問6:当社は株主割当増資を行うことを決定した。以下の資料に基づき、理論上の権利落ち後の株価として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・権利付き株価(現在の株価) 1,200円
・割当比率 旧株1株につき新株0.2株
・新株の払込価額 1株につき600円
- A:900円
- B:1,100円
- C:1,200円
- D:1,320円
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】権利付き株価と払込価額を単純平均した誤り((1,200+600)÷2=900円)。割当比率による加重が必要である。
・B
【論点】株主割当増資における理論上の権利落ち株価の計算。【考え方】旧株1株と新株0.2株の価値の合計を1.2株で割る。権利落ち株価=(1,200+0.2×600)÷(1+0.2)=(1,200+120)÷1.2=1,100円。時価より低い価額での発行により、1株当たりの価値が希薄化する。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】権利落ちによる希薄化を考慮していない。時価1,200円を下回る600円での新株発行により、理論上株価は低下する。
・D
【選択肢解説】旧株1株の価値に新株払込分(0.2株×600円=120円)を加算しただけで、株式数の増加(1.2株)で除していない誤り。
関連過去問:R4,問14/H27,問16
問7:当社は額面100,000円、クーポン利子率年3%(年1回後払い)、償還期間3年の社債を発行する。市場の要求利回り(複利最終利回り)が年5%であるとき、この社債の理論上の発行価額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、利子率5%の場合の現価係数は1年0.9524、2年0.9070、3年0.8638であり、3年の年金現価係数は2.7232である。
- A:86,380円
- B:94,550円
- C:100,000円
- D:108,170円
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】クーポン利息の現在価値を含めず、額面の現在価値のみとした誤り(100,000×0.8638=86,380円)。
・B
【論点】債券価格(発行価額)の理論値の計算(クーポンと償還額の現在価値の合計)。【考え方】毎年のクーポン=100,000×3%=3,000円。発行価額=3,000×年金現価係数2.7232+100,000×3年現価係数0.8638=8,170+86,380=94,550円。クーポン利子率(3%)が市場利回り(5%)を下回るため、額面を下回る価格(アンダーパー)となる。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】額面どおり(パー発行)とした誤り。額面発行となるのはクーポン利子率と市場利回りが等しい場合である。
・D
【選択肢解説】クーポンの現在価値に額面を割り引かずに加算した誤り(8,170+100,000=108,170円)。
関連過去問:R5,問15/H30,問15
問8:当社の発行する転換社債型新株予約権付社債の転換価格は500円である。現在の株価が560円であるとき、この転換社債の額面100円当たりの転換価値(パリティ)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:60.0円
- B:89.3円
- C:100.0円
- D:112.0円
【第8問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】株価と転換価格の差額(560-500=60円)であり、パリティの定義ではない。
・B
【選択肢解説】株価と転換価格の比率を逆にした誤り(500÷560×100≒89.3円)。
・C
【選択肢解説】100円は額面そのものである。株価が転換価格を上回っているため、転換価値は額面を上回る。
・D
【論点】転換社債のパリティ(転換価値)の計算。【考え方】パリティ=株価÷転換価格×100=560÷500×100=112.0円。額面100円の社債を転換すると0.2株(100÷500)を取得でき、その時価は0.2×560=112円となることを意味する。パリティが社債の市場価格を上回れば転換が有利となりうる。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R3,問14/H29,問16
問9:MM理論(法人税が存在しない場合)を前提とする。無負債の場合の株主資本コスト(事業リスクのみを反映した資本コスト)が10%、負債の利子率が4%の企業が、負債・自己資本比率(D/E比率)0.5となるように負債を導入した場合の株主資本コストとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:10%
- B:12%
- C:13%
- D:16%
【第9問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】負債導入後も株主資本コストが不変とした誤り。財務リスクの増加により株主の要求収益率は上昇する(不変なのはWACCである)。
・B
【選択肢解説】(10%-4%)×0.5の加算を利子率4%に対して行うなど、公式の適用を誤った金額である。
・C
【論点】MM理論の第2命題(株主資本コストは負債比率の増加関数)。【考え方】株主資本コスト=無負債時の資本コスト+(無負債時の資本コスト-負債利子率)×D/E=10%+(10%-4%)×0.5=13%。なお、このときWACC=(1/3)×4%+(2/3)×13%=10%であり、無負債時と変わらないことが確認できる。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】D/E比率を1として計算した誤り(10%+6%×1=16%)。
関連過去問:R6,問15/H28,問17
問10:以下の資料に基づき、当社の税引後の負債資本コスト(加重平均)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・借入金 2,000千円(利子率5%)
・社債 3,000千円(利子率4%)
・法人税等の実効税率 40%
- A:2.64%
- B:2.70%
- C:4.40%
- D:4.50%
【第10問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】複数の負債の加重平均による税引後負債コストの計算。【考え方】税引前の加重平均負債コスト=(2,000×5%+3,000×4%)÷5,000=(100+120)÷5,000=4.4%。税引後負債コスト=4.4%×(1-0.4)=2.64%。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】利子率を単純平均した誤り((5%+4%)÷2×0.6=2.7%)。調達額によるウェイト付けが必要である。
・C
【選択肢解説】4.4%は税引前の加重平均負債コストであり、節税効果が反映されていない。
・D
【選択肢解説】単純平均かつ税引前の利子率(4.5%)である。
関連過去問:R1,問16/H30,問16
