問1:特定の事業において、競合他社に対しどのように優位性を築くかを決める戦略は、戦略階層のどこに位置づけられるか。
- A:全社戦略(企業全体の事業領域を決める戦略)
- B:競争戦略・事業戦略(個別事業で競争優位を築く戦略)
- C:機能別戦略(生産・販売など機能ごとの戦略)
【第1問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。全社戦略は企業全体としてどの事業領域で戦うかを決める上位の戦略であり、個別事業の競争方法を決めるものではない。
・B:適切。特定事業でどう競争優位を築くかを決めるのが競争戦略(事業戦略)で、全社戦略と機能別戦略の中間に位置づけられる。代表的論者はポーターである。【試験対策】戦略階層は上位から全社戦略→事業(競争)戦略→機能別戦略の3層。競争戦略=事業戦略の階層である点を押さえること。
・C:不適切。機能別戦略は生産・販売・財務など各機能の遂行方針を定める下位の戦略であり、競争優位の築き方そのものを決める階層ではない。
関連過去問:R7,問1
問2:競合他社より高い価値や低いコストを実現し、平均以上の収益性を得られる状態を何というか。
- A:競争優位
- B:範囲の経済
- C:持続的競争優位
【第2問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。競争優位とは、競合他社より高い顧客価値を提供したり、より低いコストで事業を運営したりすることで、相対的に有利な収益性を実現している状態をいう。ただし、その優位が長期に続くためには、模倣困難性などの条件が必要となる。【試験対策】競争優位と持続的競争優位を区別する。競争優位=有利な状態、持続的競争優位=模倣されにくく長く続く状態。
・B:不適切。範囲の経済は複数事業を同時に行うことでコストが下がる効果であり、競争優位状態そのものを指す語ではない。
・C:不適切。持続的競争優位は、競争優位が模倣困難性などにより長期に持続している状態を指す。ここで問われているのは持続性を前提としない競争優位そのものの状態である。
関連過去問:R7,問7/R7,問8
問3:競争優位が一時的なものにとどまらず持続するために、特に重要な条件はどれか。
- A:模倣困難性(競合他社が容易に模倣・代替できないこと)
- B:市場シェアの大きさ
- C:価格の安さ
【第3問:正解と解説】
正解:A
【解説】
・A:適切。競争優位が持続するためには、競合他社が容易に模倣・代替できないことが重要である。希少な経営資源、因果関係の曖昧性、社会的複雑性、活動システム全体のフィットなどが模倣困難性の源泉となる。【試験対策】持続的競争優位=模倣困難性。VRIOのIとも関連づけて押さえる。
・B:不適切。市場シェアが大きくても模倣が容易であれば優位は持続しない。シェアの大きさそのものは持続の条件ではない。
・C:不適切。単なる価格の安さは模倣されやすく、持続的な優位の条件とはいえない。
関連過去問:基礎知識
問4:業界の収益性を左右する5つの競争要因を分析するポーターの枠組みを何というか。
- A:バリューチェーン分析
- B:PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)
- C:5フォース分析(5つの競争要因分析)
【第4問:正解と解説】
正解:C
【解説】
・A:不適切。バリューチェーン分析は企業内部の活動を主活動・支援活動に分けて競争優位の源泉を探る枠組みであり、業界全体の競争要因を5つに分けて分析するものではない。
・B:不適切。PPMは複数事業への資源配分を検討する枠組みであり、業界の競争要因分析ではない。
・C:適切。業界の収益性を左右する5要因(既存企業間の競争・新規参入の脅威・代替品の脅威・買い手の交渉力・売り手の交渉力)を分析する枠組みで、提唱者はポーターである。【試験対策】5要因を漏れなく挙げられるように。特に「売り手/買い手の交渉力」の2つを落としやすい。
関連過去問:R7,問7/R6,問7/R3,問6
問5:5つの競争要因が強い業界と弱い業界では、業界の平均的な収益性はどのように異なるか。
- A:要因が強いほど収益性は高くなりやすい
- B:要因が強いほど収益性は低くなりやすい
- C:要因の強弱と収益性は関係しない
【第5問:正解と解説】
正解:B
【解説】
・A:不適切。逆である。競争要因が強いほど利益は圧迫され、収益性は低くなりやすい。
・B:適切。5フォースが強いほど業界の平均収益性は低下し、弱いほど高くなりやすい。参入すべき業界・避けるべき業界の判断に用いられる。【試験対策】「要因が強い=儲かりにくい業界」という方向を取り違えないこと。
・C:不適切。5フォース分析は要因の強弱が収益性を左右するという前提に立つ枠組みであり、無関係ではない。
関連過去問:R7,問7/R6,問7/R3,問6

コメント