問6:P社は関連会社A社の議決権の30%を保有し、持分法を適用している。A社の当期純利益は600千円であり、P社はA社から配当90千円を受け取った。連結損益計算書に計上される「持分法による投資利益」として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:90千円
- B:180千円
- C:270千円
- D:600千円
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】90千円は受取配当金の額である。持分法では被投資会社からの配当は投資勘定の減額として処理され、損益には計上されない紛れの資料である。
・B
【論点】持分法による投資損益の計算。【考え方】持分法による投資利益=A社当期純利益600×持分比率30%=180千円。投資勘定を同額増加させる。受取配当金90千円は利益の分配(投資の回収)であるため、投資勘定を減額し、二重計上を避けるため損益には計上しない。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】持分法投資利益に受取配当金を加算した誤り(180+90=270千円)。配当分を加えると利益の二重計上となる。
・D
【選択肢解説】A社の当期純利益の全額であり、持分比率30%が乗じられていない。
関連過去問:R5,問5/H30,問5
問7:子会社S社(P社の持株比率80%)は、親会社P社に対して商品を販売している(アップストリーム)。P社の期末棚卸資産に含まれるS社からの仕入分に係る未実現利益は100千円であった。この未実現利益の消去額のうち、非支配株主持分に負担させる金額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:0千円
- B:20千円
- C:80千円
- D:100千円
【第7問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】非支配株主への負担配分を行わないのはダウンストリーム(親→子)の場合である。本問は子会社から親会社への販売(アップストリーム)である。
・B
【論点】アップストリーム取引の未実現利益の消去(全額消去・持分按分負担方式)。【考え方】子会社が計上した未実現利益は全額消去したうえで、親会社株主と非支配株主に持分比率で按分負担させる。非支配株主負担額=100×20%=20千円(非支配株主持分を減額し、非支配株主に帰属する当期純利益を修正する)。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】80千円は親会社株主が負担する部分(100×80%)である。
・D
【選択肢解説】全額を非支配株主に負担させるのは誤りであり、持分比率(20%)に応じて按分する。
関連過去問:R4,問5/H29,問5
問8:以下の資料に基づき、連結損益計算書における「親会社株主に帰属する当期純利益」として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・P社の当期純利益 800千円(この中にはS社からの受取配当金160千円が含まれている)
・S社(P社の持株比率80%)の当期純利益 500千円
・当期ののれん償却額 40千円
・未実現利益はないものとする。
- A:1,000千円
- B:1,040千円
- C:1,160千円
- D:1,200千円
【第8問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】親会社株主に帰属する当期純利益の計算(子会社からの配当の相殺・のれん償却・非支配株主帰属分の控除)。【考え方】親会社株主帰属利益=P社利益800-受取配当金の相殺160+S社利益500×80%-のれん償却40=800-160+400-40=1,000千円。子会社からの配当は内部取引として相殺され、のれん償却は連結上の費用となる。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】のれん償却額40千円を控除しなかった誤り(800-160+400=1,040千円)。
・C
【選択肢解説】S社からの受取配当金160千円を相殺しなかった誤り(800+400-40=1,160千円)。配当分は子会社利益の取り込みと二重計上になるため相殺する。
・D
【選択肢解説】配当の相殺とのれん償却の両方を行わなかった誤り(800+400=1,200千円)。
関連過去問:R6,問5/R3,問6
問9:P社はS社の発行済株式の80%を3,000千円で取得し、S社を子会社とした。支配獲得日のS社の時価評価後の純資産は4,250千円であった。この企業結合により連結上認識される「負ののれん発生益」として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:400千円
- B:850千円
- C:1,250千円
- D:3,400千円
【第9問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】負ののれんの計算と処理。【考え方】親会社持分=4,250×80%=3,400千円>取得原価3,000千円であるため、差額400千円が負ののれんとなる。負ののれんは、発生した事業年度の利益(特別利益:負ののれん発生益)として一括計上され、のれんと異なり償却は行わない。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】850千円は非支配株主持分(4,250×20%)であり、負ののれんではない。
・C
【選択肢解説】時価評価後純資産の全額と取得原価の差額(4,250-3,000=1,250千円)であり、親会社持分(80%)が考慮されていない。
・D
【選択肢解説】3,400千円は時価評価後純資産に対する親会社持分額であり、負ののれんではない。
関連過去問:R1,問5/H28,問5
問10:P社は前期末にS社株式の80%を取得して子会社とした。支配獲得時のS社の時価評価後純資産は5,000千円であり、当期中にS社の利益剰余金は600千円増加した(増資等はない)。当期末の連結貸借対照表における非支配株主持分として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:480千円
- B:1,000千円
- C:1,120千円
- D:1,600千円
【第10問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】480千円は利益剰余金増加額の親会社帰属分(600×80%)であり、非支配株主持分ではない。
・B
【選択肢解説】支配獲得時の非支配株主持分(5,000×20%)のままであり、その後の子会社純資産の増加が反映されていない。
・C
【論点】非支配株主持分の残高の計算(支配獲得後の子会社純資産の変動の取り込み)。【考え方】非支配株主持分=支配獲得時5,000×20%+利益剰余金増加600×20%=1,000+120=1,120千円。子会社の純資産の増減は持分比率に応じて非支配株主持分にも反映される。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】利益剰余金の増加600千円を全額非支配株主持分に加算した誤り(1,000+600=1,600千円)。加算するのは非支配株主の持分相当(20%)である。
関連過去問:R2,問5/H30,問6
