問1:イノベーションの分類に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 漸進的イノベーションは技術体系や市場構造そのものを一変させるため、既存企業よりも新規参入企業に有利に働くのが通常である。
b プロダクト・イノベーションは製品そのものの機能や性能を新しくするものであり、プロセス・イノベーションは生産方法や業務の進め方を新しくするものである。
c 漸進的イノベーションは既存の技術や製品を小刻みに改良するものであり、急進的イノベーションと比べて一般に企業の既存の能力を大きく破壊しにくい。
d プロセス・イノベーションはコスト低減や品質安定に寄与することがあるが、製品の付加価値向上にはいっさい関与しない。
〔解答群〕
- A:ア a:正 b:正 c:正 d:誤
- B:イ a:誤 b:誤 c:正 d:正
- C:ウ a:誤 b:正 c:正 d:誤
- D:エ a:正 b:正 c:正 d:正
- E:オ a:誤 b:誤 c:正 d:誤
【第1問:正解と解説】
正解:C
・A
【論点】
イノベーションの分類軸(対象と変化の大きさ)
【考え方】
イノベーションは「何を新しくするか(プロダクト/プロセス)」と「変化の大きさ(漸進的/急進的)」という別々の軸で整理できる。プロセス・イノベーションは生産工程の革新だが、それが製品品質を高めて付加価値に結び付くこともあり、付加価値と無関係ではない。また技術体系や市場を一変させるのは急進的(急進的=ラディカル)イノベーションであり、漸進的イノベーションではない。
【選択肢解説】
本肢はaの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はb・dの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、dは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:誤 b:正 c:正 d:誤)を正しく判定しており、正解である。誤りはa・dで、いずれも急進的/漸進的の性質やプロセス・イノベーションの意義を取り違えている点に注意する。
・D
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)、dは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はbの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R6,問9/H30,問9
問2:持続的イノベーションと破壊的イノベーションに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 持続的イノベーションは、既存顧客が重視する性能指標を高める方向の技術進歩であり、多くの場合は既存の優良企業が主導しやすい。
b 破壊的イノベーションは常に既存技術より高い性能を最初から実現しており、その性能の高さゆえに既存市場を急速に置き換える。
c 破壊的イノベーションによる製品は、登場した当初は主流市場の顧客が求める性能で既存製品に劣ることが多いが、別の価値基準では評価され得る。
d イノベーションのジレンマとは、優良企業が既存顧客の声を重視して合理的に経営した結果、かえって破壊的技術への対応に遅れる現象を指す。
〔解答群〕
- A:ア a:正 b:誤 c:正 d:正
- B:イ a:誤 b:誤 c:誤 d:正
- C:ウ a:誤 b:正 c:正 d:正
- D:エ a:正 b:正 c:誤 d:正
- E:オ a:正 b:誤 c:正 d:誤
【第2問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】
破壊的イノベーションとイノベーションのジレンマ
【考え方】
破壊的イノベーションの本質は「当初は主流市場の性能基準では劣るが、別の価値(低価格・簡便さ・小型など)で新しい顧客をつかみ、やがて性能を伸ばして主流市場に食い込む」点にある。最初から性能で上回るわけではない。ジレンマは、既存顧客を大切にする合理的判断が、かえって破壊的技術への出遅れを招くという逆説である。
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:誤 c:正 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはbで、破壊的イノベーションが最初から性能で上回るわけではない点が誤りの核心である。
・B
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はa・bの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、bは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はb・cの正誤の判定を誤っている。bは本来「誤」(誤り記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はdの正誤の判定を誤っている。dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R4,問9/H20,問7
問3:技術の進歩と設計の収束に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a 技術のS字カーブは、技術の性能向上が初期は緩やかで、その後急速に進み、成熟につれて再び鈍化していく様子を表す。
b 技術がS字カーブの成熟局面に入ると、追加投資を増やしても性能向上の伸びが得にくくなる傾向がある。
c ドミナントデザインが確立すると、企業間の競争は製品の基本設計そのものの争いへと移り、量産効率や工程改善の重要性はむしろ低下する。
d ドミナントデザインとは、ある製品分野で広く受け入れられ、以後の製品設計の事実上の基準となる基本設計を指す。
〔解答群〕
- A:ア a:誤 b:正 c:誤 d:誤
- B:イ a:正 b:誤 c:誤 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:正 d:正
- D:エ a:正 b:正 c:誤 d:正
- E:オ a:誤 b:正 c:正 d:正
