財務・会計 ⑧応用編_投資評価_6問〜10問

問6:回収期間法において、回収期間が短いプロジェクトが必ずしも推奨されないケースはどれか。

  • A:期間終了後に莫大なキャッシュフローが発生する可能性がある場合
  • B:初期投資が小さい場合
  • C:利益が出るのが早い場合
  • D:銀行からの借入が少ない場合
  • E:税率が低い場合
【第6問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:回収期間法は回収期間以降の収益を一切評価対象としないため回収後に莫大な収益が見込めるプロジェクトを見逃すリスクがあり回収期間の短さだけで優劣を判断することが不適切になるケースとして適切。
・B:初期投資の大小は回収期間が短い案件を推奨しないケースの説明としては不十分であるため不適切。
・C:利益が早く出ることは回収期間法でも通常プラスに評価されるため不適切。
・D:借入の多寡は回収期間法の評価結果と直接関係しないため不適切。
・E:税率の低さはCFをプラスにする要因であり回収期間が短い案件を推奨しないケースの説明ではないため不適切。


問7:投資評価における「インフレーション」の影響を割引率に反映させる方法として正しいものはどれか。

  • A:名目キャッシュフローに対して実質割引率を使用する
  • B:実質キャッシュフローに対して名目割引率を使用する
  • C:名目キャッシュフローに対して名目割引率を使用する
  • D:インフレ率を無視して名目値で計算する
  • E:すべてをゼロにする
【第7問:正解と解説】

正解:Option_C
【解説】
・A:名目CFに実質割引率を使うとインフレ要素の二重計算や不整合が生じるため不適切。
・B:実質CFに名目割引率を使うとインフレ要素の二重計算や不整合が生じるため不適切。
・C:フィッシャー方程式に基づき名目CF(インフレを含む)には名目割引率を、実質CF(インフレを除去)には実質割引率を用いるという対応関係を保つことが理論的に正しい方法として適切。
・D:インフレを無視すると将来CFの実質価値が歪み正確な投資評価ができないため不適切。
・E:すべてをゼロにすることは評価として成立しないため不適切。


問8:設備投資の際に「運転資本(ワーキングキャピタル)」の増加を考慮する必要がある理由はどれか。

  • A:計算を複雑にするため
  • B:売上の増加に伴い、売掛金や在庫が増加し、現金の流出(拘束)が生じるから
  • C:在庫を減らすため
  • D:利益を増やすため
  • E:税金対策のため
【第8問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:計算の複雑化は運転資本を考慮する本質的な理由ではないため不適切。
・B:新規投資により売上が拡大すると例えば売掛金の回収前残高が増加したり販売に備えた在庫(棚卸資産)が積み増されたりすることで運転資本が増加し現金が拘束されるため初期投資時点の正味の現金流出に運転資本増加分を加算しなければ投資額を過小評価するリスクがあるため適切。
・C:在庫は通常増加するものであり減少のための考慮ではないため不適切。
・D:運転資本増加は現金流出を伴うため利益増加の要因にはならないため不適切。
・E:税金対策は運転資本考慮の目的ではないため不適切。


問9:設備投資後の「残存価額(売却価値)」をCFに含める意義はどれか。

  • A:利益を大きく見せるため
  • B:減価償却費を調整するため
  • C:プロジェクト終了時に資産を売却して現金が流入するため
  • D:税金計算のため
  • E:不要な設備を処分するため
【第9問:正解と解説】

正解:Option_C
【解説】
・A:残存価額の計上は利益を実態より大きく見せるためではなく正確なCFを算出するためであるため不適切。
・B:残存価額と減価償却費の調整は別の概念であるため不適切。
・C:プロジェクト最終年度における資産売却による現金流入はNPV算出に含めるべき重要なプラスCFであり無視すると投資価値を過小評価するため適切。
・D:税金計算は残存価額考慮の副次的な影響であり主要な意義ではないため不適切。
・E:設備の処分は目的の一つだが投資評価上の意義は正確な現金流入の反映にあるため不適切。


問10:「資本の配分制約(Capital Rationing)」下での投資選定において、NPV法と収益性指数(PI)の使い分けとして適切なものはどれか。

  • A:NPVのみを優先する
  • B:投資予算が限定されている場合、PIを用いて投資効率を優先する
  • C:予算は無視する
  • D:IRRのみを優先する
  • E:期間の短いものだけを選ぶ
【第10問:正解と解説】

正解:Option_B
【解説】
・A:NPVのみを優先すると限られた予算内での効率性が考慮されず最適な投資組み合わせを選べないため不適切。
・B:投資予算が限定されている資本配分制約下では絶対額(NPV)より効率性(PI)を重視し利用可能な資金で最大の企業価値を生み出す投資の組み合わせを選ぶことが合理的であるため適切。
・C:予算制約を無視することは現実の経営判断として不可能であるため不適切。
・D:IRRのみでは投資規模の違いが考慮されず最適な投資組み合わせを選べないため不適切。
・E:投資期間の短さのみで選択することはCFの総量・効率性が考慮されず不適切。


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