問6:当社はその他有価証券(取得原価800千円)を保有しており、期末時価は1,000千円であった。評価差額は全部純資産直入法により処理し、法定実効税率は30%とする。期末の貸借対照表に計上される「その他有価証券評価差額金」として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:60千円
- B:140千円
- C:200千円
- D:260千円
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】60千円は評価差額に係る繰延税金負債(200×30%)であり、評価差額金ではない。
・B
【論点】その他有価証券の評価差額に係る税効果(純資産直入項目の税効果)。【考え方】評価差額=1,000-800=200千円。この差額には将来売却時に課税される効果が含まれるため、繰延税金負債=200×30%=60千円を計上し、残額をその他有価証券評価差額金とする。評価差額金=200-60=140千円。この税効果は損益(法人税等調整額)を経由しない点が特徴である。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】税効果を考慮せず評価差額の総額を計上した誤り。
・D
【選択肢解説】評価差額に繰延税金負債を加算した誤り(200+60=260千円)。
関連過去問:R4,問7/H30,問7
問7:以下の資料に基づき、法定実効税率として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、法定実効税率は「(法人税率×(1+住民税率)+事業税率)÷(1+事業税率)」により計算するものとする。
【資料】
・法人税率 20%
・住民税率(法人税額に対する率) 10%
・事業税率(所得に対する率) 4%
- A:22.0%
- B:24.0%
- C:25.0%
- D:26.0%
【第7問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】22.0%は法人税と住民税のみを考慮した率(20%×1.1)であり、事業税が含まれていない。
・B
【選択肢解説】24.0%は法人税率と事業税率の単純合計であり、住民税と事業税の損金算入効果が反映されていない。
・C
【論点】法定実効税率の計算(事業税の損金算入効果の反映)。【考え方】実効税率=(20%×(1+0.1)+4%)÷(1+0.04)=(22%+4%)÷1.04=26%÷1.04=25.0%。事業税は支払時に損金算入され課税所得を減らすため、分母を(1+事業税率)で除して調整する。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】26.0%は分子(22%+4%)のままであり、事業税の損金算入効果(分母の調整)が反映されていない。
関連過去問:R1,問8/H29,問7
問8:当社の当期の会計上の減価償却費は500千円であるが、税務上の償却限度額は400千円である。この差異は一時差異に該当する。法定実効税率を30%とし、回収可能性に問題がないものとした場合、この差異により当期に増加する繰延税金資産として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:30千円
- B:100千円
- C:120千円
- D:150千円
【第8問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】減価償却の償却限度超過額(将来減算一時差異)に係る税効果。【考え方】償却限度超過額=会計上の償却費500-税務上の限度額400=100千円(損金不算入・加算)。この差異は将来(売却・除却時等)に解消され課税所得を減額するため、繰延税金資産=100×30%=30千円を計上する。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】一時差異の額そのもの(100千円)であり、実効税率を乗じていない。
・C
【選択肢解説】税務上の償却限度額に税率を乗じた金額(400×30%=120千円)であり、根拠のない計算である。
・D
【選択肢解説】会計上の減価償却費に税率を乗じた金額(500×30%=150千円)であり、差異に基づいていない。
関連過去問:R5,問8/H28,問7
問9:以下の資料に基づき、当期の課税所得として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・当期純利益(税引後) 700千円
・法人税、住民税及び事業税 300千円
・加算調整:賞与引当金繰入額(損金不算入) 200千円
・減算調整:前期の賞与引当金認容(当期支給) 150千円
- A:750千円
- B:1,000千円
- C:1,050千円
- D:1,200千円
【第9問:正解と解説】
正解:C
・A
【選択肢解説】税引後の当期純利益から出発し、法人税等の加算(税引前利益への修正)を行っていない誤り(700+200-150=750千円)。
・B
【選択肢解説】1,000千円は税引前当期純利益(700+300)であり、申告調整が行われていない。
・C
【論点】税引後利益から出発する課税所得の計算(法人税等の足し戻しと引当金の申告調整)。【考え方】税引前当期純利益=700+300=1,000千円。課税所得=1,000+加算200-減算150=1,050千円。賞与引当金は繰入時に加算(損金不算入)、支給時に減算(認容)されるという一時差異の解消の流れも確認したい。【選択肢解説】正しい。
・D
【選択肢解説】前期の引当金認容150千円の減算を行っていない誤り(1,000+200=1,200千円)。
関連過去問:R3,問7/H30,問8
問10:当社の期末の将来減算一時差異は1,000千円であり、繰延税金資産の回収可能性に問題はない。当期末に税制改正が成立し、当該一時差異が解消する将来の年度に適用される法定実効税率が30%から28%に引き下げられた。この税率変更により減額すべき繰延税金資産の金額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
- A:20千円
- B:280千円
- C:300千円
- D:580千円
【第10問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】税率変更時の繰延税金資産の再計算。【考え方】繰延税金資産は一時差異が「解消する年度」の税率で計算するため、変更前残高300千円(1,000×30%)を変更後の280千円(1,000×28%)に修正する。減額=300-280=20千円(法人税等調整額の借方として税金費用を増加させる)。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】280千円は税率変更「後」の繰延税金資産の残高であり、減額すべき金額ではない。
・C
【選択肢解説】300千円は税率変更「前」の繰延税金資産の残高であり、減額すべき金額ではない。
・D
【選択肢解説】変更前後の残高を合算した金額であり、意味を持たない。
関連過去問:R6,問8/R2,問7
