問16:DCF法におけるWACCおよび継続価値に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:DCF法の割引率には、負債コストのみを用いる。
- B:継続価値は、予測期間の各年のFCFを単純合計して求める。
- C:WACCが低いほど、企業価値は小さくなる。
- D:DCF法ではWACCを割引率として用い、予測期間後のFCFは翌期FCFをWACCから成長率を引いた値で割った継続価値として評価する。
【第16問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】DCF法の割引率(WACC)、継続価値の算式、WACCと企業価値の関係を問う。【考え方】DCF法で用いる割引率と、予測期間後のキャッシュ・フローの扱いを確認する。【選択肢解説】DCF法の割引率にはWACC(負債・自己資本の加重平均)を用いるため、負債コストのみとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】継続価値は翌期FCFを(WACC-成長率)で割って求めるため、各年FCFの単純合計とする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】WACCが低いほど現在価値は大きくなり企業価値は大きくなるため、小さくなるとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】正しい。WACCを割引率とし、予測期間後は翌期FCF÷(WACC-成長率)の継続価値で評価する。
関連過去問:R6,問15
問17:残余利益モデルおよびサステナブル成長率に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:サステナブル成長率は、ROEに配当性向を乗じて求める。
- B:残余利益とは、当期純利益に株主資本コスト相当額を加えたものである。
- C:残余利益は当期純利益から株主資本コスト相当額を差し引いた超過利益であり、ROEが株主資本コストを上回る企業はPBRが1倍を上回る傾向がある。
- D:ROEが株主資本コストを下回る企業は、PBRが1倍を上回る傾向がある。
【第17問:正解と解説】
正解:C
・A
【論点】サステナブル成長率の算式、残余利益の定義、ROEと株主資本コストの大小とPBRの関係を問う。【考え方】内部留保による成長率、超過利益としての残余利益、PBRとの関係を確認する。【選択肢解説】サステナブル成長率はROEに内部留保率を乗じて求めるため、配当性向を乗じるとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】残余利益は当期純利益から株主資本コスト相当額を差し引いたものであり、加えたものとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】正しい。残余利益は超過利益であり、ROEが株主資本コストを上回る企業はPBRが1倍を上回る傾向がある。
・D
【選択肢解説】ROEが株主資本コストを下回る企業はPBRが1倍を下回る傾向があるため、上回るとする記述は誤り。
関連過去問:R6,問15
問18:配当割引モデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:定率成長配当割引モデルでは、配当の成長率が株主資本コストを上回ることを前提とする。
- B:配当割引モデルは、無配当企業の株式価値評価に適している。
- C:定額配当割引モデルの株価は、翌期配当に株主資本コストを乗じて求める。
- D:定率成長配当割引モデルでは、株価を翌期配当を株主資本コストと成長率の差で割って求め、成長率は株主資本コストより小さいことが前提となる。
【第18問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】配当割引モデルの前提(成長率と株主資本コストの大小)、無配当企業への適用、定額モデルの算式を問う。【考え方】定率成長モデルの成立条件と、モデルの適用範囲を確認する。【選択肢解説】定率成長モデルは成長率が株主資本コストを下回ることを前提とするため、上回ることを前提とする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】配当割引モデルは配当を前提とするため無配当企業の評価には適さず、適しているとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】定額配当割引モデルの株価は翌期配当を株主資本コストで割って求めるため、乗じるとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】正しい。定率成長モデルは翌期配当÷(株主資本コスト-成長率)で株価を求め、成長率<株主資本コストが前提である。
関連過去問:R6,問15
問19:マルチプル法に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:PERは株価を1株当たり利益で、PBRは株価を1株当たり純資産で割った指標であり、類似企業の倍率を評価対象に当てはめて相対的に価値を評価する方法をマルチプル法という。
- B:EV/EBITDA倍率は、株価をEBITDAで割って求める。
- C:時価純資産方式は、資産・負債を簿価で評価して株主価値を求める方法である。
- D:PERが高いほど、その株式は割安と判断される。
【第19問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】PER・PBR・EV/EBITDA倍率の算式と、マルチプル法・時価純資産方式の考え方を問う。【考え方】各倍率の定義と、相対評価・純資産評価の方法を確認する。【選択肢解説】正しい。PER・PBRの定義とマルチプル法の考え方として適切である。
・B
【選択肢解説】EV/EBITDA倍率は企業価値をEBITDAで割って求めるため、株価をEBITDAで割るとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】時価純資産方式は資産・負債を時価で評価して株主価値を求めるため、簿価で評価するとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】PERが高いほど利益に対して株価が高く割高と判断されうるため、割安とする記述は誤り。
関連過去問:R6,問15
問20:企業価値評価の実務に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:買収プレミアムとは、市場株価が買収価格を上回る差額である。
- B:企業価値評価ではDCF法・マルチプル法・時価純資産方式など複数の方法を併用して多面的に評価することが望ましく、買収価格が市場株価を上回る部分を買収プレミアムという。
- C:非事業用資産は、事業価値の計算に含めて評価する。
- D:複数の評価法を用いる場合、常に最も高い評価額を採用する。
【第20問:正解と解説】
正解:B
・A
【論点】複数評価法の併用の意義、買収プレミアムの意味、非事業用資産の扱いを問う。【考え方】評価法を併用する理由と、買収プレミアム・非事業用資産の位置づけを確認する。【選択肢解説】買収プレミアムは買収価格が市場株価を上回る差額であるため、市場株価が買収価格を上回るとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】正しい。複数の方法を併用して多面的に評価することが望ましく、買収価格が市場株価を上回る部分が買収プレミアムである。
・C
【選択肢解説】非事業用資産は事業価値に含めず別途加算して企業価値を求めるため、事業価値の計算に含めるとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】複数の評価法は多面的な検討のために用いるものであり、常に最も高い評価額を採用するとする記述は誤り。
関連過去問:R6,問15

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