問6:資源の模倣困難性に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 経路依存性は、過去の歴史的な経緯の積み重ねによって形成された資源が模倣されにくくなる要因である。
b 因果関係の不明性(因果の曖昧性)は、競争優位の源泉が特定しにくいために模倣が難しくなる要因である。
c 社会的複雑性とは、資源が単純な設備投資のみで構成され、資金さえあれば短期間で容易に再現できる性質を指す。
d 人間関係や組織文化などの社会的に複雑な要素は、他社が容易には再現しにくく、模倣困難性を高める。
〔解答群〕
- A:ア a:誤 b:正 c:誤 d:誤
- B:イ a:正 b:誤 c:誤 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:誤 d:正
- D:エ a:正 b:正 c:正 d:正
- E:オ a:誤 b:正 c:正 d:正
【第6問:正解と解説】
正解:C
・A
【論点】
模倣困難性の3要因(経路依存性・因果の曖昧性・社会的複雑性)
【考え方】
社会的複雑性とは、人間関係・信頼・組織文化など社会的に入り組んだ要素からなり、他社が容易に再現できないために模倣を難しくする要因である。これを「単純な設備投資のみで、資金があれば短期間で容易に再現できる性質」とする記述は、模倣困難性を高める趣旨と正反対で誤り。経路依存性・因果の曖昧性とあわせて3要因を押さえる。
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はbの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:正 c:誤 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはcで、社会的複雑性は再現しにくさゆえに模倣を困難にする要因であり、容易に再現できる性質とする記述は正反対である。
・D
【選択肢解説】
本肢はcの正誤の判定を誤っている。cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R7,問3/H30,問3
問7:VRIOの組織要件に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 組織(O)の要件は、資源のもつ潜在的な価値を実際に引き出せるよう、企業が組織的に整えられているかを問う。
b 価値・希少性・模倣困難性を満たす資源でも、それを活かす組織が伴わなければ、優位を十分に実現できない。
c 組織の要件は、方針・手続き・組織構造・報酬制度など、資源の活用を支える仕組みに関わる。
d 組織(O)の要件は、価値・希少性・模倣困難性のいずれも満たさない資源であっても、組織さえ整っていれば持続的競争優位が保証されることを意味する。
〔解答群〕
- A:ア a:正 b:正 c:正 d:誤
- B:イ a:誤 b:正 c:誤 d:誤
- C:ウ a:誤 b:正 c:正 d:誤
- D:エ a:正 b:誤 c:正 d:正
- E:オ a:正 b:誤 c:誤 d:誤
【第7問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】
VRIOの組織(O)要件
【考え方】
組織(O)の要件は、価値・希少性・模倣困難性をもつ資源の潜在力を実際に引き出すための組織的な仕組みを問うものである。組織が整っていても、資源自体に価値・希少性・模倣困難性がなければ優位は生まれない。「これらを満たさない資源でも組織さえ整えば優位が保証される」とする記述は、組織要件の役割を誤っており不適切。
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:正 c:正 d:誤)を正しく判定しており、正解である。誤りはdで、組織要件は資源の潜在力を引き出す条件であり、価値等を満たさない資源でも組織で優位が保証されるとする記述は誤りである。
・B
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はaの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はb・dの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、dは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はb・cの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R7,問3/R5,問2
問8:見えざる資産に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 見えざる資産とは、技術・ノウハウ・ブランド・顧客情報・組織文化など、貸借対照表に表れにくい資産を指す。
b 見えざる資産は、資金を投じさえすれば短期間で容易に形成でき、他社も同様に素早く獲得できる。
c 見えざる資産は、経営資源の分類における情報的経営資源(第4の経営資源)と重なり合う面が大きい。
d 時間をかけて蓄積される見えざる資産は、他社が短期間で模倣しにくく、競争優位の源泉となりやすい。
〔解答群〕
- A:ア a:誤 b:誤 c:誤 d:正
- B:イ a:誤 b:正 c:正 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:誤 d:正
- D:エ a:正 b:誤 c:正 d:正
- E:オ a:正 b:誤 c:正 d:誤
【第8問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】
見えざる資産と情報的経営資源
【考え方】
