問6:当社のROEは12%、配当性向は40%である。ROEと配当性向が今後も一定であると仮定した場合のサスティナブル成長率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:4.8%
- B:7.2%
- C:12.0%
- D:30.0%
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】ROEに配当性向を乗じた誤り(12%×0.4=4.8%)。乗じるのは内部留保率である。
・B
【論点】サスティナブル成長率の計算。【考え方】サスティナブル成長率=ROE×内部留保率=ROE×(1-配当性向)=12%×(1-0.4)=7.2%。利益のうち留保された部分が自己資本を増加させ、それが同じROEで運用され続けることで達成可能な成長率を示す。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】内部留保率を考慮せずROEをそのまま成長率とした誤り。配当として流出する部分は成長の源泉とならない。
・D
【選択肢解説】ROEを配当性向で除した値(12÷0.4=30%)であり、根拠のない計算である。
関連過去問:R4,問22/H30,問23
問7:当社の来期(1年後)のフリー・キャッシュ・フロー(FCF)は100百万円と予測され、その後は毎年2%の一定率で永久に成長すると見込まれる。加重平均資本コスト(WACC)が7%であるとき、定率成長モデルによる当社の企業価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:約1,111百万円
- B:約1,429百万円
- C:2,000百万円
- D:2,040百万円
【第7問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】WACCに成長率を加算して除した誤り(100÷0.09≒1,111百万円)。
・B
【選択肢解説】成長率を考慮しなかった誤り(100÷0.07≒1,429百万円)。
・C
【論点】定率成長モデル(成長型永久還元)による企業価値の計算。【考え方】企業価値=来期FCF÷(WACC-成長率)=100÷(0.07-0.02)=2,000百万円。定率成長配当割引モデルと同じ構造をFCFに適用したものである。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】来期FCFにさらに成長率を乗じた誤り(100×1.02÷0.05=2,040百万円)。100百万円はすでに来期の予測値である。
関連過去問:R5,問22/H29,問23
問8:非上場の中小企業であるA社の企業評価を、「時価純資産に営業利益の数年分(年買法)を加算する方式」で行う。以下の資料に基づき、A社の株式価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・簿価純資産 350百万円
・時価純資産 400百万円
・正常収益力を反映した営業利益 80百万円(年額)
・評価年数 3年
- A:240百万円
- B:400百万円
- C:590百万円
- D:640百万円
【第8問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】240百万円は営業権(のれん)相当額(80×3年)のみであり、純資産部分が含まれていない。
・B
【選択肢解説】400百万円は時価純資産のみであり、営業権相当額が加算されていない。
・C
【選択肢解説】時価純資産ではなく簿価純資産を用いた誤り(350+240=590百万円)。年買法では資産・負債を時価評価した純資産を基礎とする。簿価純資産は紛れの資料である。
・D
【論点】中小企業のM&A実務等で用いられる年買法(時価純資産+営業権)による評価。【考え方】株式価値=時価純資産400+営業利益80×3年=400+240=640百万円。時価純資産に将来の収益力を営業権(のれん)として簡便に上乗せする方式である。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R1,問21/H30,問22
問9:以下の資料に基づき、DCF法による当社の1株当たり株式価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・事業価値(事業から生じるFCFの現在価値合計) 5,000百万円
・非事業用資産(遊休不動産等)の時価 300百万円
・有利子負債の時価 1,500百万円
・発行済株式数 10百万株
- A:350円
- B:380円
- C:500円
- D:530円
【第9問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】非事業用資産の価値300百万円を加算しなかった誤り((5,000-1,500)÷10=350円)。
・B
【論点】事業価値・企業価値・株式価値の関係と1株当たり価値の計算。【考え方】企業価値=事業価値5,000+非事業用資産300=5,300百万円。株式価値=5,300-有利子負債1,500=3,800百万円。1株当たり株式価値=3,800÷10百万株=380円。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】非事業用資産を無視し、有利子負債も控除しなかった誤り(5,000÷10=500円)。
・D
【選択肢解説】有利子負債を控除しなかった誤り((5,000+300)÷10=530円)。
関連過去問:R6,問22/R3,問22
問10:以下の資料に基づき、時価純資産法(修正簿価純資産法)による当社の株式価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・簿価純資産 1,000百万円
・保有する土地:帳簿価額300百万円、時価500百万円
・退職給付引当金の計上不足額 100百万円
・上記以外に時価と簿価の乖離はない。
- A:900百万円
- B:1,000百万円
- C:1,100百万円
- D:1,200百万円
【第10問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】土地の含み益200百万円を反映せず、引当不足のみを控除した誤り(1,000-100=900百万円)。
・B
【選択肢解説】1,000百万円は簿価純資産のままであり、時価評価による修正が行われていない。
・C
【論点】時価純資産法による株式価値の算定(資産の含み損益と簿外・計上不足負債の反映)。【考え方】時価純資産=簿価純資産1,000+土地の含み益(500-300)-退職給付引当金の計上不足100=1,000+200-100=1,100百万円。資産側のプラス修正だけでなく、負債側のマイナス修正も反映する点がポイントである。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】退職給付引当金の計上不足100百万円を控除しなかった誤り(1,000+200=1,200百万円)。
関連過去問:R2,問22/H28,問23
