問6:当社は現在使用中の旧設備を新設備に取り替えることを検討している。以下の資料に基づき、取替えによる年間の税引後差額キャッシュ・フローの増加額として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、法人税等の実効税率は30%とする。
【資料】
・旧設備:年間現金支出費用8,000千円、年間減価償却費1,000千円
・新設備:年間現金支出費用5,000千円、年間減価償却費2,500千円
- A:2,100千円
- B:2,550千円
- C:2,850千円
- D:3,000千円
【第6問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】減価償却費の増加によるタックスシールドの増加分((2,500-1,000)×0.3=450千円)を考慮しなかった誤り(3,000×0.7=2,100千円)。
・B
【論点】取替投資における差額キャッシュ・フローの計算(費用削減効果と減価償却費の差額によるタックスシールド)。【考え方】現金支出費用の削減額=8,000-5,000=3,000千円(税引後2,100千円)。減価償却費の増加額=2,500-1,000=1,500千円によるタックスシールド増加=1,500×0.3=450千円。差額CF=3,000×0.7+1,500×0.3=2,100+450=2,550千円。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】新設備の減価償却費2,500千円全額でタックスシールドを計算し、旧設備の償却費1,000千円分を控除しなかった誤り(2,100+2,500×0.3=2,850千円)。取替投資では新旧の「差額」で計算する。
・D
【選択肢解説】税金を考慮しない税引前の費用削減額である。
関連過去問:R5,問17/H30,問19
問7:当社は相互排他的な2つの投資案を比較している。A案は投資額5,000千円でキャッシュ・フローの現在価値合計が6,000千円、B案は投資額8,000千円でキャッシュ・フローの現在価値合計が9,200千円である。この2案の評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:収益性指数(PI)法によればA案が、正味現在価値(NPV)法によればB案が優先される。
- B:収益性指数(PI)法によっても正味現在価値(NPV)法によっても、A案が優先される。
- C:収益性指数(PI)法によっても正味現在価値(NPV)法によっても、B案が優先される。
- D:収益性指数(PI)法によればB案が、正味現在価値(NPV)法によればA案が優先される。
【第7問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】収益性指数法とNPV法による順位付けの相違(投資規模が異なる場合)。【考え方】PI:A案=6,000÷5,000=1.20、B案=9,200÷8,000=1.15→PI法ではA案優先。NPV:A案=1,000千円、B案=1,200千円→NPV法ではB案優先。PIは投資額1円当たりの効率を、NPVは価値増加の絶対額を測るため、投資規模が異なると順位が逆転することがある。相互排他的な投資案では、資金制約がなければNPV法(B案)によるべきとされる。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】NPVはA案1,000千円<B案1,200千円であり、NPV法ではB案が優先される。
・C
【選択肢解説】PIはA案1.20>B案1.15であり、PI法ではA案が優先される。
・D
【選択肢解説】PI法とNPV法の優先順位が逆である。
関連過去問:R4,問18/H29,問19
問8:3年後に13,310千円のキャッシュ・フローを一度だけもたらす投資案がある。投資額は9,500千円、割引率は10%である。この投資案の正味現在価値(NPV)として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、10%の複利現価係数は1年0.9091、2年0.8264、3年0.7513とする。
- A:500千円
- B:1,500千円
- C:2,600千円
- D:3,810千円
【第8問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】単一キャッシュ・フローの複利現価計算によるNPV。適用すべき複利現価係数(年数)の選択がポイント。【考え方】CFの現在価値=13,310×0.7513(3年の係数)≒10,000千円。NPV=10,000-9,500=500千円。【選択肢解説】正しい。
・B
【選択肢解説】2年の複利現価係数を適用した誤り(13,310×0.8264≒11,000、11,000-9,500=1,500千円)。
・C
【選択肢解説】1年の複利現価係数を適用した誤り(13,310×0.9091≒12,100、12,100-9,500=2,600千円)。
・D
【選択肢解説】割引計算を行わなかった誤り(13,310-9,500=3,810千円)。
関連過去問:R1,問17/H28,問17
問9:ある投資案の年間キャッシュ・フローは、経済状況に応じて以下のように見込まれている。この投資案の年間キャッシュ・フローの期待値として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
【資料】
・好況(生起確率30%):キャッシュ・フロー5,000千円
・普通(生起確率50%):キャッシュ・フロー3,000千円
・不況(生起確率20%):キャッシュ・フロー1,000千円
- A:3,000千円
- B:3,200千円
- C:3,600千円
- D:5,000千円
【第9問:正解と解説】
正解:B
・A
【選択肢解説】生起確率を用いず3つのシナリオを単純平均した誤り((5,000+3,000+1,000)÷3=3,000千円)。
・B
【論点】確率を用いたキャッシュ・フローの期待値の計算。【考え方】期待値=5,000×0.3+3,000×0.5+1,000×0.2=1,500+1,500+200=3,200千円。不確実性下の投資評価では、各シナリオのCFを生起確率で加重平均した期待CFを用いる。【選択肢解説】正しい。
・C
【選択肢解説】確率の対応を取り違えた誤り(5,000×0.5+3,000×0.3+1,000×0.2=3,600千円)。
・D
【選択肢解説】最も楽観的なシナリオのCFであり、期待値ではない。
関連過去問:R6,問18/R3,問18
問10:当社は耐用年数の異なる相互排他的な2つの投資案を検討している。X案(耐用年数3年)のNPVは1,656千円、Y案(耐用年数5年)のNPVは2,000千円である。割引率は10%であり、年金現価係数は3年2.4869、5年3.7908である。両案とも耐用年数終了後は同種の投資が反復されると仮定した場合の評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:NPVはY案の方が大きいため、反復投資を仮定してもY案が常に有利である。
- B:耐用年数が異なる場合でも、単純にNPVの大小のみで比較すれば足りる。
- C:等価年額(年換算NPV)はX案の方が小さいため、X案は不利である。
- D:等価年額(年換算NPV)はX案約666千円、Y案約528千円であり、反復投資を仮定すればX案が有利である。
【第10問:正解と解説】
正解:D
・A
【選択肢解説】単純なNPVの比較は投資期間の違いを無視している。反復投資を仮定すると、短期間で高い価値を生むX案の優位性が現れる。
・B
【選択肢解説】耐用年数が異なる相互排他的投資案では、投資期間の違いを調整(等価年額法や最小公倍数期間での比較)する必要がある。
・C
【選択肢解説】等価年額はX案の方が「大きい」(約666千円>約528千円)。記述が逆である。
・D
【論点】耐用年数が異なる投資案の比較(等価年額法)。【考え方】等価年額=NPV÷年金現価係数。X案=1,656÷2.4869≒666千円/年、Y案=2,000÷3.7908≒528千円/年。反復投資を前提とすれば、1年当たりの価値創造が大きいX案が有利と判断される。【選択肢解説】正しい。
関連過去問:R2,問17/H30,問18
