問16:手形取引の会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:約束手形を振り出した場合、受取手形勘定の借方に記入する。
- B:手形の割引時に差し引かれる割引料は、支払利息勘定で処理する。
- C:保有する手形を仕入代金の支払いのために裏書譲渡した場合、受取手形勘定の貸方に記入する。
- D:割り引いた手形が不渡りとなり、手形金額を銀行に支払った場合、その支払額は支払手数料として費用処理する。
【第16問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】約束手形の振出人は手形代金の支払義務を負うため、支払手形勘定の貸方に記入する。受取手形勘定を用いるのは手形を受け取った側である。
・B
【選択肢解説】手形割引時の割引料は、金融商品会計基準上、手形という金銭債権の売却に伴う損失として手形売却損勘定で処理する。
・C
【論点】手形の裏書譲渡・割引・不渡りの会計処理。【考え方】手形を裏書譲渡した場合、手形債権が譲受人に移転するため、受取手形勘定の貸方に記入して債権の減少を記録する。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】割引手形の不渡りにより遡求義務を履行した場合、手形の振出人等に対する償還請求権が生じるため、不渡手形勘定(債権)で処理する。費用処理は行わない。
関連過去問:R5,問2/H28,問1
問17:帳簿組織に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:主要簿とは、仕訳帳と総勘定元帳のことをいう。
- B:現金出納帳は、主要簿の一つである。
- C:総勘定元帳は、補助簿の一つである。
- D:売掛金元帳(得意先元帳)は、補助記入帳に分類される。
【第17問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】主要簿と補助簿(補助記入帳・補助元帳)の分類。【考え方】主要簿は複式簿記の仕組み上不可欠な帳簿であり、すべての取引を発生順に記録する仕訳帳と、勘定科目別に集計する総勘定元帳の2つである。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】現金出納帳は特定の取引の明細を発生順に記録する補助記入帳であり、主要簿ではない。
・C
【選択肢解説】総勘定元帳は仕訳帳とともに主要簿である。
・D
【選択肢解説】売掛金元帳(得意先元帳)は、売掛金の明細を得意先別の口座で管理する補助元帳であり、補助記入帳ではない。
関連過去問:H30,問1/H26,問1
問18:企業会計における収益・費用の認識に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:企業会計では、現金の収入・支出の時点で収益・費用を認識する現金主義が原則とされる。
- B:減価償却費は、固定資産の取得のための支出があった期に全額を費用として認識する。
- C:前受収益は、当期の収益として損益計算書に計上する。
- D:費用は発生主義により認識し、収益は実現主義(実現した時点での認識)によることが原則である。
【第18問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】現金主義では信用取引や費用配分を適切に反映できないため、企業会計では発生主義会計が採用される。
・B
【選択肢解説】固定資産の取得支出は、減価償却の手続によって耐用年数にわたり各期に費用配分される。支出時に全額費用とはしない。
・C
【選択肢解説】前受収益はまだ役務を提供していない対価であり、当期の収益から除いて負債として繰り延べる。
・D
【論点】発生主義会計における収益・費用の認識原則。【考え方】費用は経済価値の費消という事実の発生に基づいて認識し(発生主義)、収益は財・サービスの提供と対価の成立という実現の事実に基づいて認識する(実現主義)のが伝統的な原則である。収益認識に関する会計基準もこの考え方を精緻化したものといえる。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R2,問3/H27,問3
問19:金融商品に関する会計基準における債権の区分と貸倒見積高の算定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:破産更生債権等の貸倒見積高は、キャッシュ・フロー見積法によって算定しなければならない。
- B:貸倒懸念債権の貸倒見積高は、貸倒実績率法によって算定する。
- C:一般債権の貸倒見積高は、貸倒実績率法により算定する。
- D:経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権は、貸倒懸念債権に区分される。
【第19問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】破産更生債権等は、債権額から担保の処分見込額および保証による回収見込額を減額した残額を貸倒見積高とする財務内容評価法による。
・B
【選択肢解説】貸倒懸念債権は財務内容評価法またはキャッシュ・フロー見積法により算定する。貸倒実績率法は一般債権に適用される方法である。
・C
【論点】債権の3区分(一般債権・貸倒懸念債権・破産更生債権等)と貸倒見積高の算定方法の対応関係。【考え方】経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する一般債権については、債権全体または同種・同類の債権ごとに、過去の貸倒実績率等の合理的な基準により貸倒見積高を算定する。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】経営状態に重大な問題が生じていない債務者に対する債権は一般債権である。貸倒懸念債権は、経営破綻には至っていないが債務の弁済に重大な問題が生じているか、その可能性が高い債務者に対する債権をいう。
関連過去問:R4,問4/R1,問7
問20:決算手続に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:決算手続は、試算表の作成、決算整理、帳簿の締切り、財務諸表の作成という流れで行われる。
- B:帳簿の締切りを行った後に、決算整理仕訳を行う。
- C:損益勘定で算定された当期純利益は、資本金勘定に振り替えられる。
- D:収益および費用の各勘定残高は、繰越試算表に記載される。
【第20問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】決算手続(簿記一巡)の流れ。【考え方】期中取引の記録後、決算においては、まず決算整理前試算表で記録の正確性を確認し、決算整理仕訳を行い、収益・費用を損益勘定に振り替えて帳簿を締め切り、財務諸表を作成するという流れをとる。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】順序が逆である。決算整理仕訳を行った後に、収益・費用勘定の損益勘定への振替えなどを経て帳簿を締め切る。
・C
【選択肢解説】株式会社では、損益勘定で算定された当期純利益は繰越利益剰余金勘定に振り替えられる。資本金勘定には振り替えない。
・D
【選択肢解説】繰越試算表に記載されるのは、次期に繰り越される資産・負債・純資産の各勘定残高である。収益・費用は損益勘定への振替えにより残高がゼロとなる。
関連過去問:H29,問1/H26,問2