見えざる資産(ブランド・ノウハウ・顧客情報など)は、時間をかけた蓄積によって形成されるものが多く、資金を投じても短期間で容易には作れない。それゆえ模倣されにくく競争優位の源泉になりやすい。「資金を投じれば短期間で容易に形成でき他社も素早く獲得できる」とする記述は、形成の時間性を無視しており誤り。
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はa・bの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、bは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はb・cの正誤の判定を誤っている。bは本来「誤」(誤り記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:誤 c:正 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはbで、見えざる資産は時間をかけて蓄積されるものであり、資金で短期間に容易に形成できるとする記述は誤りである。
・E
【選択肢解説】
本肢はdの正誤の判定を誤っている。dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R6,問2
問9:コア・コンピタンスに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a コア・コンピタンスとは、特定の一つの製品にのみ用いられ、他の事業や製品には展開できない、その製品専用の技術を指す。
b コア・コンピタンスとは、企業の競争力の中核となり、複数の事業や製品へ展開できる独自の組織能力を指す。
c コア・コンピタンスといえるための条件の一つに、顧客に価値をもたらすことが挙げられる。
d コア・コンピタンスといえるための条件の一つに、他社が容易に模倣できないことが挙げられる。
〔解答群〕
- A:ア a:正 b:正 c:誤 d:正
- B:イ a:誤 b:正 c:正 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:正 d:誤
- D:エ a:誤 b:誤 c:誤 d:正
- E:オ a:誤 b:誤 c:正 d:誤
【第9問:正解と解説】
正解:B
・A
【論点】
コア・コンピタンスの定義と3条件
【考え方】
コア・コンピタンスは、複数の事業・製品へ展開できる(多市場展開可能性をもつ)、企業の競争力の中核となる組織能力である。「特定の一つの製品にのみ用いられ、他へ展開できない専用技術」とする記述は、多市場へ展開できるという中心的性質と正反対で誤り。顧客価値・模倣困難性・多市場展開可能性の3条件が要点。
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:誤 b:正 c:正 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはaで、コア・コンピタンスは複数事業へ展開できる能力であり、一製品専用で展開できない技術とする記述は正反対である。
・C
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)、dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はb・cの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はb・dの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R5再,問3/R3,問4/R1,問4
問10:ダイナミック・ケイパビリティに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a ダイナミック・ケイパビリティとは、環境変化に対応するために、企業が保有する資源や能力を再構成していく能力を指す。
b 急速な技術変化や市場変化のもとでは、資源を「保有すること」だけでなく「再構成すること」の重要性が高まる。
c ダイナミック・ケイパビリティは、いったん構築した資源の組み合わせを一切変えずに維持し続ける能力を意味する。
d ティースは、ダイナミック・ケイパビリティを、機会の感知・機会の捕捉・資源の再構成といった能力に整理した。
〔解答群〕
- A:ア a:誤 b:正 c:誤 d:誤
- B:イ a:正 b:誤 c:誤 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:正 d:正
- D:エ a:誤 b:正 c:正 d:正
- E:オ a:正 b:正 c:誤 d:正
【第10問:正解と解説】
正解:E
・A
【論点】
ダイナミック・ケイパビリティ
【考え方】
ダイナミック・ケイパビリティの核心は、環境変化に応じて資源や能力を組み替え、再構成していく点にある。「資源の組み合わせを一切変えずに維持し続ける能力」とする記述は、再構成という本質と正反対で誤り。ティースの整理(感知・捕捉・再構成)とあわせて、保有から再構成へという着眼点を押さえる。
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はbの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はcの正誤の判定を誤っている。cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:正 c:誤 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはcで、ダイナミック・ケイパビリティは資源を再構成する能力であり、一切変えず維持し続ける能力とする記述は正反対である。
関連過去問:R7,問4

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