問1:輸出企業である当社は、3か月後に100万ドルの輸出代金を受け取る予定であり、為替リスクをヘッジするため、1ドル=140円で100万ドルを売る為替予約を締結した。3か月後の直物為替レートが1ドル=135円となった場合、当社が受け取る円貨額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:135百万円
- B:137.5百万円
- C:140百万円
- D:145百万円
【第1問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】為替予約を行わなかった場合に直物レートで交換したときの金額である。予約を締結している以上、決済は予約レートによる。
・B
【選択肢解説】予約レートと直物レートの平均で計算しており、根拠のない金額である。
・C
【論点】為替予約によるヘッジの効果。決済時の直物レートは受取額に影響しない紛れの資料である。【考え方】為替予約を締結すると、決済時の直物レートにかかわらず予約レートで交換される。受取額=100万ドル×140円=140百万円。円高(135円)が進んでも受取額は減少せず、為替リスクが回避されている(一方で円安時の追加利益も放棄している)。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】直物レートが145円と円安になった場合の無ヘッジでの金額であり、本問の条件とは異なる。
関連過去問:R4,問23/H29,問23
問2:ある投資家は、行使価格1,000円の株式コール・オプションをプレミアム50円で購入した。満期時の株価が1,030円となった場合の、この投資家の1株当たり損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:50円の損失
- B:20円の損失
- C:30円の利益
- D:50円の利益
【第2問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】権利行使価値(1,030-1,000=30円)がプラスであるにもかかわらず権利を放棄したと誤解した場合の損失である。行使価値が正なら行使する方が損失を小さくできる。
・B
【論点】コール・オプションの買い手の満期損益の計算。【考え方】満期時の株価1,030円>行使価格1,000円であるため権利を行使する。行使による利益=1,030-1,000=30円。支払ったプレミアム50円を控除すると、損益=30-50=△20円(20円の損失)。権利行使してもプレミアムを回収しきれないケースである。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】プレミアム50円の支払いを考慮していない誤り(行使価値30円のみ)。
・D
【選択肢解説】プレミアム相当額の利益とする根拠はない。オプションの買い手の損益は行使価値からプレミアムを控除して計算する。
関連過去問:R3,問24/H30,問23
問3:ある投資家は、行使価格800円の株式プット・オプションをプレミアム40円で「売却」した。満期時の株価が700円となった場合の、この投資家(売り手)の1株当たり損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:100円の損失
- B:60円の損失
- C:40円の利益
- D:60円の利益
【第3問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】受け取ったプレミアム40円を考慮せず、権利行使による支払(800-700=100円)のみを損失とした誤り。
・B
【論点】プット・オプションの売り手の満期損益の計算。【考え方】満期株価700円<行使価格800円であるため、買い手は権利を行使する。売り手は800円で株式を買い取る義務を負い、行使による損失=800-700=100円。受取プレミアム40円を加味すると、損益=40-100=△60円(60円の損失)。売り手の利益は受取プレミアムに限定される一方、損失は大きくなりうる。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】株価が下落しているため買い手は権利を行使する。「行使されずプレミアムがそのまま利益になる」のは満期株価が行使価格以上の場合である。
・D
【選択肢解説】60円の利益は買い手側の損益(100-40)であり、売り手の損益はその逆(60円の損失)となる。
関連過去問:R5,問25/R1,問24
問4:当社は保有する株式ポートフォリオの価格下落リスクをヘッジするため、株価指数先物を20,000円で1単位売り建てた(取引単位は指数の1,000倍)。その後、株価指数が下落し、18,500円で反対売買(買戻し)により決済した。この先物取引による損益として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:1,500,000円の損失
- B:1,500円の利益
- C:1,500,000円の利益
- D:20,000,000円の利益
【第4問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】売建てと買戻しの損益の方向を取り違えた誤り。高く売って安く買い戻しているため利益となる。
・B
【選択肢解説】取引単位(1,000倍)を乗じ忘れた誤り(20,000-18,500=1,500円)。
・C
【論点】株価指数先物の売りヘッジの損益計算。【考え方】売建価格20,000円で売り、18,500円で買い戻したため、差益=(20,000-18,500)×1,000倍=1,500,000円の利益。保有株式の値下がり損失をこの先物利益で相殺するのが売りヘッジの仕組みである。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】売建て時の取引金額(20,000×1,000)であり、損益ではない。
関連過去問:R2,問25/H28,問24
問5:当社は変動金利(TIBOR+1.0%)で銀行から借入れを行っている。金利上昇リスクをヘッジするため、「固定金利2.0%を支払い、TIBOR(変動金利)を受け取る」金利スワップ契約を締結した。このスワップ締結後の当社の実質的な支払金利として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:2.0%
- B:3.0%
- C:4.0%
- D:TIBOR+1.0%
【第5問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】2.0%はスワップで支払う固定金利のみであり、借入金利のスプレッド(+1.0%)が考慮されていない。
・B
【論点】金利スワップによる変動金利借入の固定化。【考え方】支払=借入利息(TIBOR+1.0%)+スワップ固定支払2.0%、受取=スワップでTIBOR。ネットの支払=TIBOR+1.0%+2.0%-TIBOR=3.0%。変動部分(TIBOR)が相殺され、支払金利が3.0%に固定される。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】受け取るTIBORとの相殺を考慮していない金額である(TIBORを1.0%と仮定して二重に負担させた計算等)。
・D
【選択肢解説】TIBOR+1.0%はスワップ締結前の借入条件のままであり、スワップの効果が反映されていない。
関連過去問:R6,問24/H30,問24
