財務・会計 ②応用編_収益性・安全性・効率性_6問〜10問

問6:自己資本比率が低い企業が、安全性指標を改善するために取るべき適切な戦略はどれか。

  • A:利益剰余金を配当で還元し、純資産を最適化する
  • B:短期借入金を長期借入金に借り換える
  • C:保有している固定資産をリースバックして売却益を計上する
  • D:新株発行による資本増強を行う
  • E:在庫を売却して現金預金を増やす
【第6問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:配当の支払いは純資産を減少させるため自己資本比率がさらに低下するため不適切。
・B:負債の期限構成を変えるだけで総負債額・自己資本ともに変わらないため比率は改善しないため不適切。
・C:売却益は一時的な純資産増加をもたらすが本質的な増資ほどの効果はなく持続性が低いため不適切。
・D:新株発行により自己資本(純資産)を増やすことは自己資本比率改善の最も直接的な手法であるため適切。
・E:資産構成の入替にすぎず自己資本比率の改善としては効果が弱いため不適切。


問7:売上高経常利益率が売上高営業利益率より大幅に高い場合、どのような財務構造が推測されるか。

  • A:本業以外の財務収益や持分法利益が収益に寄与している
  • B:支払利息の負担が極めて重い
  • C:特別利益が多額に計上されている
  • D:販管費が抑制されている
  • E:売上原価率が極めて低い
【第7問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用。両者の乖離は営業外収益(受取利息・持分法利益等)が大きいことを示すため適切。
・B:支払利息は営業外費用であり経常利益を下げる要因となるため不適切。
・C:特別利益は経常利益より下の区分の項目であり両者の乖離には関係しないため不適切。
・D:販管費の抑制は営業利益の改善要因であり営業外損益との乖離説明にはならないため不適切。
・E:売上原価率は売上総利益・営業利益までの話であり経常利益と営業利益の乖離とは無関係のため不適切。


問8:総資産利益率(ROA)を重視する経営において、注意すべき盲点はどれか。

  • A:利益の質(現金ベースか否か)
  • B:固定資産の減価償却方法
  • C:負債の利子率
  • D:売上債権の回収期間
  • E:配当性向
【第8問:正解と解説】

正解:Option_A
【解説】
・A:ROAは会計上の発生主義利益を用いるため現金を伴わない利益計上のリスク(売掛金の増大や粉飾など)を見落とす可能性があるため適切。
・B:減価償却方法はROAの数値に影響するが利益の質的判断ほど決定的な盲点ではないため不適切。
・C:負債の利子率はROEとROAの乖離(レバレッジ効果)に関わるものでありROAの盲点とは異なるため不適切。
・D:売上債権の回収期間は効率性の問題でありROAの盲点そのものではないため不適切。
・E:配当性向はROA評価後の利益配分の話であるため不適切。


問9:労働分配率(人件費÷付加価値)が上昇している場合、企業経営においてどのようなリスクが高まっているか。

  • A:売上高成長率の低下
  • B:流動比率の悪化
  • C:固定費比率の上昇による損益分岐点の上昇
  • D:自己資本比率の向上
  • E:営業外費用の増大
【第9問:正解と解説】

正解:Option_C
【解説】
・A:労働分配率と売上高成長率の直接的な因果関係は薄いため不適切。
・B:人件費負担と流動比率は必ずしも直接連動しないため不適切。
・C:付加価値に対する人件費(固定費の中心)の負担増は損益分岐点を押し上げ景気悪化時の耐性を弱めるため適切。
・D:労働分配率の上昇はむしろ利益余力の低下を示すため自己資本比率の向上には繋がりにくいため不適切。
・E:人件費は営業費用(販管費・製造原価)であり営業外費用とは別であるため不適切。


問10:自己資本利益率(ROE)をデュポン分析で3要素に分解したとき、それぞれが示す視点として誤っている組合せはどれか。

  • A:売上高純利益率:収益性
  • B:総資産回転率:効率性
  • C:財務レバレッジ:安全性
  • D:売上高総利益率:資金効率
  • E:ROA:総合的収益性
【第10問:正解と解説】

正解:Option_D
【解説】
・A:売上高純利益率は収益性の視点を示すものであり正しい組合せであるため不適切。
・B:総資産回転率は効率性の視点を示すものであり正しい組合せであるため不適切。
・C:財務レバレッジは資本構成に関わる安全性・資本効率の視点であり正しい組合せであるため不適切。
・D:売上高総利益率は収益性の一種であり資金効率(回転率)を示すものではないため誤った組合せとして適切。
・E:ROAは収益性と効率性を総合した指標であり記述として正しいため不適切。


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