問16:会計上の変更および誤謬の訂正に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:会計方針の変更は、原則として新たな会計方針を過去の期間に遡及適用する。
- B:会計上の見積りの変更は、過去の財務諸表に遡及して反映する。
- C:過去の誤謬が発見された場合は、当期の特別損失として処理する。
- D:減価償却方法の変更は、誤謬の訂正として取り扱われる。
【第16問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】会計上の変更(会計方針の変更・見積りの変更・表示方法の変更)と誤謬の訂正の取扱い。【考え方】会計方針の変更を行った場合は、原則として新たな会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用し、財務諸表の期間比較可能性を確保する。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】会計上の見積りの変更は遡及適用せず、当期または当期以後の期間に将来に向かって(プロスペクティブに)反映する。
・C
【選択肢解説】過去の誤謬は修正再表示(過去の財務諸表の訂正)により処理するのが原則であり、当期の特別損失として処理するのではない。
・D
【選択肢解説】減価償却方法の変更は、会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合として、見積りの変更と同様に将来に向かって処理される。誤謬の訂正ではない。
関連過去問:R5,問8/R2,問8
問17:リース取引の会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:オペレーティング・リース取引についても、リース資産およびリース債務の計上が必要である。
- B:所有権移転外ファイナンス・リース取引のリース資産は、リース期間と経済的耐用年数のいずれか長い方の期間で減価償却を行う。
- C:ファイナンス・リース取引のフルペイアウトとは、借手がいつでも契約を解約できることを意味する。
- D:ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。
【第17問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】オペレーティング・リース取引は通常の賃貸借取引に係る方法に準じて処理され、支払リース料を費用計上する。資産・負債の計上は行わない。
・B
【選択肢解説】所有権移転外ファイナンス・リースのリース資産は、原則としてリース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとして減価償却する。「長い方」ではない。
・C
【選択肢解説】フルペイアウトとは、借手がリース物件の経済的利益を実質的に享受し、使用に伴うコストを実質的に負担することをいう。解約可能性の意味ではない(ファイナンス・リースはむしろ解約不能が要件)。
・D
【論点】ファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引の会計処理の相違。【考え方】ファイナンス・リース取引(解約不能・フルペイアウト)は、その経済的実態が売買と同様であるため、通常の売買取引に係る方法に準じ、リース資産とリース債務を計上する。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R3,問7/H30,問7
問18:退職給付会計に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:退職給付債務の計算においては、割引計算は行わない。
- B:勤務費用は、損益計算書の営業外費用に計上する。
- C:年金資産は、期末における時価(公正な評価額)により評価する。
- D:数理計算上の差異は、発生した期に全額を費用として処理しなければならない。
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】退職給付債務は、退職により見込まれる退職給付の総額のうち期末までに発生していると認められる額を、割引率を用いて現在価値に割り引いて計算する。
・B
【選択肢解説】勤務費用を含む退職給付費用は、原則として売上原価または販売費及び一般管理費に計上される。営業外費用ではない。
・C
【論点】退職給付会計における年金資産の評価。【考え方】企業年金制度に基づき退職給付に充てるため外部に積み立てられている年金資産は、期末における時価(公正な評価額)により計算し、退職給付債務から控除して退職給付引当金(退職給付に係る負債)を算定する。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】数理計算上の差異は、原則として平均残存勤務期間以内の一定の年数で規則的に処理(遅延認識)することが認められており、発生時の全額費用処理が強制されるわけではない。
関連過去問:R6,問7/H29,問8
問19:資産除去債務に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:資産除去債務は、割引前の将来支出見積額をもって貸借対照表に計上する。
- B:時の経過による資産除去債務の調整額(利息費用)は、発生時の費用として処理する。
- C:資産除去債務に対応する除去費用は、債務計上時に全額を費用として処理する。
- D:法令または契約に基づく除去義務がなくても、企業が自発的に除去する方針であれば資産除去債務を計上する。
【第19問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】資産除去債務は、割引後の金額(将来支出見積額の現在価値)で計上する。
・B
【論点】資産除去債務の事後測定(時の経過による調整)。【考え方】割引計算により計上された資産除去債務は、時の経過に伴い増加する。この調整額(利息費用)は、期首の債務残高に割引率を乗じて計算し、発生時の費用(減価償却費と同じ区分)として処理する。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】除去費用は債務計上時に関連する有形固定資産の帳簿価額に加算し、減価償却を通じて耐用年数にわたり各期に費用配分する。一括費用処理ではない。
・D
【選択肢解説】資産除去債務の対象は、法令または契約で要求される法律上の義務およびそれに準ずるものに限られる。自発的な除去方針は計上対象ではない。
関連過去問:R2,問7/H30,問6
問20:外貨建取引等の会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:外貨建取引は、原則として取引発生時の為替相場による円換算額をもって記録する。
- B:外貨建ての前払金は、決算時の為替相場により換算替えを行う。
- C:決算時の換算替えにより生じた為替差損益は、営業損益に計上する。
- D:外貨建ての満期保有目的債券は、取得時の為替相場による円換算額のまま据え置く。
【第20問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】外貨建取引の換算(取引時・決算時)の原則。【考え方】外貨建取引は、原則として当該取引発生時の為替相場(HR)による円換算額をもって記録する。その後、決算時に外貨建金銭債権債務等の貨幣性項目を決算時レート(CR)で換算替えする。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】前払金・前受金は非貨幣性項目であり、決算時の換算替えは行わず、取引発生時(授受時)の為替相場による円換算額のまま据え置く。
・C
【選択肢解説】決算時の換算替えや決済により生じた為替差損益は、原則として営業外損益(為替差損益)に計上する。
・D
【選択肢解説】外貨建ての満期保有目的債券は貨幣性の資産であり、決算時の為替相場により換算し、換算差額は原則として為替差損益として処理する。
関連過去問:R5,問7/H27,問7