【第3問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】
技術のS字カーブとドミナントデザイン
【考え方】
ドミナントデザインが成立すると、どんな基本設計にするかという競争は一段落し、競争の焦点はむしろ生産工程の効率化やコスト・品質へと移る(プロセス・イノベーションの比重が高まる)。したがって工程改善の重要性が低下するという記述は方向が逆である。S字カーブは成熟局面で投資対効果が落ちる点が要点。
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はbの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はcの正誤の判定を誤っている。cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:正 c:誤 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはcで、ドミナントデザイン成立後はむしろ工程改善の比重が高まる点を取り違えている。
・E
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:H30,問9/R6,問9
問4:標準化とネットワーク外部性に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a デファクト・スタンダードは公的機関の認定によってのみ成立し、市場での普及の度合いとは無関係に決まる。
b デジュール・スタンダードは公的な標準化機関などが定める規格であり、デファクト・スタンダードは市場競争の結果として事実上の標準となった規格である。
c ネットワーク外部性とは、利用者が増えるほどその製品やサービスの価値が高まる効果であり、標準化競争における普及に影響する。
d ネットワーク外部性が強く働く市場では、利用者は既存規格から他規格へ乗り換えやすくなり、規格間の競争は常に均衡しやすい。
〔解答群〕
- A:ア a:正 b:正 c:正 d:誤
- B:イ a:誤 b:正 c:正 d:誤
- C:ウ a:誤 b:誤 c:正 d:正
- D:エ a:正 b:正 c:正 d:正
- E:オ a:誤 b:誤 c:正 d:誤
【第4問:正解と解説】
正解:B
・A
【論点】
標準化の類型とネットワーク外部性
【考え方】
ネットワーク外部性が強い市場では、多くの人が使う規格ほど価値が高まるため、利用者はむしろ乗り換えにくくなり(ロックイン)、勝った規格に利用者が集中しやすい。均衡ではなく一方への傾斜が起きやすい。またデファクトは市場での普及によって事実上の標準になったものであり、公的認定を要件としない。デジュールとの区別が要点。
【選択肢解説】
本肢はaの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:誤 b:正 c:正 d:誤)を正しく判定しており、正解である。誤りはa・dで、デファクトは市場普及で成立し、ネットワーク外部性は乗り換えを起きにくくする点が誤りの核心である。
・C
【選択肢解説】
本肢はb・dの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)、dは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はa・dの正誤の判定を誤っている。aは本来「誤」(誤り記述)、dは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢はbの正誤の判定を誤っている。bは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
関連過去問:R2,問13/H30,問20
問5:製品アーキテクチャに関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
a インテグラル型アーキテクチャは、部品間の相互依存性が高く、部品ごとの調整(すり合わせ)が製品性能を左右しやすい。
b インテグラル型はインターフェースが標準化されているため、異なる企業の部品を無調整で組み合わせても高い製品性能が得られる。
c モジュラー型アーキテクチャは、部品間のインターフェースが標準化されており、部品の独立した設計や組み合わせがしやすい。
d モジュラー型では、標準化されたインターフェースのもとで多様な部品を組み合わせられるため、企業間の分業や外部調達が進みやすい。
〔解答群〕
- A:ア a:誤 b:誤 c:誤 d:正
- B:イ a:誤 b:正 c:正 d:正
- C:ウ a:正 b:正 c:誤 d:正
- D:エ a:正 b:誤 c:正 d:誤
- E:オ a:正 b:誤 c:正 d:正
【第5問:正解と解説】
正解:E
・A
【論点】
製品アーキテクチャ(インテグラル型とモジュラー型)
【考え方】
インテグラル型は部品間のすり合わせが性能を決めるタイプであり、部品間のインターフェースが標準化されているのはモジュラー型の特徴である。したがって、bはインテグラル型にモジュラー型の性質を当てはめており誤りである。モジュラー型では標準化されたインターフェースのもとで部品を組み合わせやすいため、分業・外部調達と相性が良いという理解(d)も重要である。
【選択肢解説】
本肢はa・cの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・B
【選択肢解説】
本肢はa・bの正誤の判定を誤っている。aは本来「正」(正しい記述)、bは本来「誤」(誤り記述)。よって本肢は不適切。
・C
【選択肢解説】
本肢はb・cの正誤の判定を誤っている。bは本来「誤」(誤り記述)、cは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・D
【選択肢解説】
本肢はdの正誤の判定を誤っている。dは本来「正」(正しい記述)。よって本肢は不適切。
・E
【選択肢解説】
本肢は各記述の正誤(a:正 b:誤 c:正 d:正)を正しく判定しており、正解である。誤りはbで、インテグラル型にモジュラー型の性質を当てはめている点が誤りである。
関連過去問:R6,問10/H27,問7

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