問1:製品戦略において「プロダクト・ライフサイクル(PLC)の成熟期」に製品の「改訂(Modification)」を行う目的として最も適切なものはどれか。
- A:製品の採算が悪化したため製品ラインを廃止・縮小すること
- B:製造コストを倍増させてでも品質水準を大幅に引き上げること
- C:製品の差別化と顧客の再活性化により、成熟期を延長し収益を維持するため
- D:競合他社を完全に市場から排除するための価格引き下げ戦略を取ること
- E:まったく新しい市場カテゴリーを創造してブルーオーシャンを開拓すること
【第1問:正解と解説】
正解:Option_C
【解説】
・A:廃止・縮小は成熟期ではなく衰退期において採算が完全に見込めない場合の戦略であり成熟期の一般的な製品戦略とは異なり不適切。
・B:製造コストの倍増は競争力・採算性を損ない成熟期の競争激化環境では経営上リスクが高く一般的な戦略ではなく不適切。
・C:成熟期は市場成長が鈍化し差別化が困難になるため製品に新機能・新デザインを付加するか顧客層・用途を拡張してPLCを延命させる改訂(Modification)が有効な製品戦略であり正解。
・D:競合排除のための価格引き下げは価格戦略(Price)の問題であり製品改訂(Product Modification)の説明とは異なり不適切。
・E:ブルーオーシャン開拓は新市場創造のイノベーション戦略であり成熟期の既存製品改訂戦略の説明とは異なり不適切。
問2:価格決定における「スキミング・プライシング(上澄み吸収法)」を有効に機能させるための前提条件として適切なものはどれか。
- A:製品の独創性が高く、価格弾力性が低い(価格が高くても購入する)層が存在すること
- B:市場が完全に飽和していること
- C:製品がコモディティ化していること
- D:競合他社が既に参入していること
- E:低価格製品が主流であること
【第2問:正解と解説】
正解:Option_A
【解説】
・A:需要の価格弾力性が低く高価格でも購入するイノベーター・早期採用者層が存在すること・競合参入前の独占期間があること・高品質・先進性のブランドイメージが確立できることがスキミングの前提条件であり正解。
・B:市場が完全に飽和した状態では高価格戦略を支えるイノベーター層がなく競合も多いためスキミングは機能しないため不適切。
・C:製品がコモディティ化すると価格以外の差別化要因が失われスキミングを支える高価格正当性がなくなるため不適切。
・D:競合他社が既に参入し価格競争が激化している状況ではスキミングの高価格設定は顧客に選ばれにくくなるため不適切。
・E:低価格製品が主流の市場ではスキミングを受け入れるプレミアム志向の顧客層が薄くスキミングが機能しないため不適切。
問3:流通戦略において「選択的流通」を選択する際の戦略的意図として適切なものはどれか。
- A:全国・全小売店に広く展開して市場での製品露出を最大化するため
- B:取引コストを最小化するため最も安価な卸業者のみと取引するため
- C:チャネルの短縮化のためメーカーが消費者に直接販売するDtoCに転換するため
- D:ターゲット顧客との適合性が高く、強力な販促能力を持つチャネルに絞り込むことで、流通効率とブランド価値を両立させるため
- E:流通業者を全て自社傘下に統合することで垂直統合を実現するため
【第3問:正解と解説】
正解:Option_D
【解説】
・A:全小売店への広範展開は開放的流通(インテンシブ)戦略であり選択的流通の説明とは逆の方向性であり不適切。
・B:最安価な卸業者のみとの取引はコスト削減施策でありブランド管理・品質維持を重視する選択的流通の戦略的意図とは異なり不適切。
・C:DtoCへの転換は直接販売戦略であり一定の中間業者を選定して取引する選択的流通とは異なり不適切。
・D:ブランドイメージ・サービス品質・販売環境を維持できる条件を満たす一定数の販売業者のみを選定することで製品の価値を適切に伝えられる販売網を構築することが選択的流通の戦略的意図であり正解。
・E:流通業者の完全自社傘下化は垂直統合(VMS)の一形態であり独立した業者の中から選定する選択的流通の説明とは異なり不適切。
問4:プロモーションの「プッシュ戦略」と「プル戦略」を併用する「ハイブリッド戦略」の要諦はどれか。
- A:効果が低い方の戦略を停止してより効果的な一方に全リソースを集中させること
- B:製品特性やターゲットに応じて、チャネルへのインセンティブ(プッシュ)と消費者への直接訴求(プル)を最適な比率で調整すること
- C:二つの戦略を戦略的意図なくランダムに組み合わせてコストを分散させること
- D:プッシュを最優先しプルを補助的な位置づけに固定して一方を主とすること
- E:プッシュとプルの予算を機械的に50:50に分割して実施すること
【第4問:正解と解説】
正解:Option_B
【解説】
・A:一方を停止することはハイブリッド戦略(両者の活用)の否定であり不適切。
・B:プッシュ(流通業者への働きかけ)とプル(消費者への直接訴求)の両施策が相互補完的に作用するよう製品の成熟度・顧客層・競争環境に応じて最適な配分と連動を図ることがハイブリッド戦略の要諦であり正解。
・C:無作為な組み合わせでは相互補完効果が生まれず戦略的意図のある連動がないためハイブリッド戦略の要諦の説明とは異なり不適切。
・D:プッシュを主としプルを常に補助に固定することは市場状況に応じた柔軟な配分を否定するためハイブリッド戦略の要諦の説明としては不適切。
・E:プッシュとプルの機械的な予算二等分は市場状況・製品特性への最適化を無視した方法であり不適切。
問5:価格差別化を行う際、顧客の「消費者余剰」を企業側の「収益」に転換するための必要条件はどれか。
- A:全ての顧客セグメントに一律価格を適用することで公平性を担保すること
- B:競合他社を全て買収して市場における価格決定の独占権を確保すること
- C:価格差別化に関連する法的制約(独占禁止法等)の適用除外を取得すること
- D:価格情報を顧客から完全に隠蔽しコスト構造を非公開にすること
- E:セグメント間の転売(裁定取引)を防ぐことと、顧客の支払意志額(WTP)の差を正確に見極めること
【第5問:正解と解説】
正解:Option_E
【解説】
・A:一律価格の適用は価格差別化の否定であり消費者余剰を収益に転換する価格差別化の説明とは逆であり不適切。
・B:競合買収による市場独占は独占禁止法上の問題を招くリスクがあり価格差別化の必要条件の一般的な説明とは異なり不適切。
・C:独占禁止法の適用除外取得は現実的でなく価格差別化の必要条件の説明としては不適切。
・D:価格情報の隠蔽は価格差別化の必要条件ではなく消費者の信頼を損なうリスクがあり不適切。
・E:各顧客セグメントが最大限に支払える水準(留保価格)を把握してセグメントごとに最適な価格を設定するためには市場分離(各セグメントが他セグメントへ転売できない状態)と価格弾力性の把握が必要条件であり正解。

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