問6:当社の生産能力には十分な余裕がある。当社の製品の通常の販売価格は1個当たり500円、単位当たり変動製造原価は300円、単位当たり固定製造原価(配賦額)は100円、単位当たり変動販売費は20円である。このたび、新規の顧客から1個当たり350円で1,000個購入したいとの特別注文があった。この特別注文では変動販売費は発生しない。特別注文を受諾した場合の営業利益への影響(差額利益)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、特別注文の受諾は既存の販売に影響を与えない。
- A:70,000円の減少
- B:50,000円の減少
- C:30,000円の増加
- D:50,000円の増加
【第6問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】固定製造原価の配賦額と変動販売費まで含めた総原価420円と比較した誤り((350-420)×1,000=△70,000円)。
・B
【選択肢解説】固定製造原価の配賦額100円を関連原価に含めた誤り((350-400)×1,000=△50,000円)。遊休能力がある場合、固定費は特別注文の受諾によって増加しない埋没的な原価である。
・C
【選択肢解説】発生しないはずの変動販売費20円を差し引いた誤り((350-320)×1,000=30,000円)。
・D
【論点】遊休生産能力がある場合の特別注文の受諾可否(差額原価収益分析)。固定製造原価の配賦額と変動販売費は本注文では関連原価とならない紛れの資料である。【考え方】差額収益=350×1,000=350,000円。差額原価=変動製造原価300×1,000=300,000円。差額利益=(350-300)×1,000=50,000円の増加。通常価格500円を下回っていても受諾が有利である。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R3,問13/H29,問13
問7:当社は製品の生産に必要な部品(年間必要量1,000個)を自製しているが、外部から1個当たり450円で購入する提案を受けている。自製した場合の1個当たり原価は以下のとおりである。自製を中止した場合、固定製造間接費のうち回避できるのは年間30,000円(1個当たり30円相当)のみである。この意思決定に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】(自製の場合の1個当たり原価)
・直接材料費 200円
・直接労務費 150円
・変動製造間接費 50円
・固定製造間接費(配賦額) 100円
- A:自製が有利であり、購入した場合よりも年間20,000円原価が低い。
- B:自製が有利であり、購入した場合よりも年間50,000円原価が低い。
- C:購入が有利であり、自製した場合よりも年間20,000円原価が低い。
- D:購入が有利であり、自製した場合よりも年間50,000円原価が低い。
【第7問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】自製か購入かの意思決定(回避可能原価と埋没原価の識別)。固定製造間接費の配賦額100円のうち、回避可能な30円のみが関連原価であり、残り70円は自製を中止しても発生し続ける埋没的な原価である。【考え方】自製の関連原価=変動費(200+150+50)+回避可能固定費30=430円/個。購入価格450円/個。自製の方が1個当たり20円、年間20,000円有利。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】回避可能固定費30円を考慮せず、変動費400円と購入価格450円を比較した金額(差額50円×1,000個)である。方向(自製有利)は正しいが金額が誤り。
・C
【選択肢解説】有利・不利の方向が逆である。関連原価で比較すると自製430円<購入450円であり、自製が有利である。
・D
【選択肢解説】固定製造間接費の全額100円を回避可能とみなして総原価500円と購入450円を比較した誤り(購入有利・差額50,000円)。回避できない固定費70円/個は意思決定に無関連である。
関連過去問:R5,問13/H28,問13
問8:当社は中間製品を1個800円でそのまま外部に販売できるが、追加加工を行い1個1,000円で販売することもできる。追加加工には1個当たり150円の追加加工費(変動費)が発生するほか、既存の加工設備の減価償却費が1個当たり50円配賦される。分離点までの製造原価は1個当たり400円である。年間1,000個を前提とした場合の意思決定として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、加工設備の減価償却費の総額は追加加工の実施の有無にかかわらず変化しない。
- A:追加加工により年間50,000円の差額利益が生じるため、追加加工して販売すべきである。
- B:追加加工による差額利益はゼロであり、どちらを選択しても利益は変わらない。
- C:追加加工により年間350,000円の差額損失が生じるため、そのまま販売すべきである。
- D:追加加工により年間200,000円の差額利益が生じるため、追加加工して販売すべきである。
【第8問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】追加加工の意思決定(差額原価収益分析)。既存設備の減価償却費(配賦額)と分離点までの製造原価は、意思決定に無関連な埋没原価であり紛れの資料である。【考え方】1個当たりの差額収益=1,000-800=200円。差額原価=追加加工費(変動費)150円。差額利益=(200-150)×1,000個=50,000円。よって追加加工が有利である。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】発生額が変化しない減価償却費50円を差額原価に含めた誤り(200-150-50=0円)。
・C
【選択肢解説】埋没原価である分離点までの製造原価400円まで差し引いた誤り((200-150-400)×1,000=△350,000円)。
・D
【選択肢解説】追加加工費150円を考慮せず、差額収益のみで判断した誤り(200×1,000=200,000円)。
関連過去問:R2,問13/H27,問12
問9:当社の現在の売上高は8,000千円、変動費率は60%、固定費は2,400千円である。固定費を400千円削減した場合の損益分岐点比率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、売上高と変動費率は変化しない。
- A:25.0%
- B:37.5%
- C:62.5%
- D:75.0%
【第9問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】25.0%は固定費削減「前」の安全余裕率(100%-75%)である。
・B
【選択肢解説】37.5%は固定費削減「後」の安全余裕率(100%-62.5%)であり、損益分岐点比率ではない。
・C
【論点】固定費削減による損益分岐点比率の改善効果の計算。損益分岐点比率と安全余裕率の混同に注意する。【考え方】削減後の固定費=2,400-400=2,000千円。限界利益率=1-0.6=0.4。損益分岐点売上高=2,000÷0.4=5,000千円。損益分岐点比率=5,000÷8,000=62.5%。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】75.0%は固定費削減「前」の損益分岐点比率(2,400÷0.4÷8,000=6,000÷8,000)である。
関連過去問:R6,問10/R1,問11
問10:当社は製品Aと製品Bの2種類の製品を販売しており、売上高構成比(A:B=60%:40%)は一定に保たれるものとする。以下の資料に基づき、会社全体の損益分岐点売上高として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・製品Aの限界利益率 50%
・製品Bの限界利益率 30%
・共通固定費 2,100千円
- A:4,200千円
- B:5,000千円
- C:5,250千円
- D:7,000千円
【第10問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】製品Aの限界利益率50%のみで計算した誤り(2,100÷0.5=4,200千円)。
・B
【論点】複数製品のCVP分析(セールスミックス一定の仮定のもとでの加重平均限界利益率)。【考え方】加重平均限界利益率=0.6×50%+0.4×30%=30%+12%=42%。損益分岐点売上高=2,100÷0.42=5,000千円。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】売上高構成比を用いず、2製品の限界利益率を単純平均した誤り((50%+30%)÷2=40%、2,100÷0.4=5,250千円)。
・D
【選択肢解説】製品Bの限界利益率30%のみで計算した誤り(2,100÷0.3=7,000千円)。
関連過去問:R3,問12/H30,問12
