企業経営理論③応用編_事業ポートフォリオ_21問〜25問

問21:PPMにおいて、事業が「花形(スター)」から「金のなる木」へ移行する際のシグナルとして、最も適切なものはどれか。

  • A:市場成長率が全社平均を下回った段階
  • B:競合のシェアが自社を下回った段階
  • C:利益率が低下し始めた段階
  • D:経営陣の判断で投資優先順位が変わった段階
  • E:広告費の対売上比率が低下し始めた段階
【第21問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:PLCの成熟期に対応する「市場成長率の明確な低下」が、高シェアを維持したまま金のなる木へ移行する最適なタイミングであり正解。
・B:シェアが競合を上回るのはスターの段階ですでに達成されていることが多く、移行の直接的な合図ではないため不適切。
・C:利益率の低下は移行の指標となることもあるが、市場成長率の変化の方がより直接的な判断基準であるため不適切。
・D:経営陣の主観的判断は客観的指標に基づくべきであり、単独では不適切。
・E:広告費比率は移行時期の副次的な指標にすぎず不適切。


問22:PPMを用いた資源配分において、各象限の戦略的役割を混同することが最もリスクとなるのはなぜか。

  • A:金のなる木から得た資金を、撤退すべき負け犬に再投資してしまうような、資源の非効率な浪費を招くから
  • B:全事業に均等に資源を配分しないと不公平感が出るから
  • C:売上高が低い事業を無視すると株価が下がるから
  • D:すべての事業で花形を目指さないと競争に負けるから
  • E:会計処理が複雑になりすぎるから
【第22問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:PPMの真髄は、象限ごとの異なる役割(回収・投資・撤退)を理解し、最適に配分することにあります。これを混同すると資源を死に体事業(負け犬)に投入し、将来の成長機会を逃すため正解。
・B:均等配分はPPMの差別化された資源配分の主旨に反するため不適切。
・C, D, E:PPMの戦略的意思決定の本質的なリスクとは言えず不適切。


問23:PPM分析を行う際、「相対的市場シェア」を計算する際、競合他社が非常に細分化されており、特定のリーダー企業が存在しない場合の対処として最も適切なものはどれか。

  • A:計算を諦めて分析自体を中止する
  • B:業界全体のシェア合計を分母にする
  • C:競合上位数社の平均シェアを分母にするなど、業界構造に合わせて基準を工夫する
  • D:自分自身を分母にして常に1.0とする
  • E:競合の数に関わらず業界最大の企業を無理やり探して分母にする
【第23問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:分析の価値はあるため中止は不適切。
・B:平均値ではトップとの比較による競争力が見えにくくなるため不適切。
・C:PPMは現実の市場構造に合わせて運用するツールであり、業界状況に応じて適切な基準を設定するのが最も合理的であり正解。
・D:比較の意味を成さないため不適切。
・E:無理な設定は分析の精度を落とすため不適切。


問24:多角化企業において、PPMを導入する目的の1つに「全社的なリスク分散」がある。これに関する記述として適切なものはどれか。

  • A:すべての事業を同じ市場成長率のカテゴリーに分類すること
  • B:製品ライフサイクルの異なる事業を複数保有し、特定の市場不況の影響を軽減すること
  • C:すべての事業で同じ製品を生産すること
  • D:特定の事業に投資を集中し、一攫千金を狙うこと
  • E:競合他社とポートフォリオを全く同じにすること
【第24問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:同じ成長率に集中するのはリスクを助長するため不適切。
・B:ライフサイクルの異なる事業(成熟事業と成長事業など)を持つことで、どこかが不況でも他でカバーする構造を作ることがリスク分散であり正解。
・C:多角化の主旨に反し不適切。
・D:集中投資はリスクが高く、PPMのリスク分散の考え方と矛盾するため不適切。
・E:競合と同じでは差別化できず意味がないため不適切。


問25:PPMを活用する企業が、最終的に目指す「理想的な状態(バランスのとれたポートフォリオ)」とはどのようなものか。

  • A:負け犬事業のみで構成された、リスクのまったくない状態
  • B:キャッシュカウからの収益を、将来のスター・問題児に効率よく再投資し、持続的な成長を実現する循環構造
  • C:すべて花形事業で占められ、資金需要が無限に発生する状態
  • D:問題児のみで構成され、常にスリルを味わえる状態
  • E:役員の人数と同じ数の事業数で構成された状態
【第25問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A:負け犬のみは撤退寸前の状態であり不適切。
・B:稼ぐ事業で成長に投資するサイクルを回し続けることこそが、企業が持続的に価値を創造する理想のポートフォリオであり正解。
・C:資金の奪い合いとなり、全社的な安定を欠くため不適切。
・D:安定した収益源がなく、経営が不安定になるため不適切。
・E:事業数と役員数は無関係であり不適切。


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