問11:連結の範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:議決権の過半数を所有していなくても、実質的に意思決定機関を支配している会社は、子会社として連結の範囲に含められる。
- B:連結の範囲は、議決権の所有割合のみによって形式的に判定される(持株基準)。
- C:議決権の所有割合が40%未満の会社が子会社と判定されることはない。
- D:連結の範囲に含める子会社は、親会社が任意に選択することができる。
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】連結の範囲の判定(支配力基準)。【考え方】現行制度は支配力基準を採用しており、議決権の過半数を所有する場合のほか、40%以上50%以下の所有で緊密な者と合わせて過半数となる場合や、取締役会の構成・重要な財務・営業方針の決定への関与などから意思決定機関を実質的に支配している場合も子会社と判定される。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】持株基準ではなく支配力基準が採用されており、実質的な支配の有無で判定される。
・C
【選択肢解説】40%未満であっても、緊密な者の所有分と合わせた議決権や契約等により実質的に支配していれば子会社となりうる。
・D
【選択肢解説】子会社は原則としてすべて連結の範囲に含めなければならず、任意に選択することはできない(重要性の乏しい場合等を除く)。
関連過去問:R3,問6/H29,問6
問12:持分法の適用範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:持分法は、連結子会社に対して適用される。
- B:関連会社に該当するのは、議決権の50%超を保有する場合に限られる。
- C:持分法は、非連結子会社および関連会社に対して適用される。
- D:持分法では、被投資会社の財務諸表の全項目を親会社の財務諸表と合算する。
【第12問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】連結子会社には全部連結(財務諸表の合算と連結手続)が適用される。持分法の対象ではない。
・B
【選択肢解説】議決権の50%超を保有する場合は原則として子会社である。関連会社は影響力基準により判定される。
・C
【論点】持分法の適用範囲。【考え方】持分法は、非連結子会社(重要性が乏しい等の理由で連結しない子会社)および関連会社に対する投資について適用される。投資勘定を通じて持分の変動を取り込むため「一行連結」とも呼ばれる。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】財務諸表を合算するのは連結(全部連結)である。持分法は投資勘定と損益への一行の反映により行われる。
関連過去問:R5,問5/H28,問6
問13:関連会社の判定(影響力基準)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:議決権の10%以上を保有していれば、常に関連会社に該当する。
- B:関連会社の判定にあたり、財務・営業の方針決定への影響力は考慮されない。
- C:議決権の50%超を保有する会社は、関連会社に分類される。
- D:関連会社とは、議決権の20%以上を保有する場合など、財務および営業または事業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる会社をいう。
【第13問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】10%以上という基準のみで関連会社となるわけではない。原則は20%以上の保有、または15%以上で一定の要件を満たす場合等である。
・B
【選択肢解説】影響力基準のもとでは、役員の派遣、重要な融資・技術提供、取引関係など実質的な影響力が考慮される。
・C
【選択肢解説】議決権の過半数を保有する場合は原則として子会社であり、連結の対象となる。
・D
【論点】関連会社の判定基準(影響力基準)。【考え方】関連会社とは、企業が出資・人事・資金・技術・取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社の財務および営業または事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる会社をいい、議決権の20%以上の保有はその典型的な判定基準である。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R4,問6/H30,問5
問14:日本の会計基準におけるのれんの会計処理に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:のれんは、発生時に全額を費用として処理する。
- B:のれんは、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって規則的に償却する。
- C:のれんは償却を行わず、毎期の減損テストのみによって評価する。
- D:のれんは、貸借対照表に計上することができない。
【第14問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】のれんは資産として計上し規則的に償却する。発生時の一括費用処理は行わない(一括利益計上されるのは負ののれんである)。
・B
【論点】のれんの償却(日本基準)。【考え方】のれんは無形固定資産に計上し、20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他の合理的な方法により規則的に償却する。超過収益力は時の経過とともに減価するという考え方に基づく。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】非償却・減損テストのみのアプローチはIFRSや米国基準の取扱いであり、日本基準では規則的償却を行う。
・D
【選択肢解説】のれんは無形固定資産として貸借対照表に計上される。
関連過去問:R6,問6/R2,問6
問15:連結財務諸表の作成手続に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:親会社の投資と子会社の資本の相殺消去は行わない。
- B:連結会社相互間の債権債務や取引高の相殺消去は、行うかどうかを任意に選択できる。
- C:連結会社相互間の債権債務および取引高は、連結上相殺消去しなければならない。
- D:連結会社間の取引によって取得した棚卸資産に含まれる未実現利益は、消去する必要がない。
【第15問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】投資と資本の相殺消去は連結の基本手続であり、この過程でのれん(または負ののれん)が算定される。
・B
【選択肢解説】内部取引の相殺消去は連結の必須手続であり、任意選択ではない。
・C
【論点】連結の基本手続(内部取引の相殺消去)。【考え方】連結財務諸表は企業集団を単一の組織体とみなして作成されるため、集団内部の債権と債務、売上高と仕入高などの取引高は、外部との取引ではない以上、相殺消去しなければならない。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】内部取引による未実現利益は、集団外部に販売されるまで実現していないため消去が必要である。
関連過去問:R1,問6/H29,問5
