問16:負債コストと株主資本コストに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:一般に、株主資本コストは負債コストより低い。
- B:負債コストには、節税効果は考慮されない。
- C:株主は債権者より先に弁済を受けるため、株主資本コストは低い。
- D:株主は債権者より返済順位が劣後しリスクが高いため、一般に株主資本コストは負債コストより高い。
【第16問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】負債コストと株主資本コストの大小関係と、その理由(返済順位・リスク)、負債の節税効果を問う。【考え方】株主と債権者のリスク負担の違いと、資本コストの大小を確認する。【選択肢解説】株主資本コストは負債コストより高いのが一般的であり、低いとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】負債コストは税引後で捉える際に節税効果を考慮するため、考慮されないとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】株主は債権者より弁済順位が後であるため、先に弁済を受けるとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】正しい。株主は返済順位が劣後しリスクが高いため、株主資本コストは負債コストより高い。
関連過去問:R6,問13
問17:CAPMおよびβ値に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:β値が1より大きい株式は、市場全体より価格変動が小さい。
- B:CAPMでは株主資本コストを無リスク利子率にβ値と市場リスクプレミアムの積を加えて求め、β値が高いほど株主資本コストは高くなる。
- C:β値は、企業の負債比率のみによって決まる。
- D:市場リスクプレミアムとは、無リスク利子率そのものをいう。
【第17問:正解と解説】
正解:B
・A
【論点】CAPMの算式、β値の意味(市場に対する感応度)、市場リスクプレミアムの定義を問う。【考え方】β値が資本コストに与える影響と、市場リスクプレミアムの意味を確認する。【選択肢解説】β値が1より大きい株式は市場全体より価格変動が大きいため、小さいとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】正しい。CAPMではβ値と市場リスクプレミアムの積を無リスク利子率に加えて求め、β値が高いほど株主資本コストは高い。
・C
【選択肢解説】β値は事業リスクや財務リスクなど複数の要因で決まり、負債比率のみで決まるとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】市場リスクプレミアムは市場期待収益率から無リスク利子率を差し引いたものであり、無リスク利子率そのものとする記述は誤り。
関連過去問:R6,問13
問18:加重平均資本コスト(WACC)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:WACCは、投資案の割引率として用いることはできない。
- B:WACCの計算では、負債コストは税引前の値を用いる。
- C:WACCは税引後の負債コストと株主資本コストを資本構成の割合で加重平均したもので、投資案の現在価値を求める割引率として用いられる。
- D:WACCで用いる資本比率は、常に簿価ベースで計算する。
【第18問:正解と解説】
正解:C
・A
【論点】WACCの意味と用途(投資案の割引率)、負債コストの税引後使用、資本比率の算定基礎(市場価値ベース)を問う。【考え方】WACCの構成要素と、割引率としての役割、資本比率の望ましい算定基礎を確認する。【選択肢解説】WACCは投資案の割引率として用いられるため、用いることはできないとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】WACCの計算では負債コストは税引後の値を用いるため、税引前とする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】正しい。WACCは税引後負債コストと株主資本コストを資本構成の割合で加重平均した割引率である。
・D
【選択肢解説】WACCで用いる資本比率は市場価値ベースが望ましいため、常に簿価ベースとする記述は誤り。
関連過去問:R6,問13
問19:MM理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:MM理論の第1命題によれば、法人税が存在しない完全市場では、企業価値は資本構成によって増加する。
- B:法人税を考慮すると、負債を増やすほど企業価値は減少する。
- C:MM命題Ⅱによれば、負債比率が高まっても株主資本コストは変化しない。
- D:法人税のない完全市場を前提とするMM理論の第1命題によれば、企業価値は資本構成に影響されない。
【第19問:正解と解説】
正解:D
・A
【論点】MM理論の第1命題(税のない完全市場では資本構成は企業価値に無関連)、法人税を考慮した場合の節税効果、MM命題Ⅱ(負債比率上昇と株主資本コスト)を問う。【考え方】完全市場の前提と、法人税を考慮した場合の負債の節税効果、株主資本コストの変化を確認する。【選択肢解説】税のない完全市場では企業価値は資本構成に影響されないため、資本構成によって増加するとする記述は誤り。
・B
【選択肢解説】法人税を考慮すると負債の節税効果により企業価値は増加する傾向があるため、減少するとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】MM命題Ⅱによれば負債比率が高まると株主資本コストは上昇するため、変化しないとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】正しい。税のない完全市場を前提とする第1命題によれば、企業価値は資本構成に影響されない。
関連過去問:R6,問13
問20:資本構成に関する諸理論に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- A:トレードオフ理論は負債の節税効果と財務的困難のコストの均衡点で最適資本構成が決まるとし、ペッキングオーダー理論は内部資金・負債・株式の順に資金調達を選好するとする。
- B:ペッキングオーダー理論では、企業はまず新株発行を優先する。
- C:トレードオフ理論では、負債は多いほど常に望ましいとされる。
- D:ペッキングオーダー理論は、最適な負債比率が一意に定まると主張する。
【第20問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】トレードオフ理論(節税効果と財務的困難コストの均衡)とペッキングオーダー理論(資金調達の選好順位)の内容を問う。【考え方】最適資本構成の考え方と、資金調達手段の選好順位を確認する。【選択肢解説】正しい。トレードオフ理論は節税効果と財務的困難コストの均衡で最適資本構成を捉え、ペッキングオーダー理論は内部資金・負債・株式の順に選好する。
・B
【選択肢解説】ペッキングオーダー理論ではまず内部資金を優先し新株発行は最後であるため、新株発行を優先するとする記述は誤り。
・C
【選択肢解説】トレードオフ理論では負債の増加は財務的困難のコストも高めるため、多いほど常に望ましいとする記述は誤り。
・D
【選択肢解説】ペッキングオーダー理論は明確な最適負債比率を想定しないため、一意に定まるとする記述は誤り。
関連過去問:R6,問13

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