問11:CVP分析の前提条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:固定費は、操業度に比例して増減すると仮定される。
- B:生産量と販売量は一致しない(在庫が変動する)ことが前提とされる。
- C:複数製品を扱う場合、セールスミックスは分析期間中に大きく変動することが前提とされる。
- D:販売価格、単位当たり変動費および固定費総額は、関連範囲内で一定と仮定される。
【第11問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】固定費は操業度の増減にかかわらず総額が一定と仮定される。操業度に比例するのは変動費である。
・B
【選択肢解説】CVP分析では通常、生産量と販売量が一致する(在庫の増減がない)ことが前提とされる。
・C
【選択肢解説】複数製品のCVP分析では、セールスミックスが一定であることが前提とされる。
・D
【論点】CVP分析の基本前提。【考え方】CVP分析は、関連範囲内において、販売価格・単位当たり変動費・固定費総額が一定であり、原価が変動費と固定費に分解でき、生産量と販売量が等しいことなどを前提として成立する。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R1,問12/H29,問11
問12:経営レバレッジ(オペレーティング・レバレッジ)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:総費用に占める固定費の割合が高い企業ほど、経営レバレッジ係数は大きくなる傾向がある。
- B:経営レバレッジ係数は、安全余裕率と等しい。
- C:経営レバレッジ係数が大きい企業ほど、売上高の変動に対する営業利益の変動は小さい。
- D:費用のすべてが変動費である企業の経営レバレッジ係数はゼロである。
【第12問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】経営レバレッジ係数と費用構造(固定費の割合)の関係。【考え方】経営レバレッジ係数=限界利益÷営業利益であり、固定費の割合が高いほど限界利益と営業利益の差(=固定費)が大きくなるため係数は大きくなる。固定費型の企業ほど売上変動が営業利益に増幅されて表れる。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】経営レバレッジ係数は安全余裕率の「逆数」である(DOL=1÷安全余裕率)。等しいのではない。
・C
【選択肢解説】記述が逆である。係数が大きいほど、売上高の変動率に対する営業利益の変動率は大きくなる。
・D
【選択肢解説】固定費がゼロの場合、限界利益=営業利益となるため経営レバレッジ係数は1である。ゼロにはならない。
関連過去問:R2,問12/H28,問11
問13:意思決定会計における原価概念に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:埋没原価は、意思決定に際して必ず考慮しなければならない原価である。
- B:過去に支出した研究開発費は、将来の投資継続の意思決定における関連原価である。
- C:機会原価とは、ある代替案を選択した結果として断念される、他の代替案から得られたはずの利益のうち最大のものをいう。
- D:機会原価は、実際の支出を伴うため帳簿に記録される。
【第13問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】埋没原価はどの代替案を選択しても変化しない過去の原価であり、意思決定において考慮すべきでない無関連原価である。
・B
【選択肢解説】過去に支出した研究開発費は回収不能な埋没原価であり、将来の意思決定には無関連である。
・C
【論点】意思決定会計における機会原価と埋没原価の概念。【考え方】機会原価は、ある代替案の選択によって犠牲となる他の最善の代替案の利益であり、実際の支出を伴わないが意思決定上は原価として考慮すべき関連原価である。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】機会原価は現実の支出を伴わない計算上の概念であり、帳簿には記録されない。
関連過去問:R4,問13/H27,問13
問14:原価の固変分解の方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:勘定科目法(費目別精査法)とは、過去の実績データに回帰分析を適用して分解する方法である。
- B:高低点法とは、正常な操業圏内における最高操業度と最低操業度の実績値から変動費率と固定費を推定する方法である。
- C:最小自乗法(回帰分析法)とは、分析者の主観的判断のみに基づいて費目を分類する方法である。
- D:スキャッター・チャート法(散布図表法)では、数学的に一意の分解結果が得られる。
【第14問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】勘定科目法は、勘定科目ごとにその性質を精査して変動費・固定費に分類する方法であり、回帰分析を用いる方法ではない。
・B
【論点】固変分解の代表的手法(勘定科目法・高低点法・スキャッター・チャート法・最小自乗法)の特徴。【考え方】高低点法は、正常操業圏内の最高・最低の2点の操業度と原価の実績から、変動費率=(最高点原価-最低点原価)÷(最高操業度-最低操業度)として推定する簡便な方法である。2点のみを用いるため代表性に欠けるという短所がある。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】最小自乗法は過去の実績データに統計的手法(回帰分析)を適用する客観的な方法であり、主観的判断のみによるものではない。
・D
【選択肢解説】スキャッター・チャート法は散布図に目分量で直線を当てはめる方法であり、分析者により結果が異なりうる。数学的に一意なのは最小自乗法である。
関連過去問:R5,問12/H30,問10
問15:限界利益(貢献利益)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:限界利益とは、売上高から固定費を控除した金額をいう。
- B:限界利益がプラスであれば、営業利益も必ずプラスとなる。
- C:限界利益は、固定費を回収し、利益を獲得することに貢献する利益概念である。
- D:限界利益率が高いほど、損益分岐点売上高は高くなる。
【第15問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】限界利益は売上高から「変動費」を控除した金額である。
・B
【選択肢解説】限界利益がプラスでも、固定費を回収しきれなければ営業利益はマイナスとなる。
・C
【論点】限界利益(貢献利益)の意義。【考え方】限界利益=売上高-変動費であり、この利益がまず固定費の回収に充てられ、固定費を超えた部分が営業利益となる。限界利益がプラスである限り、販売の増加は固定費回収と利益獲得に貢献する。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率であるから、限界利益率が高いほど損益分岐点売上高は低くなる。
関連過去問:R3,問12/H28,問12
