
不適切。関税による国内価格の上昇は国内消費を減少させるため、増加するとする記述は誤りである。
・C
不適切。関税による国内価格の上昇は国内生産を増加させるため、減少するとする記述は誤りである。
・D
適切。小国が従量関税を課すと国内価格は国際価格+関税の水準まで上昇し、国内生産は増加、国内消費は減少、輸入量は減少する。
・E
不適切。関税による国内価格の上昇は国内生産増・消費減を通じて輸入量を減少させるため、変化しないとする記述は誤りである。
問20:GATT・WTOを中心とする多角的貿易体制に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:最恵国待遇とは、輸入品を国内産品より不利に扱う原則を指す
- B:内国民待遇とは、ある加盟国に与えた最も有利な待遇を他のすべての加盟国にも与える原則を指す
- C:WTOは、加盟国が自由に関税を引き上げることを一貫して推奨している
- D:GATT・WTO体制は、二国間交渉のみを認め多角的な交渉を排除している
- E:WTOを中心とする多角的貿易体制は、最恵国待遇(ある国に与えた有利な待遇を他の全加盟国にも及ぼす)と内国民待遇(輸入品を国内産品と同等に扱う)を基本原則とし、貿易の自由化と無差別を進めてきた
【第20問:正解と解説】
正解:E
・A
不適切。最恵国待遇はある国に与えた最も有利な待遇を他の全加盟国にも及ぼす無差別の原則であり、輸入品を不利に扱う原則とする記述は誤りである。
・B
不適切。ある国に与えた最も有利な待遇を他の全加盟国に及ぼすのは最恵国待遇であり、内国民待遇は輸入品を国内産品と同等に扱う原則である。
・C
不適切。WTOは貿易の自由化を進める枠組みであり、自由な関税引き上げを一貫して推奨しているとする記述は誤りである。
・D
不適切。GATT・WTO体制は多角的(多国間)の交渉を通じて自由化を進めるものであり、二国間交渉のみを認めるとする記述は誤りである。
・E
適切。WTOを中心とする多角的貿易体制は、最恵国待遇と内国民待遇を基本原則とし、貿易の自由化と無差別を進めてきた。

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