問6:輸入企業である当社は、3か月後に100万ドルの輸入代金を支払う予定である。円安による支払額増加のリスクに備え、行使価格1ドル=140円のドル・コール・オプション(100万ドル分)をプレミアム1ドル当たり2円で購入した。3か月後の直物レートが1ドル=145円となった場合の、1ドル当たりの実質的な調達コストとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:140円
- B:142円
- C:145円
- D:147円
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】支払ったプレミアム2円が考慮されていない。
・B
【論点】通貨オプション(コールの買い)による輸入代金の為替ヘッジ。【考え方】満期の直物145円>行使価格140円であるため権利を行使し、1ドルを140円で調達する。プレミアム2円を加えた実質調達コスト=140+2=142円/ドル。オプションは、円高時(行使価格未満)には権利を放棄して直物で安く調達できる柔軟性を持つ点が為替予約と異なる。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】オプションを行使しなかった場合の直物レートによる調達コストであり、行使が有利な本問の状況に合わない(さらにプレミアムの考慮もない)。
・D
【選択肢解説】権利を放棄して直物145円で調達し、プレミアム2円を加えた金額である。直物が行使価格を上回っているため権利行使の方が有利である。
関連過去問:R4,問24/H29,問23
問7:直物為替レートは1ドル=120円、日本の金利は年1%、米国の金利は年3%である。金利平価(カバー付き金利平価)が成立する場合の1年物の先渡(フォワード)為替レートとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:約117.7円
- B:120.0円
- C:約122.4円
- D:123.6円
【第7問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】金利平価による理論先渡レートの計算。【考え方】理論先渡レート=直物レート×(1+円金利)÷(1+ドル金利)=120×1.01÷1.03≒117.7円。金利の高い通貨(ドル)は先渡市場で割安(先安)となることで、どちらの通貨で運用しても収益が等しくなる裁定関係が成立する。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】直物レートのままであり、両国の金利差が反映されていない。
・C
【選択肢解説】分子と分母を逆にした誤り(120×1.03÷1.01≒122.4円)。
・D
【選択肢解説】ドル金利のみを乗じた誤り(120×1.03=123.6円)。
関連過去問:R3,問25/H28,問25
問8:現在の株価が1,060円である株式について、行使価格1,000円のコール・オプションのプレミアム(オプション価格)は90円である。このコール・オプションの時間的価値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:0円
- B:30円
- C:60円
- D:90円
【第8問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】時間的価値が0円となるのは満期時点等であり、本問ではプレミアムが本源的価値を上回っている分が時間的価値である。
・B
【論点】オプション・プレミアムの構成(本源的価値と時間的価値)。【考え方】本源的価値=現在の株価1,060-行使価格1,000=60円(イン・ザ・マネー)。時間的価値=プレミアム90-本源的価値60=30円。満期までの間に株価がさらに有利に変動する可能性への期待が時間的価値であり、満期接近とともに減少する。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】60円は本源的価値であり、時間的価値ではない。
・D
【選択肢解説】90円はプレミアムの総額であり、本源的価値と時間的価値の合計である。
関連過去問:R1,問25/H30,問23
問9:輸出企業である当社は、3か月後に受け取る100万ドルについて、受取時点の円高リスクをヘッジするため、1ドル=140円で通貨先物を100万ドル分売り建てた。3か月後、直物レートおよび先物決済レートはいずれも1ドル=130円となった。この「先物取引単独」の損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:10百万円の損失
- B:0円
- C:10百万円の利益
- D:20百万円の利益
【第9問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】売建てと買戻しの損益の方向を取り違えている。140円で売る契約を130円で決済(買戻し)しているため利益である。
・B
【選択肢解説】0円となるのは、輸出代金の為替差損(△10百万円)と先物利益(+10百万円)を合算したヘッジ全体のネット損益である。本問は先物取引単独の損益を問うている。
・C
【論点】売りヘッジにおける先物取引の損益計算とヘッジ対象との相殺関係の理解。【考え方】先物損益=(売建レート140円-決済レート130円)×100万ドル=10百万円の利益。一方、輸出代金の円貨受取額は円高により10百万円目減りしており、両者が相殺されて実質受取額は140百万円に固定される。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】為替の変動幅10円×100万ドルの2倍に相当し、根拠のない金額である。
関連過去問:R5,問24/R2,問25
問10:当社は米国の銀行から100万ドルを借り入れた(借入時の為替レートは1ドル=130円)。期中に利息3万ドルを支払い(支払時レート1ドル=135円)、期末に元本100万ドルを返済した(返済時レート1ドル=138円)。元本の返済に関して計上される為替差損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:8百万円の為替差益
- B:5百万円の為替差損
- C:8百万円の為替差損
- D:8.24百万円の為替差損
【第10問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】差損益の方向を取り違えている。円安(130円→138円)により返済に必要な円貨が増加しているため差損である。
・B
【選択肢解説】期中の利払時レート135円を基準に計算した誤り((135-130)×100万=5百万円)。元本の為替差損は借入時と返済時のレート差による。利払時レートは紛れの資料である。
・C
【論点】外貨建借入金の返済に係る為替差損益の計算。利息の支払データは元本の為替差損益の計算には用いない紛れの資料である。【考え方】為替差損=(返済時レート138円-借入時レート130円)×100万ドル=8百万円の差損。円安の進行により返済負担が増加した。なお利息3万ドルは支払時レートで換算され支払利息となる。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】利息3万ドル分の換算差((138-130)×3万=0.24百万円)まで元本の為替差損に含めた誤り。
関連過去問:R6,問25/H29,問24
