企業経営理論③応用編_事業ポートフォリオ_16問〜20問

問16:PPM分析において、「負け犬」事業を単に撤退させるのではなく、特定の顧客層やニッチ市場に特化させて残す「ニッチ戦略」を選択する判断基準として、最も適切なものはどれか。

  • A:その事業が全社の売上高の9割を占めている場合
  • B:撤退しても市場シェアが上がらないと予測される場合
  • C:そのニッチ市場において、低い資源投下でも安定した収益や利益が確保できると判断される場合
  • D:その事業の製品名がまだ認知されている場合
  • E:従業員がその事業の継続を希望している場合
【第16問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:売上の9割を占める負け犬はそもそも事業として存続の危機であり、ニッチ戦略以前の課題があるため不適切。
・B:シェアが上がらないという予測は撤退の理由にはなり得るが、ニッチ特化の判断基準ではないため不適切。
・C:負け犬であっても、特定のセグメントで競争優位を築き、コストをかけずに利益が出せるなら、それは存続の価値がある戦略的選択であり正解。
・D, E:これらは戦略的判断の根拠としては弱く不適切。


問17:PPMにおける「投資回収(搾取)戦略」を「金のなる木」に対して行う際、企業が最も避けるべき行動はどれか。

  • A:不要な研究開発投資を削減すること
  • B:過剰な販促費を抑制すること
  • C:製品の品質を落としてまでコストを極限までカットすること
  • D:保守的な在庫管理を行うこと
  • E:競合の動きを定期的にモニタリングすること
【第17問:正解と解説】

正解:C
【解説】
・A:不必要な投資の削減は搾取戦略として適切。
・B:過剰な販促費の抑制も適切。
・C:品質を犠牲にすると顧客離れを招き、高シェアという「金のなる木」の前提が崩れるため、最も避けるべきであり正解。
・D:在庫管理の最適化は利益確保に寄与するため適切。
・E:モニタリングは高シェア維持に不可欠であり適切。


問18:PPMを活用した多角化戦略において、企業が「花形(スター)」事業を複数抱えることのリスクとして、最も適切なものはどれか。

  • A:キャッシュの需要が集中し、全社的な資金繰りが逼迫(オーバーヒート)する可能性があること
  • B:利益が上がりすぎて税金が高くなること
  • C:競合他社がすべて買収を申し込んでくること
  • D:市場シェアが低すぎて分析できなくなること
  • E:従業員が多すぎて管理できなくなること
【第18問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:花形事業は成長のために多額の再投資を必要とするため、同時に複数抱えると資金の奪い合いとなり、キャッシュフローが悪化するリスクがあるため正解。
・B:利益が出るのは本来喜ぶべきことであり、リスクではないため不適切。
・C:買収申し込みはリスクではないため不適切。
・D:花形はシェアが高い事業であり不適切。
・E:管理の難易度は上がりますが、PPM特有の投資上のリスクとしてはAがより適切。


問19:PPM分析における「相対的市場シェア」の数値が1.0である状態の意味は何か。

  • A:業界でシェア第1位であり、第2位の競合と同じシェアであること
  • B:業界全体でシェアを1%だけ持っていること
  • C:全競合のシェアを合計したものと等しいこと
  • D:市場から撤退すべき状態であること
  • E:前年とシェアが変わっていないこと
【第19問:正解と解説】

正解:A
【解説】
・A:相対的市場シェア=自社シェア÷最大競合のシェア。これが1.0であれば、自社=最大競合となり、トップ争いをしている状態を指すため正解。
・B〜E:定義から外れており不適切。


問20:PPM分析の結果を組織の意思決定に反映させる際、最も避けるべき「誤用」はどれか。

  • A:現在の事業状況を把握するための材料として使うこと
  • B:PPMの診断結果のみを根拠に、現場の実態を無視して機械的に撤退や投資を強制すること
  • C:定期的に見直しを行い、戦略を修正すること
  • D:SBUごとの特性を議論するためのツールとして活用すること
  • E:資源配分の優先順位を議論する土台にすること
【第20問:正解と解説】

正解:B
【解説】
・A, C, D, E:これらはすべてPPMの有効な活用法。
・B:PPMはあくまで戦略立案の補助ツールであり、現場の定性的な強みや市場のニュアンスを無視して自動操縦のように使うことは、経営判断の失敗に直結するため最も避けるべきであり正解。


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